『8番出口』は怖くて笑えて濃い。『マーダーミステリーパラドクス』は遊びやすい。『THE FINALS』はドンパチ楽しい。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。418回目です。そろそろお鍋などいかがですか。
ミヤビックスの仕事の速さと精度たるや
今週は「Super Pocket: Capcom Edition」を触っていました。『ファイナルファイト』『ロックマン』『大魔界村』『ストライダー飛竜』など、カプコンのゲーム12本が内蔵された携帯ゲーム機です。別に「Taito Edition」もあり、もちろん各メーカー公認。ゲームボーイのようなスタイルで、サイズは一回り小さい。背面ボタンもあって、『ストリートファイターII’ TURBO』もちゃんとプレイできます。
本製品は59ドルとお安めながら、Evercadeのカートリッジに対応しゲームを買い足せるのが良いところ。上の写真に写っているのは、『R-TYPE』や『海底大戦争』などが収録された「Irem Arcade 1」です。ちなみに本体には、老舗ミヤビックスの特注保護フィルムを貼っています。まだ日本で珍しい製品は、実機を送ると製品化のための採寸ついでにサービスしてくれるのです。ありがたい。
by. Taijiro Yamanaka
マーダーミステリーパラドクス
今週は『マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年』を遊んでいました。本作は人口数百人の離島で事件に挑む、マーダーミステリー風のアドベンチャーゲームです。舞台である式音島では「式音島の神隠し」と呼ばれる連続怪死事件が発生していました。2004年8月、主人公の少年・天沢樹は初めて訪れた式音島で、血の繋がらない従兄弟たちと過ごしていました。しかし、そうした中でちょっとした事件が発生。自分自身の容疑を晴らすべく事件に立ち向かううちに、「式音島の神隠し」にも関わることになります。自身の巻き込まれる事件と、式音島の神隠しに立ち向かうわけです。
本作はマーダーミステリーを意識したADVとなっています。事件後の推理パートでは、会話によって情報を獲得。集めた証言や手がかりを使って推理をおこない、自身や周囲のアリバイを証明するなど、状況を明らかにしていきます。言葉で説明すると難しそうに聞こえますが、事件は情報を整理していけばおおよそ概要を把握できるようになっています。リソースの一つとして時間があるものの、かなり余裕があるので、遊びやすい内容といえるでしょう。
一つ一つの事件にはちょっと物足りなさも感じていたのですが、式音島の神隠しそのものは魅力的。事件と事件の間には強力なフックも用意されており、ミステリーアドベンチャーとしては上質な作品になっていました。
by. Keiichi Yokoyama
見つけたいけど怖いジレンマ
『8番出口』を遊んでいました。延々と続く地下通路からの脱出を目指し、通路に異変がなければ進み、異変があれば引き返すゲームです。クリアのためには連続で異変を見つけなければならず、失敗すると回数はリセット。異変の見極めの成功を重ねるほど、失敗のリスクが上がっていく作りです。
異変の種類はさまざまですが、ホラー色強めのものも存在。失敗を避けるためにじっくり探したいのに、異変を探すのが怖いというジレンマが生じます。恐怖を押し殺して通路を隅々まで観察するスリルがクセになる。また異変にはシュールで笑えるものもあり、怖くて胡散臭くて絶妙なバランス。
そして異変探しのなかでは疑心暗鬼に陥ることもしばしば。「このおじさん靴下履いてなかったっけ?」「肛門バリカンってなんだ?」としょうもない部分が気になって仕方ない。精細なグラフィックによりそうした細かい部分まで目がいく点も特徴で、異変探しの没入感を後押ししていました。短編ながら、濃密なひととき。
by. Hideaki Fujiwara
ルール流転の快感
今週はサービス開始した基本プレイ無料FPS『THE FINALS』を遊んでいました。筆者はFPSを遊ぶ時は、基本的に個人技メインでサクサク生き返るアリーナ系が中心。デスマッチ/チームデスマッチや、拠点を奪い合ういわゆる“コントロール”系のルールが好みであり、本作のようなルールが込み入ったチームプレイ重視の作品はあまり遊ばないタイプでした。
「あー、あんまり向いてないかもなー」と思いつつマッチに飛び込んでみたところ、結構好きかも。早い話がいろんな場所に移動してドンパチやるだけなので、戦況が膠着しなくてヨシ。筆者の印象だけかもしれませんが、テストプレイ時より撃ち合いの決着が速く個人技が活かしやすくなった感じもあり、楽しく遊べています。あと、滑り込みでお金を掠め取った時の快感などもかなりGood。でも願わくばやっぱりデスマッチなどが遊びたい。どうですか。
by. Sayoko Narita