『スイカゲーム』、スイカ作れねえ。Steamクライミングゲーム『Jusant』デモが心地よい。サイコロ・デッキ構築ゲーム『Astrea』は極太。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。410回目です。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。410回目です。もう秋でした。

マルチではより盛り上がりそう


今週はSteam Nextフェスにて配信中の体験版をあれこれプレイ。そのひとつ『Beacon Patrol』は、沿岸警備隊をテーマとした同名ボードゲームのデジタル版です。本作では海や陸地、灯台などが描かれたタイル3枚を手札として引き、それを船の周囲に置いて航海しながらターンをこなすことを繰り返し、山のタイルがなくなると終了。最終的に置いたタイルの種類や配置によって得点が入る、というのが基本的な流れ。最大4人協力プレイにも対応します。

隣り合うタイルは絵柄が繋がっている必要があるが、船が進めるように海の部分が繋がるように置くことが第一条件。タイルは回転不可のため、必ず置ける場所があるとは限らない。その場合はトークンを消費して船を以前置いたタイルへ移動させたり、所持タイルを破棄したりしてターンを進めていくことになる。ルールはシンプルながら、より多くの得点を稼ぐにはかなり頭を使う奥深さがあります。
by. Taijiro Yamanaka

孤独な登攀が心地よい


今週は『Jusant』のデモをプレイしていました。山のようにそびえ立つ「塔」をひたすら登りつつ、かつて存在した文明や塔の過去を解き明かすというもの。クライミングアクションでは、壁面の石や網などを掴んで登ることになるのですが、スタミナシステムがあるため時折休みながら効率よく登っていく必要があります。

相棒さえいれども、この登攀は孤独です。話しかけてくれる人もいなければ、陽気なBGMが流れるわけでもありません。上に登るまでのタイムを競う相手などいるわけもないのです。しかしそれが心地よいのです。岩の無骨さや残された生活の跡といったものがローポリゴンながら丁寧に表現されており、雰囲気がとても美しい。『風ノ旅ビト』や『黄昏ニ眠ル街』などといった作品に似た空気感といえば近いでしょうか。こうした、文明の跡だったり遺跡みたいなところを巡ったりするのは、いつになってもいいものです。

デモは1時間も経たずに終えてしまいましたが、それでも満足度は高め。トレイラーで見られた、植物を利用して崖を登ったり、滑車で移動したりといったギミックも体験してみたいですね。正式リリースによって深く語られるだろうストーリーも気になるところ。ライブラリにそびえ立つ塔のような積みゲーには目を背けながら、正式リリース日に早速購入して遊ぼうかと思っています。
by. Kosuke Takenaka


アサシンたちの凄さを知る


今週は登攀アクションパズル『Jusant』のデモ版をプレイ。自分は『アサシン クリード』では、用もないのについ壁を登ったり、岩山を登ったりとかしちゃうタイプなので、本作の登攀をテーマにしているところにビビッと来ていました。

プレイを開始し早速、自由に色んなところをよじ登っちゃうぞ〜と思ったら、左手には左トリガー、右手には右トリガーと、左右の手ごとにボタンが配置されていてびっくり。まるで本当のクライミングのように片手ずつ手すりにひっかけて着々と登っていくので、最初は操作に戸惑いました。しかし慣れてくると案外スルスル行けて心地が良い。最初はなんとかトリガーをバタバタさせて無理くり登っていたのが、スタミナを上手に管理しつつリズムよく登れるようになり成長を感じられるのも楽しいです。

しかし進めていくと、上に登るだけでは到底登りきれないような立体的な建物を登攀することとなります。そういったときは建物の構造をしっかり見て手すりになりそうな場所に先に目をつける。遠くにある手すりにはジャンプやロープを使った壁走りを使って強引に掴みに行く。『アサシン クリード』でエツィオやバシムたちがやっていたこと自身のコントローラーをフル活用してやってみると、アサシンたちの凄さがわかります。彼らはこれを仕事にしたほうがいい。製品版では自分もアサシンたちに負けぬよう、全力で登攀します。
by. Tamio Kimura


『スイカゲーム』、スイカ作れねえ


今週は今話題の『スイカゲーム』で遊んでいました。弊誌でも『スイカゲーム』の話題を扱うにあたり、同作および、無料で提供されている各種フォロワー作品などに触れてみたのでした。まず各種フォロワー作品に触れてみた印象は「ああ、たしかに面白いね」といった感触。落ち物としての基礎ルールが面白いので、楽しくプレイできる感じ。

しかし、“オリジナル”の『スイカゲーム』を触ってみたところ、予想外の作り込みに驚くことになりました。各フォロワー作品との大きな違いとしては、物理演算の調整の妙。微妙に弾力があり、フルーツ同士の摩擦もなめらかでありつつギリギリで思い通りにいかないもどかしい調整。それゆえに、繋がった時の気持ちよさはひとしおです。その手触りに、筆者はなんだか『ディズニー ツムツム』のちょうどいい意地悪さを想起したのでした。

そして、どうせ簡単につくれるだろうと思ったスイカが全然作れない。たぶんこのゲームにはしっかり戦略性もある。しかし、業務で疲弊し焼酎にひたった脳みそでは、2時間格闘してもスイカを作ることは叶わなかったのでした。寝て起きてからもう一度やってみよう。しっかりハマっとる。助けて。
by. Sayoko Narita



お財布のこと考えたらサイコロを振る


個人的なお話ですが、財布を落とし、Airtagを見たら見知らぬ他人の家。そんなショックを抱えながら、本稿を寄稿しています。なくしてわかる財布の大事さ……。そんな落ち込み度マックス状態でも、『Astrea: Six-Sided Oracles』は面白いです。Steamで発売されている、サイコロを使ったデッキ構築ゲーム。

ダイス自体にランダム性をもたせつつ、コスト計算・反転ギミックなどを盛り込み、デッキ構築ゲームとしての深みをドドンと出しており、なんというか、圧倒されます。高評価も納得の面白さ。ただ、圧倒されるというのは良くも悪くもという点もあり。というのも、このゲーム、デッキ構築ゲームの中でも、考えることがめちゃくちゃ多く、脳みそのメモリ要求がすごい。デッキの運用だけでなく、多彩な状態異常、反転タイミング、HP管理などなど。マネジメントするリソース対象が多く、それらにシナジーがあるのでめっちゃ面白いんですが、ラーニングコストとプレイにおける集中要求が重い。見た目や雰囲気はかわいいですが、極太という表現がよく似合う。

ほかのデッキ構築では、ある程度ギミックが似通ってるんですが、なんとなく雰囲気でわかる。一方で本作はギミックもユニークなので、そのぶんはじめて学ぶことが多い。ユニークで複雑だと理解するまで時間かかるので、それが大変であり面白くもあると感じました。財布を落としたせいで、脳みそのメモリが極度に小さくなっている可能性は否めない。
by. Ayuo Kawase

AUTOMATON JP
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