『ホグワーツ・レガシー』の出来がえぐくて底知れない。校内が治安いい。30歳魔法使い。『Dead Space』リメイクの安定感。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。375回目です。身体は大切に。


リズム格ゲー


今週は『God of Rock』の体験版をプレイ。本作はリズムゲームと格闘ゲームを組み合わせた作品だそうで、実際どのように戦うのか興味があったのです。本作の基本はリズムゲーム。両者同じ曲を同時にプレイし、レーンに流れてくる音符に対応するボタンをタイミングよく押していく。すると画面上のキャラが攻撃を繰り出し、ミスした方がダメージを受ける仕組み。格闘ゲームらしい要素としては、音符をヒットしゲージを溜めるとコマンド技を発動でき、相手にダメージを与えると同時に音符を追加できる。この辺が駆け引きとなりそうです。

リズムゲームとしては手堅い出来で、その点は満足度高め。素早い入力や同時押しもあるので、キーボードやアーケードスティックでのプレイ推奨。一方楽曲の難易度にもよりますが、プレイ中はどうしてもレーンに集中してしまい、バトルの様子を見る余裕がないのが少し残念。観戦者がいれば盛り上がりそうではあります。
by. Taijiro Yamanaka


三十歳の魔法使いとなった


昨年筆者は30という新たな人生の階段を上りきり、周囲の若々しいゲーマーとは対照的に身体に負の変化を感じ始めていました。例の“あの人”の顔面の如く、目を背けたくなる事実です。今週は、そういった憂鬱な事実に目を背けつつ『ホグワーツ・レガシー』のプレイを始めてみました。筆者は三十歳で魔法使いになったのです。

本作は極めて精巧に作られた「ハリー・ポッター」シリーズの遊び場、と筆者は感じました。特に校内やホグズミードの“遊び”要素は没入感を深めてくれる内容で、小説・映画ファンにはたまらない遊び場といえます。校内は迷路のように入り組み、途中にはストーリーとは無関係な“ハリー・ポッター世界を知ることができる”小ネタにあふれています。

また『ホグワーツ・レガシー』の戦闘も魅力的な要素といえるでしょう。スピーディかつ爽快感のある戦闘では、防御と攻撃のバランスの配分が素晴らしい。本作には相手の攻撃をタイミングよくブロックして、相手を怯ませる“パリィ”のような要素が存在。防御の直後にステューピファイを放って、相手を怯ませることでさらなる大ダメージを与えることが期待できるのです。更にストーリーを進めていくとスキルなども開放可能となり、戦闘を独自のスタイルに伸ばしていくこともできます。

やはり長時間ゲームをしていると腰にめがけて“クルーシオ”を食らっている気分ですが、遊ぶのを止められません。
by. Mayo Kawano


これはホグワーツ


今週は、『ホグワーツ・レガシー』で1890年のホグワーツ魔法魔術学校に通っていました。本作は「ハリー・ポッター」の世界を舞台に、5年生からホグワーツへ入学するオープンワールドRPGです。最初は見習いといった感じの主人公ですが、やがて箒や魔法生物での飛行や、闇の魔術すら習得していきます。ノーマルで秋まで遊んだ限りでは、主人公の防御アクションがとても強力で、戦闘が気軽。魔法を使った簡単なパズルなどが多めの印象です。

リリース直後の大きなゲームなので細かなバグにはよく遭遇するものの、本作に登場するのは「ハリー・ポッター」シリーズのホグワーツ城そのもの。絵画や亡霊たちが生き生きと騒ぎ、秘密の部屋や通路がいたるところに隠された城内は、歩いているだけ時間が溶けていく場所になっています。収集要素などで経験値が獲得できる仕組みも、作り込まれた城とよく合っており、メインがまったく進みません。楽しく散策しているとすぐに装備が所持上限に達してしまうので、そこだけは何とかしてほしいものです。あと本作では、主に人の良い生徒たちが登場します。個人的に、ホグワーツといえば治安の悪いイメージがあったので、物足りなさを感じていたのですが、進めていくと名もなき素行の悪い生徒が登場。アズカバン送りにされそうな彼らの姿に、不思議な安堵を覚えました。
by. Keiichi Yokoyama


とにかく楽しい石村


今週はリメイク版『Dead Space』を遊んでいました。筆者はオリジナル版もプレイ済みで、舞台となる惑星採掘船USG石村には、記憶が確かならば今回でおよそ10年ぶり5回目の訪問となります。リメイクを経てひさしぶりに伺う石村さんは、原作を尊重した極めて緻密な再現と、新しい要素が混交。既存ファンに実家のような安心感を与えつつも、リフォームが随所に入った新しい石村となっていました。

こまかい点ながら筆者がまず気にかかったのは、「USG ISHIMURA」の看板。アイザック一行を迎え入れてくれるこのサインは、オリジナル版ではやたら綺麗かつ高い位置にあったはず。リメイク版では、「こちら石村でございます」といった風情で老朽化しやや低い位置に。自然に視界に入るように調整されています。リメイク版となりゴリゴリ喋るアイザックさんも、2作目以降では普通に喋っていたせいか意外と違和感なし。UIの挙動や操作感に至るまでオリジナル版を忠実再現している一方で、ゲームシステム面にも及ぶ大胆な変化も盛り込み。懐かしさと新鮮さを見事に両立した仕上がりになっています。

交互に押し寄せる懐かしさと新鮮さのおかげで楽しい体験が出来ている一方、ぜんぜん怖くない。純粋にシューターとして遊んでいます。ホラーゲームとしてもったいない気はしつつ、旧来ファンでも楽しめるように作られているのは間違いないでしょう。
by. Seiji Narita


なんで?


『ホグワーツ・レガシー』めちゃくちゃに面白いです。予約版からはじめて、食う寝る以外ほぼプレイしてます。そこそこ長く遊んでますが、まだまだ底が知れない怖さがあります。

筆者は、「ハリー・ポッター」はアズカバン映画まで見た程度の人間。正直ファン向け要素はあんまりわからないのですが、ゲームとして面白い。雑感でいえば、SIEのWWS作品のごった煮みたいな内容。『ゴースト・オブ・ツシマ』ぽいストレスフリー&探索デザイン。『Marvel’s Spider-Man』ぽいアクションのダイナミックさに、『ゴッド・オブ・ウォー』みたいなストーリーテリングや親切設計という感じ。とりかくゲームを遊ぶサイクルが完成していて、しかも各々の体験がリッチ。ハクスラっぽいシステムのおかげで装備あさりも楽しい。魔法を使った戦闘も、快適&スタイリッシュで楽しい。ミニマップがめちゃくちゃ優秀なので探索もサクサク。何してても快適で楽しいので、マジで恐ろしい。

一方で、出来がよすぎて得体の知れなさがあります。前述の完成度のほか、細部のオブジェまでアニメーションしたり、とにかくえげつないクオリティ。開発元Avalanche Softwareの過去作を遊んだことがありますが、普通のスタジオといった域はでませんでした。なぜこれほどのものができたのか。SIEのWWS傘下とかならわかるのですが、そうでもない。開発が長期間というのはありそうですが、時間だけあってできるものでもないと思います。WB Gamesの監修がすごいのか。一体なぜなんだ。
by. Ayuo Kawase