『ゼンレスゾーンゼロ』プロデューサー、TVモニターへの反響には「驚いていない」と明かす。どんなフィードバックもまっすぐ受け止め改善したいので

『ゼンレスゾーンゼロ』Ver1.4「星流れ、神鳴の奔るが如く」は12月18日リリース予定。そんなVer1.4に先立ちGamesRadar+がプロデューサーにインタビューを実施。多くのフィードバックが寄せられた「TVモード」について、見解を述べた。

HoYoverseは12月6日、『ゼンレスゾーンゼロ』Ver1.4「星流れ、神鳴の奔るが如く」の詳細を公開した。12月18日リリース予定のVer1.4配信に先立ち、海外メディアGamesRadar+が本作プロデューサーZhenyu Li氏たちにインタビューを実施した。インタビューでは主に賛否多くの意見が寄せられていた「TVモード」に対する開発チームの姿勢などが明かされている。

『ゼンレスゾーンゼロ』はHoYoverseが手がける、基本プレイ無料のアクションRPGだ。本作の舞台はホロウと呼ばれる災害が出現した世界。ホロウは万物を飲み込む異常な球状空間で、その中ではエーテリアスと呼ばれる異形の怪物が存在している。

本作の主人公である兄妹のアキラとリンは、表向きにはビデオ屋を営んでいる。しかしその実、人々のホロウでの活動を手助けする「プロキシ」として活動している。本作で彼らは、特殊な仕事を請け負う専門家として、個性的なエージェントたちとともに冒険することとなる。

本作は12月18日にVer1.4として大型無料アップデートがおこなわれる。Ver1.4では新プレイアブルキャラ「浅羽悠真」「星見雅」が登場。さらにメインストーリー新章や新エリアといった各種新要素などが実装される。加えて既存要素にも変更が加えられ、現在実装済みのメイン依頼の序章から第三章について、従来の「TVアレイ」探索からステージ探索に変更されることとなった。なおTVアレイでの探索は、メイン依頼を初めてクリアした後に体験することが可能だ。

TVアレイ探索とは、『ゼンレスゾーンゼロ』における探索モードのひとつだ。ブラウン管テレビを模したマスに沿ってプレイヤーが移動する。各マスに設定されているイベントなどに応じて、アイテム獲得やギミック操作をすることとなる。エーテリアスと邂逅すれば、戦闘もおこなわれる。

このTVアレイ探索パートには以前より多くの意見が寄せられており、「プレイがぶつ切りのように感じる」「所要時間が読めず、長い」といったネガティブな意見もあったという。実際にVer1.1「ネズミ色のブルース」ではメインのストーリーにてTVアレイ探索が撤廃された背景がある(関連記事)。

こうした各種変更に対し、海外メディアGamesRadar+が本作プロデューサーのZhenyu Li氏やゲームデザイナーに対しインタビューを実施した。Li氏たちの回答によると、TVアレイ探索を好まないプレイヤーによるフィードバックの多さについては特に驚かなかったという。長期にわたる展開を目指す『ゼンレスゾーンゼロ』では、フィードバックによる改善は成長の原動力だと位置づけているようで、TVアレイ探索についてのフィードバックには、「驚くことも、無視することもない(We are neither surprised by nor dismissive)」としている。むしろフィードバックについては感謝さえして、すべての意見に耳を傾けたいとの思いを伝えている。

またLi氏はTVアレイ探索について、その他のゲームと『ゼンレスゾーンゼロ』を分かつ重要な特徴だと考えており、ユニークなスタイルを形作っている要素だと考えているようだ。Li氏の伝えるところでは、TVアレイ探索をメインとした期間限定モード「沙羅ゴールデンウィーク」のユーザー評価は高かったとのこと。一方で、TVアレイの全体的な調整やフィールドのバランスが、ときに難解でまとまりがないように感じられることがあったと振り返っている。現在はそうした結果を踏まえ、継続して改善しているという。

なお開発チーム内では、現在でもTVモードの役割やスタイルについての意見がわかれている模様。とはいえ、Li氏の確認する限りでは、TVアレイ探索そのものについての否定的な意見はほぼなく、その大半がモードの占める割合とUIなどの表示に関するものであるという。そのためTVモードの廃止は考えず、最適化を長期的に取り組んでいく見込みのようだ。現時点での解決策としては、TVモードに興味がない人も、メインストーリーなどのコアな体験が楽しめるようにすることと語っており、その方針が、アップデートによるメイン依頼の「ステージ探索」化に繋がったとみられる。

『ゼンレスゾーンゼロ』のTVアレイ探索については否定的な意見も見られるものの、主人公兄妹の「プロキシ」らしさが表現されているとの声や、パズル要素を楽しんでいるとするユーザーも散見された。Li氏は全員を満足させる「完璧な妥協点」はないとしつつも、可能な限り最善の結果となるようアプローチを進めていくと述べた。

本作ではアップデートごとに各所に調整が加えられており、新コンテンツ追加以外にもUIやシステムの調整などがおこなわれてきた。数多くの意見が寄せられるTVアレイ探索モードについても例外ではないようで、変わらず念入りな調整が実施されていくようだ。今後のアップデートからも目が離せないことだろう。

ゼンレスゾーンゼロ』はPC(HoYoPlay/Epic Gamesストア)/PS5/Android/iOS向けに基本プレイ無料で配信中だ。Ver1.4「星流れ、神鳴の奔るが如く」は12月18日リリース予定となっている。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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