『The Elder Scrolls Online』開発元が「今後も運営続ける」宣言。マイクロソフトによる大規模レイオフを乗り越え
ZeniMax Online Studiosのスタジオ責任者を務めるJo Burba氏は8月1日、『The Elder Scrolls Online』の開発・運営を継続する意向を示した。

ZeniMax Online Studiosのスタジオ責任者を務めるJo Burba氏は8月1日、同社が開発する『The Elder Scrolls Online』について声明を発表。今後も本作の開発・運営を継続する意向を示した。
『The Elder Scrolls Online』は、『The Elder Scrolls』(以下、『TES』)シリーズを題材としたMMORPG。対応プラットフォームはPC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。本作の舞台は、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の時代から約1000年前のタムリエル大陸。冒険のなかでは膨大な数のクエストやチャレンジをこなし、自由にキャラクターを成長させていく。

本作はBethesda Softworksが販売を担当し、ZeniMax Online Studiosが開発を手がけている(国内向けにはDMM GAMESもPC版サービスを展開)。Bethesda SoftworksとZeniMax Online Studiosの両社はともにアメリカのゲーム企業ZeniMax Mediaの子会社であるが、2020年にマイクロソフトが約75億ドル(当時のレートで約7800億円)でZeniMax Mediaを買収。現在はそれぞれマイクロソフト傘下の企業となっている。
ところで先月、マイクロソフトは9000人以上におよぶ大規模なレイオフを実施。業務プロセスの合理化や管理職層の階層削減を目的としたこのレイオフでは、ZeniMax Mediaをはじめとするゲーム部門も対象となったことが明らかに(関連記事)。またこの影響を受け、ZeniMax Online Studiosが約7年半もの期間をかけて開発中であったとされる未発表の新作MMOのプロジェクトが中止となったことも報じられた。同プロジェクトについては、携わる200人以上の開発スタッフ全員が解雇されたとの見解も出ている(PC Gamer)。
さらに、ZeniMax Online Studiosのスタジオ責任者であり『The Elder Scrolls Online』のゲームディレクターを務めるMatt Firor氏が時を同じくして退任を発表。後任のスタジオ責任者としては、本作でライブサービスディレクターを務めた経験をもつJo Burba氏の就任が決定した。突然のトップ交代は本作コミュニティに大きな衝撃を与えることとなった。

そうしたなかで、新たにスタジオ責任者となったBurba氏は8月1日、『The Elder Scrolls Online』公式サイトにて声明を発表。同氏はまず「本作はどこにも行かない(the game isn’t going anywhere)」と明言したうえで、新コンテンツの実装やゲームの改善などに引き続き尽力することをユーザーに約束した。また先日のレイオフによってスタジオの同僚たちを失ったことへの衝撃に言及しつつ、現在は『The Elder Scrolls Online』に注力することが最優先事項であるとしている。そしてBethesdaやXboxのパートナーたちも同氏と同様に、本作が数十年単位で運営を続ける他のMMO作品のような、プレイヤーたちの長期的な拠り所になれると信じているとして、今後も変わらず従来の価値観を貫いていく姿勢を示した。
先述したレイオフによる新作MMOプロジェクトの消滅もあってか、ユーザーの間では『The Elder Scrolls Online』の存続も危ぶまれる状況となっていた。開発元によって、今後も前向きに運営していくとの強い思いが表明されたかたちだ。なお、Burba氏は声明の中で、『The Elder Scrolls Online』に大きな変化が訪れることを示唆している。詳細は近日中に発表されるとのこと。続報にも注目される。
『The Elder Scrolls Online』はPC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。