『オブリビオン』リマスターでオリジナル版にない「『スカイリム』の山」が追加されたとの報告。実際に行って確かめた
『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』では「スカイリム地方」のランドマークが追加されているとして、注目が寄せられている。

Bethesda Softworksは4月23日、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』(以下、Oblivion Remastered)を発表し、発売した。本作ではリマスターにあたり、シリーズ続編の舞台となる「スカイリム地方」のランドマーク「世界のノド(Threat of the World)」が追加されているとして、注目が寄せられている。筆者が実際に“現地”にて確かめてみた。
『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(以下、Oblivion)は、2006年から2007年にかけてPC/Xbox 360/PS3向けに発売されたオープンワールドRPGだ。『The Elder Scrolls』シリーズのナンバリング第4作となっており、舞台となるのはタムリエル大陸の中央に位置するシロディール地方。スカイリム地方の南方となる。主人公は世界を破滅へと導く陰謀を阻止すべく、広大なシロディールを冒険することとなる。『Oblivion Remastered』では、同作のグラフィックを刷新、ゲームプレイもアップデートされ、公式に日本語表示に対応。傑作を現代の環境で楽しめる作品となっている。
そんな本作にて、『Oblivion』の続編となるシリーズナンバリング第5作『Skyrim』におけるランドマークの描写が「オリジナル版にはなかったがリマスター版で追加された」との報告があがっている。本シリーズが展開されているのは、前述の広大なタムリエル大陸。各シリーズ作品では主にそのなかの限られたエリアが舞台となり、ほかのエリアは“マップ外”に。ほかの地域の様子をマップの境界から覗くことはできても、実際に行くことは基本的にできない。しかし、『Skyrim』ではエリアの境界や3Dマップ上から、前作『Oblivion』のランドマークである「白金の塔」らしき塔をちらりと確認することが可能だった。作品の垣根を超えて、世界観の繋がりを感じられる描写だったわけだ。
そして今回、そうした描写が『Oblivion Remastered』で新たに追加されたとの報告がなされている。続編『Skyrim』の舞台であるスカイリム地方でも、特に象徴的なランドマーク「世界のノド(Throat of the World)」と思しき山が追加されたというのだ。世界のノドは、同地方における最高峰。高くそびえる荘厳な巨峰だ。前述のRedditにおける投稿では、「あれは世界のノドだろうか?」としてマップ境界の向こうにある山を紹介。「リマスター版で新たに追加されたものだ」として同意のコメントが集まり、複数の海外メディアも紹介するほど注目を集めている。
一方で、この世界のノドと思しき山が「オリジナル版から描写されていた可能性」も残っている。というのも、Redditではリマスター版リリース以前の過去に「(オリジナル版の)『Oblivion』ゲーム内で世界のノドのような山を見つけた」との報告も存在する。元からあったのか、追加されたのか。スクリーンショットを見比べるだけではなかなか判断が難しい。そこで筆者は実際に、オリジナル版『Oblivion』と『Oblivion Remastered』で同じロケーションを訪れ、検証することにした。なお、今回検証に用いたオリジナル版『Oblivion』は、GOG.com版『The Elder Scrolls IV: Oblivion – Game of the Year Edition Deluxe』となる。描画距離などの設定は最大値にしている。

今回の検証では、シロディール地方の北方、スカイリム地方に面したマップの境界を目指し、「マップ境界の先」を観測する必要がある。利用したのは、メインクエストでも訪れる「曇王の神殿」。そこから北の急斜面を乗り越え、スカイリム地方の様子を確認することにした。ひとつの発見として、オリジナル版『Oblivion』より『Oblivion Remastered』の方が、エンジンの違いか調整の結果か、はるかに急斜面を登りやすくなっていた。『Oblivion』で苦労しつつ斜面を登り切ると、『Oblivion Remastered』との違いは歴然となった。


まず当然のことではあるものの、植生や地形の精細さが段違いである。『Oblivion Remastered』の方では、「マップ外にも世界がある」と感じさせる作り込みがより丁寧にされている印象だ。そして肝心の世界のノドについて。『Oblivion Remastered』では、巨大な山が明らかに新たに配置されている様子が見て取れる。オリジナル版でも「それっぽい」と解釈できる山脈は見られるものの、『Oblivion Remastered』では明らかに意図をもって、世界のノドと解釈できる印象的な山が追加されている様子だ。
『Oblivion Remastered』における“世界のノド追加”を伝える前述のReddit投稿には、こうした作り込みを称賛するプレイヤーの声などが見られる。続編『Skyrim』を挟んでの復刻リマスターにて、色濃くシリーズ世界の繋がりを示す開発陣の粋な演出なのだろう。なお、この後記事下部にオリジナル版・リマスター版それぞれのマップ位置を示すので、実際に自分の目で見たい方は訪れてみてほしい。ほかにも、よく見えるスポットが存在するかもしれない。
『The Elders Scrolls IV: Oblivion Remastered』はPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。

