
ホラーの名手Bloober Team新作『Cronos: The New Dawn』いきなり人気絶好調。『サイレントヒル2』リメイクに続き、オリジナル新作もヒットの兆し
Bloober Teamは9月5日、『Cronos: The New Dawn』を発売した。さっそく好評を博し、多くのプレイヤーを集めている。

Bloober Teamは9月5日、『Cronos: The New Dawn』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|Sで、日本語表示にも対応している。なおPS5/Nintendo Switch 2版の日本・韓国向けの販売はセガが担当している。本作はさっそく好評を博し、多くのプレイヤーを集めている。
本作は、過去と未来を行き来する三人称視点サバイバルホラーゲームだ。舞台となるのは、東欧的な雰囲気とレトロフューチャーなテクノロジーが融合した陰鬱な世界。プレイヤーは謎の組織コレクティブに雇われたトラベラーとして、異形の敵が徘徊する荒廃した未来の世界を探索することになる。トラベラーの任務は、時の裂け目から「変化」の渦中にあった1980年代のポーランドに遡り、かつての重要人物のエッセンスを抽出して未来に持ち帰ること。過去と未来を行き来しながら任務を遂行するのだ。

ゲームプレイにおいては、敵が敵の死体と「融合」してさらに危険な存在に変貌するシステムが特徴。トーチ(火炎放射器)を用いて死体を焼却すれば融合を防げるものの、トーチの燃料は限られている。銃弾なども含めて多面的なリソース管理が必要となる点が特徴となっている。
本作を手がけるのはポーランドに拠点を置くBloober Team。『Layers of Fear』シリーズを手がけてきたほか、コナミとのタッグで『SILENT HILL 2』を開発するなど、ホラーゲームに定評のあるスタジオだ。今回の『Cronos: The New Dawn』は同スタジオにとって久しぶりの完全新作となっている。

そんな本作は発売後、連日Steamでの最大同時接続プレイヤー数が約5000人を記録しており、盛況を博している(SteamDB)。約2万3000人を集めた『SILENT HILL 2』や、『Layers of Fear(2016)』の期間限定無料配布時の盛り上がりを除けば、SteamにおけるBloober Teamのオリジナル作品としては最大級の盛り上がりだ。
ちなみに本作はデジタルデラックスエディション向けに先行アクセスも実施されており、先行アクセス時からのレビューも含めて本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは約1500件86%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作ではブルータリズム建築の東欧の街並みを舞台にした、陰鬱な世界観が特徴。独特なSF設定も散りばめられたストーリーや、グロテスクな表現の数々も持ち味となっている。ゲームプレイは上質なサバイバルホラーTPSとなっており、先述した死体の焼却のほか、チャージ射撃システムなども含めて“ただ撃つだけ”ではない遊びの幅も見られる。各種リソースを上手く節約しながら進む緊張感もあり、総合的に好評を受けているようだ。

一方でSteam版では本稿執筆時点で、日本語設定でプレイすると音声ログの入手・再生時などにフリーズする不具合が報告されている。この点から、特に日本語ユーザーからは不評が集まり、現時点でレビュー22件中好評率が63%にとどまる「賛否両論」ステータスとなっている。ゲームプレイ面については評価する声もあり、アップデートによる修正が期待される。
なお先述したとおり『Cronos: The New Dawn』は、スタジオにとって久しぶりの完全新作だ。過去の同スタジオ作品では評価面での苦戦もみられたものの、『SILENT HILL 2』のリメイク版で高い評判を得たことは、スタジオのスタッフにとって大きな自信に繋がったという(関連記事)。オリジナル新作となった『Cronos: The New Dawn』は同作と別の開発チームが担当していたそうだが、こちらもさっそく好調となっており、同スタジオの今後の活動にも注目したい。
『Cronos: The New Dawn』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。
