あるゲーム開発者が「Steamのウィッシュリスト登録者を明日までに増やしたい」と切望し、アドバイス集合。“すぐ”できる改善から、根本的な指摘まで

ある開発者がSteamにて自作品のウィッシュリストをすぐさま増やす方法を教えてほしいとRedditにて呼びかけた。すぐに多くのアイデアや指摘が寄せられ、さっそくトレイラーの刷新がおこなわれた。

デベロッパーのCapriccioso Games Studioは、Steamにて発売予定の『Haphazard Angel』について、ウィッシュリストをすぐさま増やす方法を教えてほしいと海外掲示板Redditにて呼びかけた。すぐに多くのアイデアや指摘が寄せられ、さっそくトレイラーの刷新がおこなわれた。

『Haphazard Angel』は、異形の堕天使「Kazfiel Balthioul Tabbris」を操作する、ローカル協力専用マルチプレイヤーゲームだ。丸い胴体に一つ目という外見の堕天使には4つの羽があり、2~4人のプレイヤーがそれぞれの羽を操作する。プレイヤーは7つの大罪をモチーフとした一長一短ある羽を選択し、それぞれの羽ばたきにより進行方向が決定される。フィールドには、堕天使への影響力を強めるアイテムや、当たると体力が減る障害物も存在。そうしてプレイヤー同士が協力、時には争いながらアイテムを集めて天国への帰還を目指すのだ。なお、SteamのRemote Play Togetherを活用することでオンラインでも協力プレイ可能だ。


本作の開発者DNAniel213氏は2月10日、本作のウィッシュリスト登録者数が思うように増えない状況を投稿。同氏によると4か月前に本作のストアページを立ち上げた際の目標は、日本時間2月11日から予定されている「ローカル協力プレイフェス」までに1000人のウィッシュリスト登録を目標としていたという。しかし前日となるスレッド投稿時点でウィッシュリスト登録者数は半分以下の475人だったという。

とはいえDNAniel213氏はこれまでの取り組みも報告。SNSでの個別アプローチ、コンベンションへの出展などによりストアへのアクセス数は増えつつも、ウィッシュリストの登録に繋がらなかったとのこと。せめて、あと25人のウィッシュリストを獲得するために、何が欠けているのか教えてほしいと呼びかけている。フェスでの露出を増やしたい狙いがあるのだろう。

この投稿に対して、すぐさまいくつものアイデアや指摘が寄せられている。最も多くの支持(Upvote)を集めているのはトレイラーに無駄が多いという意見だ。この点を指摘したユーザーは、冒頭の15秒がロゴや堕天使の紹介に割かれており、ゲームプレイの特徴や要素がすぐには伝わってこないとの考えを説明。また、ストアページの紹介文に対しても、何を目的としてプレイするのか伝えきれてないとも指摘されている。

そのほか、タイトルロゴが読みにくいという意見のほか、ローカル協力プレイ専用というジャンル自体が非常に狭い市場であるという指摘もみられる。とはいえ、DNAniel213氏はローカル協力プレイ専用というジャンルについてはこだわりがあり、『オーバークック(Overcooked)』シリーズなどのファンをターゲット層として想定しているようだ。

そうしてさまざまなアイデアや指摘を受けた結果、DNAniel213氏はまずトレイラーの修正に着手することを表明した。数時間で新たなトレイラーが完成し、本稿執筆時点でストアページにも公開されている。前述の初期トレイラーと比較して、冒頭からゲームプレイ映像が用いられ、本作の特徴がすぐに伝わるようになっている。さらに、タイトルロゴについても見直しをおこない、ストアページでの紹介文も一目で特徴が伝わるように修正を予定しているそうだ。ブラッシュアップ後のストアページについて注目したい。


なお、過去にはゲームクリエイターの桜井政博氏が、宣伝においてゲームプレイを早めに見せた方がよいといった考えを示し、ユーザーや業界人からの共感を集めていたことがある。同氏は「ゲーム画面を見せてくれ!」と題した動画を投稿。特にインディーゲームや初開発作品では、世界観などではなくゲームプレイ映像をすぐに紹介する方が広報として効果的としていた(関連記事)。また、今年にはインディーゲーム開発者を中心に、15秒で紹介する動画投稿も流行し、ユーザーから大きく注目されたポストも見られた(関連記事)。昨今では多種多様なインディーゲームが展開されていることもあり、それぞれのトレイラーを最後までじっくりとチェックしてくれるユーザーは多くないだろう。今回のDNAniel213氏のスレッドに寄せられた指摘も見るに、すぐさまアピールしたい魅力を伝える、ゲームプレイ映像重視のトレイラーが引き続き重要視されている傾向もうかがえる。

ちなみに昨今ではSteamのウィッシュリスト増加に繋がる施策としてSteamの各種フェスへの出展のほか、Kickstarterでのクラウドファンディングキャンペーン成功が期待値上昇に繋がった例もあるようだ(GameDiscoverCo)。また作品のプロトタイピングの段階から、ニーズを見据えて作ることも重要とする考えもある。いずれにせよ作品の魅力を素早く伝えるだけではなく、評判を高めるためにはさまざまな手法が必要となるのだろう。

『Haphazard Angel』は、PC(Steam)向けに発売予定だ。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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