一人二役対戦FPS『Spectre Divide』なんとあとひと月でサービス終了へ。初動につまづいたベテラン開発者らの注目作、シーズン1ですぐさま幕切れ

デベロッパーのMountaintop Studiosは3月13日、『Spectre Divide』について、今後30日以内にサービスを終了することを発表した。なお本作については、約2週間前にシーズン1にあたる「Flashpoint」がリリースされたばかりであった。
『Spectre Divide』は3対3のタクティカルFPS。『Counter-Strike 2』や『VALORANT』と同様の、いわゆる「爆破系FPS」だ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。なおゲーム内は日本語に対応している。本作では、攻撃側と防衛側にわかれ、爆弾の設置や爆破、解除を巡った攻防を繰り広げることとなる。試合は攻守を入れ替えつつラウンドが繰り返され、既定のラウンドを取得することで勝利となる。
本作の特徴は、「デュアリティ」と呼ばれるアイテムにある。プレイヤーはデュアリティを投げるなどして配置することができる。そして発動すると、デュアリティを設置した場所から、二つ目の身体にあたる「スペクター」を召喚し、以後操作キャラクターとして入れ替わることができる。つまり3対3ながら、疑似的に6対6での試合が展開されていくわけだ。今年2月26日には、コンソール版とともに、シーズン1「Flashpoint」がリリースされていた。
『Spectre Divide』の開発を手がけるMountaintop Studiosは3月13日、本作のSteamニュースハブにて、ファンに向けての手紙というかたちで声明を発表した。同スタジオによれば、シーズン1のリリースは、ゲームを運営し続け、同スタジオを存続させるような成果をあげられなかったという。
また現在Mountaintop Studiosは資金繰りに苦戦しているとみられ、ゲームを運営する資金が不足しているだけでなく、今週末にはスタジオを閉鎖する予定であることも明かされた。状況を打開するためにパブリッシャーを探し、追加の資金調達なども模索したものの、それもうまくいかなかったそうだ。

本作は2024年8月に発表。Mountaintop Studiosには『Counter-Strike: Global Offensive』や『VALORANT』に携わった業界のベテランが多く在籍しており、そんなスタジオから贈りだされる野心的なFPSとして注目が集まっていた。また元FPSプロゲーマーでストリーマーのshroud氏も制作に協力しているということもユーザーの期待を高めていた要因のひとつといえる。
しかしながら9月4日のPC(Steam)版リリース後には、マッチングの問題や、スキンの価格が高すぎるとの意見が多く寄せられ、「賛否両論」スタートとなる苦戦を強いられた(関連記事)。なおアップデートによりスキンの値下げやサーバーメンテナンスが実施され、状況はある程度改善したとみられる。ただその改善もゲームの維持には及ばず、Steamでの同時接続プレイヤー数はピーク時で200~300人前後。シーズン1開幕直後でもピーク時で1000人程度で、その後再び減少していた。そうした状況もあり、サービス終了が決定されたかたちだ(SteamDB)。
なお『Spectre Divide』は今後30日以内にサービスが終了する予定。サービス終了にあたってはシーズン1開幕以降にプレイヤーが払った金額の返金と、新規購入の無効化を検討中とのこと。追って詳細が知らされるとのことで、続報も注目される。
『Spectre Divide』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中だ。