新作ソウルライク『エノトリア』、発売後のCMソングで「発売延期した理由」をなぜか堂々アピール。“リングのDLC”とかぶった
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Jyamma Gamesは9月19日、『エノトリア:ザ ラスト ソング(Enotria: The Last Song)』をPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに発売した。本作はセガがアジア向けのサブパブリッシングを担当しており、“渾身の替え歌CMソング”が披露され注目を集めているようだ。
本作は、イタリアの伝承や文化の影響を受けるソウルライク・アクションRPGだ。開発を手がけるのはイタリアに拠点を置くJyamma Games。本作の舞台は、カノヴァッチオと呼ばれる終わりなき邪悪な演劇に飲み込まれてしまった世界だ。その演劇において役目を与えられていない唯一の存在である主人公「変化の仮面」が、世界を停滞から解放させるべく危険で美しい世界を冒険する。
道中では、カノヴァッチオを作った者や、世界の変化を拒む者、あるいは創られた物語に従うことを強いられている者といった敵が待ち構えている。倒した敵の仮面を身に着けてその役に扮し、新たな力を得られるシステムも本作の特徴だ。またアクションとしてはクイックステップのほか、ジャストパリィを決めれば敵の体勢を崩せるシステムも用意。体勢を崩した敵には、強力な「リポスト」攻撃を発動できる。
本作はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに9月19日にリリースされた。日本を含むアジア地域では、セガがサブパブリッシングを担当。セガが本作のCM向けに制作した“渾身の替え歌”が、注目を集めている。
セガが公開したのは、その名も「死にゲーあるあると共におくるCMソング」。イタリアの大衆歌謡「フニクリ・フニクラ」のメロディに日本語歌詞を付けた歌だ。テノール歌手の栗原光太郎氏が歌い上げている。本職オペラ歌手の美声で歌われるのは、タイトルどおり“死にゲーあるある”を綴った歌詞。雑魚敵が強かったり無視して突っ切っても死んだり、何度挑んでも倒せないボスでも寝て日を改めたらあっさり倒せたり。死にゲーにありがちなエピソードは、共感を呼んでいるようだ。
また歌の後半では“二度の発売延期についての自虐ネタ”も堂々と紹介されている。というのも本作は当初、6月21日に発売されることが発表されたが、そのわずか3日後に『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」が同じ6月21日に配信されることが発表。これを受けて、Jyamma GamesのCEO Greco Giacomo氏が「SHADOW OF THE ERDTREE」と同じ日にリリースするのは“自滅的な行為”であるとの考えが伝えられ、発売延期になっていた(関連記事)。ようするに、人気作『エルデンリング』の大型DLCと発売日が被ってしまったことで、急遽発売予定が変更されたわけだ。
発売日は2か月延期され8月21日となったが、その後さらに約1か月延期され、9月19日の発売となった。そうした紆余曲折を、今回のCMソングでは「エノトリア発売延期の経緯」として紹介。“DLCと書かれたリング(指輪)”など可愛らしいイラストと共に、「かぶったかぶった発売日」と妙に楽しげに歌われている。
また二度目の延期については、8月19日に発売された大ヒットゲーム『黒神話:悟空』を彷彿とさせるイラストと共に「まけないまけないエノトリア」と表現。なお『黒神話:悟空』の8月19日の発売は“後から被った”わけではなく昨年12月に発表されていた。少なくとも二度目の延期については、「注目作との発売日被り」とは別の原因があったのかもしれない。
死にゲーあるあるや“自虐”を散りばめた歌詞が、本格オペラ歌唱で歌い上げられた『エノトリア』のCMソング。本稿執筆時点でYouTubeでの動画は10万回再生を突破しており、風変わりな歌での宣伝ながら、サブパブリッシングを務める“セガらしい”として注目されている様子だ。
なお『エノトリア』は本稿執筆時点のSteamユーザーレビューにおいて約700件中58%が好評とする「賛否両論」ステータス。不具合の多さなど課題点も指摘されている一方で、世界観や美麗なグラフィック、パリィを主体とする戦闘の気持ち良さなどは一定の評価を受けている。また、死にゲーとしては難易度が比較的マイルドな点から遊びやすいといった声もみられる。実際にプレイして、動画で歌われているような“死にゲーあるある”を作中で体験してみるのもいいかもしれない。
『エノトリア:ザ ラスト ソング(Enotria: The Last Song)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに発売中。Xbox Series X|S向けにも発売予定だ(関連記事)。このほか本作開発元は今後のロードマップを公開しており、遊びやすさの改善やブラッシュアップを続けていくことを表明している。
Hideaki Fujiwara
なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。