新作ソウルライク『Enotria: The Last Song』発表したばかりの発売日が『エルデンリング』DLCと被る。同日リリースは“自滅行為”なので発売延期へ

 

デベロッパーのJyamma Gamesは2月27日、ソウルライク・アクションRPG『Enotria: The Last Song』の発売延期を予告した。本作は先日、6月21日の発売が発表されたばかりであるが、その後フロム・ソフトウェアが『エルデンリング(ELDEN RING)』のDLCを同日に配信すると発表したため、急遽計画を変更することにしたという。


『Enotria: The Last Song』は、イタリアの伝承や文化の影響を受けるソウルライク・アクションRPGだ。本作の世界は、カノヴァッチオと呼ばれる終わりなき邪悪な演劇に飲み込まれてしまい、その演劇において役目を与えられていない唯一の存在である主人公「変化の仮面」が、世界を停滞から解放させるべく危険で美しい世界を冒険する。

道中では、カノヴァッチオを作った者や、世界の変化を拒む者、あるいは創られた物語に従うことを強いられている者といった敵が待ち構えており、プレイヤーはさまざまな装備やパリィなどのテクニックを駆使して戦う。本作では、倒した敵の仮面を身に着けることで、その役に扮し、新たな力を得られることが特徴で、戦略的に着け替えてプレイスタイルを変更。また、周囲の環境を変化させられる能力も存在し、戦闘を有利に運んだり、パズルを解いたりといったことに利用できる。

本作は先日2月18日に、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに6月21日に発売されることが発表。ただその3日後、フロム・ソフトウェアが『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」を、同じ6月21日に配信すると発表したのだった。


『エルデンリング』は2022年2月に発売されると、世界中で数多くの賞を受賞するなど高く評価され、世界累計出荷本数は2300万本を超える大ヒットを記録。DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」においては、新たな舞台となる影の地を舞台に、デミゴッドのひとりミケラをめぐる物語が描かれる。さらに武器や魔法、戦技などの追加も含まれ、ファンから大きな期待が寄せられている。

同DLCの発表を受けて、『Enotria: The Last Song』の開発元Jyamma GamesのCEO Greco Giacomo氏は2月27日、本作の公式Discordサーバーを通じて声明を発表した。その中でGiacomo氏は、「『エルデンリング』(のDLC)と同じ日にリリースするということは、本作であれほかのどのゲームであれ、自滅的な行為であることは重々承知している」とコメント。そのため、本作の発売を延期することも含めて、すぐに検討に入ったとのこと。

そして、結果的に発売延期を決断したようだ。現時点では新たな発売日はまだ伏せられており、日本時間3月22日5時から開催されるイベント「Future Games Show」を通じて、本作のゲームプレイトレイラーの公開と共に発表するそうだ。また同イベントにあわせて、別の大きな発表もあるとしている。


大型タイトルや期待作と同じ日・時期に発売するとなると、自らの作品への注目度が下がるほか、ゲーマーの時間も奪われてしまい、結果として売り上げ低下に繋がる可能性がある。たとえば、Ascendant Studiosが開発しEAから発売された魔法FPS『アヴェウムの騎士団』では、『バルダーズ・ゲート3』や『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』などの大作がひしめく時期に発売されたことが、売り上げ不振の理由のひとつであったと開発元CEOにより語られた(関連記事)。

そのため今回の『Enotria: The Last Song』ように、あえて発売日をずらす例はこれまでにもいくつかある。最近では、THQ Nordic/Pieces Interactiveのサバイバルホラーゲーム『Alone in the Dark(アローン・イン・ザ・ダーク)』(関連記事)や、11 bit studios/Fool’s TheoryのRPG『The Thaumaturge(ソーマタージ)』(関連記事)などが発売延期されている。また、延期されるだけではなく前倒しされることもあり、Sloclapのアクションゲーム『Sifu』はまさに『エルデンリング』などを避けて、当初予定より2週間前倒しして発売された(関連記事)。

『Enotria: The Last Song』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売予定。新たな発売日は3月22日に発表される。