『バイオハザード7』、「毎年連続100万本売上」を達成していた。発売から8年経っても、根強い人気は未だに続く
カプコンの決算報告によって、『バイオハザード7 レジデント イービル』の売上について、リリースから現在に至るまで、毎年100万本の売上を突破していたことが明かされた。

カプコンは10月29日、2026年3月期・第2四半期(2025年4月1日~2025年9月30日)の決算報告を公開した。その中で、『バイオハザード7 レジデント イービル』(以下、バイオハザード7)が110万本以上を販売し、現在に至るまで毎年100万本以上を売り上げていることが明らかになった。
『バイオハザード7』は2017年にリリースされた『バイオハザード』シリーズの作品だ。当時新たに導入されたゲームエンジン「REエンジン」のフォトリアルなグラフィック、シリーズ初の一人称視点採用、VR対応など、多くの新要素が盛り込まれた作品だ。一方で、「恐怖」を前面に押し出し、ホラーゲームとしてシリーズへの原点回帰も果たされている。

今回の決算報告によると、『バイオハザード7』は4月から9月末の半年間で約114万本を売り上げ、累計販売本数が1590万本を突破した。前年までの決算報告によれば、同作は2017年の発売以降、毎年の売り上げが一度も100万本を下回ることなくロングセラーを記録。累計販売本数としては、2021年10月には1000万本を突破し(関連記事)、そして今回ついに1500万本を突破した。6月時点では『バイオハザード RE:2』に次いで、シリーズ歴代2位の販売本数となっている。
前述のとおり、本作は従来の三人称視点から一人称視点への変更など、没入感重視のホラー路線へと大胆なゲームシステム刷新を敢行。各レビュー集積サイトでも高い評価を獲得し、ややアクション寄りになっていた過去作からの路線変更が、新規・既存ファン双方の注目を集めた。歴代シリーズと比較すると当初の売上の伸びは比較的緩やかであったが、高評価や口コミが、長期にわたって順調に数字を伸ばし続ける推進力になったのだろう。

また、本作はこれまでにPC・PS・XboxからNintendo Switch(クラウド版)、iPhoneなど幅広いプラットフォームで提供されており、ユーザーの遊べる選択肢が極めて多い。また、発売後には追加エピソードDLCを収録した「ゴールドエディション」の発売や、アップデートによる次世代機対応(少額での有償対応)も行われるなど、長期的な展開がおこなわれてきた。こうした手厚いサポートに支えられ、ホラーゲームとして不動の評価が定着し、「手に取りやすい定番ソフト」として長期間売れ続ける土壌が築かれていたのかもしれない。
なお、2021年には『7』と同じイーサン・ウィンターズを主人公に据えた続編『バイオハザード ヴィレッジ』が発売され、現時点で1200万本を超える大ヒットを記録。『ヴィレッジ』をプレイして、ストーリーのつながりがある前作『7』に後から入るプレイヤーも増加したと思われる。カプコンも『ヴィレッジ』と『7』のセット販売を投入するなど、2作の相乗効果を狙ったプロモーションを展開しており、続編から旧作への逆輸入的現象が、継続的な販売本数の押し上げに寄与したといえる。

ちなみに、『7』のディレクターを務めた中西晃史氏へのインタビューによれば、当時『7』には、あまりの恐怖演出ゆえに「怖すぎてプレイできない」といった声がユーザーから上がるほどだったという(関連記事)。しかしこの評判がかえって話題を呼び、ゲーム配信映えするコンテンツとして注目されるなど、発売後もホラーファンの興味を惹き続け、新規購入の動機になった可能性もある。総じて、年月を経ても色あせない、質の高い恐怖体験がユーザーの目を引き付け、「いまからでも遊ぶべき一本」として選ばれ続けているのだろう。
現在カプコンは、シリーズ最新作『バイオハザード レクイエム』を2026年2月27日に発売する予定だ。一方同日にはNintendo Switch 2版の『バイオハザード7』も発売予定だ。約9年越しに新たなプラットフォームで展開されるというのも、同作の根強い人気を表しているといえる。この先本作がどれほど長期にわたって売り上げを伸ばすことができるか、期待される。
『バイオハザード7 レジデント イービル』はPC(Steam/Microsoft Store/Mac)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/iPhone/iPad向けに発売中。また、2026年2月27日にはNintendo Switch 2版が発売予定だ。




