いきなり開発中止の『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』、開発者が無念を吐露。「3年かけた大役」を失った声優も嘆く
Ubisoftは1月21日に『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』など10タイトルを開発中止した。このことは本作関係者にとっても突然の出来事だったようで、悲しみの声が伝えられている。

Ubisoftは現地時間1月21日、同社の方針転換を示す中で、『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』を含む複数タイトルの開発中止を宣言。本作の開発中止にともない、関係者からは無念の声がいくつも寄せられている。
『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』は、2003年(国内PS2版は2004年)に発売されたアクション・アドベンチャーゲーム『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』のリメイク版だ。同作では9世紀のペルシャを舞台に、主人公のプリンスはマハラジャの娘ファラと共に冒険。シリーズならではのパルクールアクションに加え、時間の砂とダガーの力を使った時間操作システムが特徴の作品である。
本リメイク版は2020年にアナウンストレイラーが公開され、2021年1月の発売と発表されていた。ところが延期が続き、2021年2月にはクオリティアップのためとして無期延期(関連記事)。その後2022年には、開発スタジオがUbisoft PuneとUbisoft Mumbaiから、オリジナル版を手がけたUbisoft Montréalに変更(関連記事)。そして2026年の発売予定であると告知され、昨年には順調に開発が進行していると伝えられていた(関連記事)。
一方で、Ubisoftは先日、組織改革に伴いUbisoft Stockholmの閉鎖や、Ubisoft Abu Dhabi、RedLynxなどで人員削減予定と発表。さらにリリース前/開発中の計10タイトルの開発中止を発表した(関連記事)。開発中止となったタイトルには『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』も含まれていた。Redditに寄せられた匿名関係者による投稿(現在は削除済み)では、本作は「リリース間近(the game was close to release)」だったようで、ほぼ完成直前の状態から、急転直下で中止となった様子がうかがえる。
また本作関係者からの嘆きはほかにも伝えられている。本作でファラ役を担当していたとされる声優のEman Ayaz氏は1月26日、自身のYouTubeチャンネル上で「The Most Devastating Moment Of My Acting Career(私の俳優人生でもっとも散々だった瞬間)」として動画を公開。動画内でAyaz氏は「3年前、オーディションにて人生を一変させるような役を勝ち取った」として仕事に臨んできたという。
しかしつい先日、Ayaz氏の兄弟から『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』の開発中止報道が伝えられたとのこと。Ayaz氏は2か月前に本作のマーケティング用の撮影を終えたばかりで、今年のリリースを楽しみに待っていたところに、寝耳に水となる知らせだったようで、いたくショックであったと伝えている。
またUbisoft Montréalにてテクニカルアートディレクターを務め、本作開発にも携わっていたBruce Low氏も、LinkedInにて本作の開発中止についてコメントを残している。同氏は解雇されたわけでも役職を辞任したわけでもないと但し書きをしつつ、今回の発表は受け入れがたい辛い事実だと、残念がる心情を吐露した。現在Low氏はLinkedIn上で「Open to work」、つまり求人情報への関心があるとの意思を示しているものの、Ubisoftにはキャリアを積む機会が膨大に存在しているとして、今後数週間、自身のキャリアパスを見つめなおすとのこと。
現地時間1月21日に突如として伝えられた『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク』。同発表は開発に直接携わっていたメンバーにとっても突然の知らせだったようで、完成間近だったこともあってか、関係各所から悲しみの声も伝えられている。なおUbisoftでは、現在パリ本社のスタッフを対象とした、集団的合意解約制度(Rupture Conventionnelle Collective)による最大200人規模の人員削減案が持ち上がっているのだという(IGN)。大規模な組織再編が進むUbisoftの今後の動向についてはしばらく注目されるところだろう。
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