ハクスラARPG『Path of Exile 2』批判殺到を受けて特急改善アプデ。Act 3のデカすぎマップ縮小・行き止まり削除など、いろいろ変わる
『Path of Exile 2』では大型アップデート0.2.0「Dawn of the Hunt」以降、多くの批判が寄せられている。そうした状況を受けて開発元はすぐさま改善方針を表明し、その一部がパッチ0.2.0eにてさっそく実装された。

Grinding Gear Gamesは4月5日、『Path of Exile 2』の大型アップデート0.2.0「Dawn of the Hunt」を配信開始した。新要素の追加にくわえてさまざまな調整もおこなわれた一方で、変更点に向けてプレイヤーからは不満が殺到。GGGはすぐさま調整方針を明らかにし、今回さっそくパッチ0.2.0eによって一部改善がほどこされている。
本作は、人気ハクスラARPG『Path of Exile』の続編だ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|Sで、DLC購入者向けに早期アクセス配信中。正式リリース時には基本プレイ無料となる予定だ。本作にてプレイヤーは秘密と危険が眠る暗黒の大陸レイクラストを舞台に、さまざまな強化要素を活かしてビルドを構築し、強敵との戦いに挑んでいく。ソロプレイおよび最大6人での協力プレイに対応する。
大型アップデート0.2.0「Dawn of the Hunt」では新クラス「ハントレス」が実装。槍とバックラーの扱いを得意とする、近距離戦と遠距離戦の両方をハイブリッドでおこなうことができるクラスだ。また多岐にわたる調整やバランス調整も実施された。
一方でアップデート後には主にバランス面の変更について批判が殺到。モンスターの体力が高いのに対してプレイヤー側が与えられるダメージが低い、エリアが広く攻略に時間がかかりすぎるといった、ゲームテンポの遅さが問題視されることとなった。本稿執筆時点でSteam版のユーザーレビューでは、直近30日間に寄せられた最近のレビューで「やや不評」ステータス。約1万2000件中好評率が39%にとどまる状況だ。
そうした声を受けて4月7日、GGGはすぐさまアップデートにより調整をおこないつつ、今後のアップデート方針についても表明。キャンペーンにおけるほとんどのモンスターのライフを25%低下させるなどの調整が実施されたうえで、ゲームテンポを改善するさまざまな調整の予定が示された。この後もAct 3のエリアサイズ調整など、順次調整予定について告知されてきた。
そして本日4月11日、さっそくさまざまな調整・修正を含むパッチ0.2.0eが配信。まず本パッチでは、Act 3の各エリアに調整がほどこされ、それぞれサイズ縮小が図られている。特に沈んだ都市については行き止まりと、行き止まりに通じる場所が一部削除され、大幅にサイズが縮小されているとのこと。これによって、行き止まりのせいで後戻りを強いられるような状況が少なくなっているそうだ。このほかウトザールについても同様の修正がおこなわれているほか、宝物庫の入り口がある行き止まりについても削除。ほかの各エリアに対しても調整がおこなわれ、サイズが縮小しているという。
またモンスターの速度についても調整が実施。特にフレイソーンの崇拝者やファリドゥン、Act 3の部族の人間を含む多くの人型モンスターはこれまで、攻撃中にプレイヤーが攻撃範囲から遠ざかりすぎると、近接攻撃を中断する挙動をとっていたという。こうした挙動のうち特に素早い攻撃についてはほとんど削除され、執拗にプレイヤーを追いかけて攻撃を繰り返すような状況が減っているとのこと。これによって、プレイヤーがスキルで反撃できる隙さえないといった事態もなくなっているそうだ。
このほかプレイヤー側のバランス調整もさまざま実施。出血とカオスイノキュレーションについて強化されたほか、複数のクラスに調整がおこなわれている:
出血とカオスイノキュレーションの変更
出血は対象のライフにダメージを与えることで発生するわけではなくなりました。エナジーシールド(またはマナ)に与えられたダメージも出血を引き起こすことができます。
カオスイノキュレーションは、追加で出血への完全耐性を持つようになります。
最大エナジーシールドに基づいて追加のスタン閾値を付与していたパッシブスキルツリークラスターは、最大エナジーシールドに基づいて追加の状態異常閾値も付与するようになりました。
最大エナジーシールドに基づき追加の状態異常閾値を付与する、新しいジュエルモッドおよび古のジュエルモッドを追加しました。
最大エナジーシールドに基づいて追加のスタン閾値を付与するジュエルモッドは、5-15%をロールするようになりました(以前は5-10%)。既存のアイテムは神のオーブを使用して数値を改善することができます。
最大エナジーシールドに基づく追加のスタン耐性を付与する古のジュエルのモッドが、1-2%(以前は1%)に変更されました。既存のアイテムは、神のオーブを使用することで新しい範囲に改善できます。
ソーサラー特有の変更
アークは感電状態の敵にヒットすると、ダメージを与えるパルスを放つようになりましたが、感電を付与することができなくなりました。感電を消費することはありません。アークは、ジェムレベル1で9-51のダメージを与えるようになり(以前は9-50)、ジェムレベル20で82-462までスケールします(以前は72-410)。パルスはジェムレベル1で5-31の雷ダメージを与え、ジェムレベル20で49-277までスケールします。1.5mの半径を持ちます。
アイオブウィンターは、ソーラーオーブ、オーブオブストーム、またはフロストボムなどの他の元素属性オーブを通過する際に、ボーナスの元素ダメージを獲得するようになりました。
インシネレートの火の曝露は8秒の持続時間を持つようになりました(以前は2秒)。
マナテンペストは全てのスペルトともに使えるようになりました。連鎖または分岐する代わりに、強化されたスペルが分裂するように変更されました。
フロストボルトの爆発半径は2.4mになりました(以前は1.6m)
アイスノヴァおよびフロストボルトの近くでアイスノヴァをキャストした場合の凍結蓄積が一致するようになりました。アイスノヴァは、ジェムレベル1-20で凍結蓄積が100-157%上昇するようになりました(以前はフロストボルトにキャストした場合のみ50%)
フロストボムは曝露の持続時間が8秒になりました(以前は5秒)
マナレムナントは元素系状態異常の影響を受けている敵をキルした時に25%の確率でレムナントをスポーンさせるようになりました(以前は感電のみ)。また元素系状態異常の影響を受けている敵にクリティカルヒットを与えた時にレムナントをスポーンさせるようになりました、この効果は2秒に一度だけ起きます(以前は感電のみ)
野火サポートやクラックルクリープユニーク指輪などで、発火の伝染の遅延が1秒になりました(以前は2秒)
野火サポートは1.5m半径内の敵に発火を伝染させるようになりました(以前は2m)
ハントレス特有の変更
パリィのデバフを受けた敵は、プレイヤーのアタックを回避できなくなりました。
ラピッドアサルトの爆発はヒット時に出血を付与し、2.4mの半径を持つようになりました(以前は2m)。爆発はジェムレベル5-20でアタックダメージの142-312%のダメージを持つようになりました(以前は85-187%)
スピアフィールドは、スピアの持続時間が10秒になりました(以前は6秒)。爆発はジェムレベル5-20でアタックダメージの17-49%のダメージを与えるようになりました(以前は17-37%)
ヘラルドオブブラッドはレアおよびユニークモンスターを爆発させた時にその死体を破壊しなくなりました。それによりリチュアルサクリファイスを倒したレアモンスターに使用できるようになります。
ウォーリアー特有の変更
キタバの鍛冶屋の金床を前にしてアセンダンシーパッシブスキルにより付与される、テンパーウェポンスキルは、チャネリング中に金床を叩くごとに次に行う3回の近接アタックを強化するようになりました(以前は1回)。強化アタックの最大数は12になりました(以前は4回)。チャネリングが25%素早くなりました。コンバストはジェムレベル1-20でアタックダメージの80-290%を与えるようになりました(以前は175-714%)
シールドウォールはスラムと同じようにウォークライでも起爆できるようになりました。
プレイヤーに付与されたアーマー破壊は4秒持続するようになりました(以前は12秒)。プレイヤー以外に付与されたアーマー破壊は12秒持続します。
プレイヤーに付与された完全アーマー破壊はプレイヤーが受ける物理ダメージを増加させなくなりました。プレイヤー以外に付与された完全アーマー破壊は、変更がなくヒットから受ける物理ダメージを20%増加させます。
レンジャー特有の変更
ストームコーラーアローのボルトはジェムレベル3-20で1.6-2.4mの衝撃半径を持つようになりました(以前は1.1-1.9m)。もしストームコーラーアローのボルトによるヒットを受けたいずれかの敵が感電状態になったら、ジェムレベル3-20で半径1.7-3m以内の他の敵も感電させるようになりました。
ライトニングロッドはジェムレベル1-20でアタックダメージの26-94%を与えるようになりました(以前は20-72%)。矢の持続時間の最大値は20秒になりました(以前は12秒)
ライトニングアローのビームのターゲティング半径は3.2mになりました(以前は2.4m)
トルネードショットはトルネードの持続時間の最大値が全てのジェムレベルで15秒になりました(以前はジェムレベル11-20で7-7.9秒)
治癒サポートはストライクとスラムに制限されなくなり、プレイヤー自らが使用する全ての近接アタックをサポートできるようになりました。
グローリー(ハンマーオブゴッズとスピアオブソラリスで使用されるスタックです)は、スキルを使用中に妨害を受けない限り、使用しても消費されなくなりました。
新サポートジェム
新たに「インヒビター」というサポートジェムが追加されました。このジェムは、チャージの消費を防ぎ、保有している各タイプのチャージごとにサポートされるスキルのダメージを4%増加させます。「インヒビター」は、サポートジェムの原石ティア2以上で利用可能です。
デリリウムの変更
デリリウムエンカウンターは約2.5倍長く持続するようになりました。
デリリウムの霧の前方は他のメカニクスを行っている最中も拡張し続けるようになりました。ただし、霧の後方は引き続き停止します。これにより、霧の端で停止した時に誤ってデリリウムを終了させることを防ぐことができます。
ストロングボックスは、現在完了時にデリリウムの霧を停止させていたのに加えて、開けている最中にもデリリウムの霧を停止させるようになりました。
また、プレイヤー側のミニオンについては、復活タイマーの動作が変更。最初のミニオンが死ぬと復活タイマーが従来通り7.5秒に設定されるものの、その後に死んだミニオンごとにタイマーの延長幅が次第に小さくなり、最大でも7.5秒に制限されるという。これにより大半のミニオンが死んでいる状況で復活タイマーが何度も7.5秒にリセットされる問題が緩和されているそうだ。
このほかにもさまざまな調整がほどこされており、たとえばエンドゲームにおいてはレアモンスターが常にミニマップに表示される仕組みが導入されたりしている。詳細は公式パッチノートを確認されたい。また今回の調整は現在進められている改善の一部だそうで、先日告知されたアップデート方針における調整も含め、今後も改善は続けられていくのだろう。
初の大型アップデート直後に批判が殺到するかたちとなった『Path of Exile 2』。ゲームディレクターのJonathan Rogers氏とMark Roberts氏はアップデート0.2.0直後におこなわれたインタビュー配信にて今回のアップデートの課題を認識していることを伝えており、Mark氏はミニオンの調整などを例に挙げつつ「率直に言って明らかな失敗が複数あった」とコメント。Jonathan氏もプレイヤー側の火力弱体化と敵の耐久性の強化はどちらもやりすぎであったとしており、早期アクセス作品として実装した変更をプレイヤーの意見を聞きつつ元に戻しながら調整を進めていく開発方針もあったようだ(Kotaku)。
いずれにせよ現時点では依然としてSteamユーザーレビューなどに批判が寄せられている状況もある。大型アップデート以前からプレイヤーからの批判もあったマップの広さなどが、大型アップデートにてさらに悪化した点などから調整方針への不信感も集まっているようだ。そうした大きな批判を浴びて素早く改善が進められている様子で、今後のプレイヤーからの評価が持ち直すかどうかも注目される。
『Path of Exile 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア/公式ストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに早期アクセス配信中だ。 早期アクセス期間中のプレイにはいずれかのDLCの購入が必要。ゲーム内は日本語表示に対応している。