『オブリビオン』リマスターは「中身ほぼそのままUnreal Engine 5移植」。グラフィック超強化、だけどあくまで“リマスター”
Bethesda Softworksは4月23日、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』を正式発表し、配信開始した。本作は、「中身がオリジナル版とほぼ変わらない」作りになっているようだ。

Bethesda Softworksは4月23日、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』を正式発表し、配信開始した。本作は、「中身がオリジナル版とほぼ変わらない」作りになっているようだ。
本作は、『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のリマスター版。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|Sで、日本語表示にも対応する。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。
オリジナルの『Oblivion』は、2006年から2007年にかけてPC/Xbox 360/PS3向けに発売されたオープンワールドRPGだ。『The Elder Scrolls』シリーズのナンバリング第4作となっており、舞台となるのはタムリエル大陸の中央に位置するシロディール地方。帝国が首都(Imperial City)を構えるこの地では、皇帝の死をきっかけとして魔界へと通じる扉「オブリビオンゲート」が解放されてしまった。主人公は王位継承者を探し、世界を破滅へと導く陰謀を阻止すべく、広大なシロディールを冒険することとなる。

そんな『Oblivion』のリマスター版の開発はVirtuosが担当し、ゲームエンジンにはUnreal Engine 5(以下、UE5)を採用。現代向けにグラフィックが刷新されただけでなく、メニュー画面などの刷新や、UIの改善、ゲームバランスの調整もおこなわれている。またオートセーブが実装されたほか、ダッシュも可能となった。なおスタンダード版にも、本編のほか、オリジナル版における拡張ストーリー「Shivering Isles」と「Knights of the Nine」などが含まれている。
現代向けにグラフィック面を中心にかなりパワーアップを遂げた『Oblivion Remastered』は、さっそく高い人気を博しており、Steamだけでも同時接続プレイヤー数は最大18万人を記録(SteamDB)。リマスターではなくリメイクといってもいいのではないかと称賛する声も集まっている。とはいえ本作は、仕組みの上でもあくまで「リマスター」として作られているようだ。
というのも上述の公式動画において、VirtuosのエグゼクティブプロデューサーAlex Murphy氏はリマスター版を「『Oblivion』のゲームエンジンが頭脳で、UE5は身体」といった風に表現している。ゲームプレイにおけるロジックやシステムについては『Oblivion』のゲームエンジン、つまりCreation Engineが司っているようだ(Xbox Wire)。Creation Engineを核としつつUE5に移植され、グラフィックの刷新が実現されたとみられる。
ちなみにBethesda Game Studiosの公式Xアカウントが投じた声明でも、リメイクではなくリマスターであることが強調。遊びやすいようにゲームシステムやバランスを調整しつつも、コアとなる部分を変えないように慎重にアップグレードをおこなったという。あくまで昔のゲームであり、前世代のゲームらしさを感じられるようにする方針があったそうだ。
オープンワールドRPGとして、当時としては画期的な技術もさまざま盛り込まれていた『Oblivion』。現代から見ると物理演算やAIなどにシュールな挙動もあり、ネットミーム的にも愛されてきた。リマスター版ではあえてそうしたシステム部分には手を付けず、主にグラフィックと遊びやすさを中心にアップデートが図られたのだろう。ユーザー間ではグラフィックの強化やブラッシュアップされたゲームプレイも話題となっている反面、当時のままのシュールな部分も楽しまれている様子。あえて当時そのままのゲームエンジンを核にするという判断も、功を奏しているのだろう。
『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』はPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。