
『No Man’s Sky』今になってSteam同接「9万人超」。無料大型アプデで売上&評価アップの好循環、さらに過熱
『No Man’s Sky』の大型アップデート「Voyager」は8月27日より配信されている。このアップデートを受け、大勢のプレイヤーが本作に集っているようだ。

Hello Gamesは8月27日、『No Man’s Sky』に向けて大型アップデート「Voyager」を配信開始した。本作は同アップデート配信以降、大勢のプレイヤーを再び集めている。
『No Man’s Sky』は、2016年8月にPC/PlayStation 4向けに発売されたオープンワールド型のアクションゲームだ。のちにXboxやNintendo Switch向けにも発売された。舞台は広大な宇宙となっており、数々の惑星と宇宙がシームレスにつながっている。プレイヤーは謎の声に導かれ、宇宙の中心を目指して数々の惑星を渡っていく。まったく異なる生命体や気候が見られる惑星を探索して、宇宙の住人達と交流する。そのほか新たな宇宙船を獲得したり、宇宙海賊と戦ったりと、自由に宇宙を冒険可能だ。
本作に向けては、8月27日に大型アップデート「Voyager」が配信された。同アップデートでは宇宙船関連のギミックが大幅に刷新。内装カスタマイズや外装のピース着脱が可能な、コルベット(Corvette)級の宇宙船が実装された。そのほか全プラットフォーム向けにコントローラーのボタン配置を変更する「ボタン割り当て」機能が実装。さらにガラスなどの半透明な物質の描写がパワーアップ。窓やコックピット越しの風景や物体の描写がより鮮明に見えるようになるなど、各所で調整、コンテンツ追加が実施されている(関連記事)。
そうした大型アップデートの影響を受けてか、本作には再び多くのプレイヤーが集っている。SteamDBによれば、アップデートが配信されてからプレイヤー数は右肩上がりに増加していき、ピーク時には9万人を超える同時接続プレイヤー数を記録した。このSteamでのプレイヤー数は、リリース時、およびマルチプレイヤーに対応するアップデートなどが配信された「No Man’s Sky NEXT」に次ぐピーク時人数となっており、10年近く経っても未だ衰えない人気を反映しているといえる。この人気には、本作開発元Hello Gamesの創設者Sean Murray氏も、驚きをもって迎えている。
レビューでも「Voyager」アップデートへの言及は多く寄せられている。特に今回のアップデートでは、コルベット級宇宙船の追加によって、“船づくり”が大ブームとなった。さまざまなパーツを付け替えたり、内装をカスタマイズできたりする機能で思い思いの船を作れる点が評価されており、ユーザーがSNS上で渾身の一隻を紹介する様子も散見される。なかには『メタルギア』シリーズに登場する「メタルギアREX」を再現したり、アニメ「カウボーイビバップ」のビバップ号とソードフィッシュIIを制作するユーザーなども登場(関連記事)。自由度の高いカスタマイズ機能を中心として、アップデートには連日多数の高評価が寄せられているかたちだ。

発売当初は宣伝された内容と実際のコンテンツが見合っていないと批判され、多くの不評が投じられた本作。しかし数十回にも及ぶ大型アップデートなど、開発元の精力的な改善や対応を受け、好評率は改善。たとえば2022年にはSteamにおいて総収益に基づく年間トップゲームの「ブロンズ」区分に名を連ねていたりと、アップデートや評価の改善にあわせて売上も伸ばしてきたことがうかがえる。また本稿執筆時点ではSteamのグローバル売上ランキングにおいて6位にランクイン。今回のアップデートもセールスにしっかりと結びついている様子だ。アップデートがスタジオに収益をもたらす好循環となっているようで、今後の新展開や、スタジオの新作『Light No Fire』の続報にも注目したい。
『No Man’s Sky』はPC(Steam/Microsoft Store/GOG.com)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PS4/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。
