『モンスターハンターワイルズ』の「ルロウ」、国内外で熱烈マニア増える。セリフを全部覚えたい、セクシーボイス賢者獣人
カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売した。本作の登場キャラクター「ルロウ」の人気が、さっそく国内外で高まっているようだ。

カプコンは2月28日、『モンスターハンターワイルズ』を発売した。本作の登場キャラクター「ルロウ」の人気が、さっそく国内外で高まっているようだ。なお本稿にはルロウが登場するタイミングなどに関する記載が含まれるため、留意されたい。
本作は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズ最新作だ。舞台となるのは、ギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」。フィールドでは季節が移り変わるほか、さまざまな生物が生態系を形作っている点が特徴だ。プレイヤーとなるハンターは隔ての砂原、緋の森、氷霧の断崖といった禁足地の各地を巡ることとなる。
各地には人間や獣人の民族も根付いており、たとえば緋の森には「モリバー」と呼ばれる獣人族が存在。たどたどしいながらも人語を操る賑やかな民族だ。そしてそんなモリバーから離れて、人のいない氷霧の断崖でひとり過ごすモリバーが、今回妙に人気を高めている「ルロウ」だ。
プレイヤーがルロウと出会うのは、チャプター2の任務クエスト「沈黙、狡猾、暗殺者の調べ」だ。不気味な洞窟内に響く奇妙な語りを前振りにしつつ、ネルスキュラにみっともなく捕まった姿で登場。ほかのモリバーと違って落ち着いた低い声をしており、言葉遣いが非常に流暢なモリバーだ。一方で賢すぎるからか話し言葉としては小難しく詩的な表現ばかり。また、死が迫るような危機でも他人事のように落ち着いた達観ぶりを見せる。ほかのモリバーと同じくわんぱくでかわいい見た目から放たれるダンディボイスと賢者じみた人物設定で、登場キャラクターの中でも異彩を放つ存在だろう。
そんなルロウが、国内外のコミュニティで熱い視線を浴びている。見た目と中身のギャップから強烈な印象を与えるだけでなく、賢者風であっても頼りないところも愛されている様子だ。
そして特に海外コミュニティでは、ルロウのキャラクターではなく「言葉遣い」も注目されているようだ。たとえば上述のRedditスレッドは、ルロウを“本作最高のキャラ”だと称賛。このなかであるユーザーは「TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で使いたいから、ルロウのセリフ全集がほしいくらいだ」とのコメントを寄せた。つまりファンタジーな世界観のキャラになりきる際に、ルロウのセリフは自分で使ってみたくなるかっこいい言葉ばかりということだろう。ファンタジーな世界観にぴったりという点には支持も集まっており、中には『ファイナルファンタジーXIV』に登場するウリエンジェ・オギュレと意気投合できそうといった意見も寄せられている。ウリエンジェもまた詩的で難しい言い回しを用いる賢人キャラであり、たしかにルロウとの会話を聞いてみたい気もする。
このほか別のRedditスレッドでは、ルロウのセリフがさっそくネットミームのように用いられ、賑わいを見せている。投稿者は日常生活でルロウのセリフを使えるシーンとして、「友人と『モンスターハンター』を遊ぶ約束をしていたのに泥酔してすっぽかしたことを謝るとき」を例示。信頼を揺るがしかねない失態を挽回するときに使えるフレーズとして「油断した。不徳の致すところ。さすらいの心を抑えられぬまま…。(Sheer carelessness. Only I am to blame. My spirit of adventure got the better on me.)」というセリフを挙げた。余計に怒られそうである。
ほかにも上述したようなスレッドでは、頼りないルロウがひとりでどうやって生きてきたのかを妄想する話題や、ルロウの英語音声と日本語音声を聴き比べて日本語音声の方を気に入ったとする感想など、ルロウに関するさまざまトピックで賑わっている様子だ。色気のある低音ボイスと聡明さ、生活力のない浮世離れしたキャラクター性など、ほっとけない魅力が共感を呼んでいるのかもしれない。
なおルロウのキャラクター性やセリフが、国内外で同様の反応を呼んでいるのは注目すべきところかもしれない。グローバルなファンのツボを突くキャラクター設定やニュアンスを守るローカライズも、ルロウ人気が熱を帯びている背景としてあるのだろう。
『モンスターハンターワイルズ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。