超リアルライフシム『inZOI』にて、“子供が交通事故に遭遇する”バグが物議醸す。開発元は「意図しないもの」として即修正
KRAFTONは3月28日、『inZOI』を配信開始した。リリース直後から多くの同時接続プレイヤーを獲得した本作であったが、“子供が交通事故に遭遇してしまう”というバグが発生。SNSを中心に物議を醸していた。KRAFTONは意図しない挙動だとして声明を発表しつつ、すぐさまこのバグを修正している。

KRAFTONは3月28日、ライフシミュレーション『inZOI』を早期アクセスで配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。リリース直後から多くの同時接続プレイヤーを獲得した本作であったが、“子供が交通事故に遭遇してしまう”というバグが発生。SNSを中心に物議を醸していた。KRAFTONは意図しない挙動だとして声明を発表しつつ、すぐさまこのバグを修正している。
『inZOI』は、Unreal Engine 5(以下、UE5)による精細なグラフィックが特徴のライフシミュレーションゲームだ。「ZOI」と呼ばれるキャラクターを作成し、神の視点となってそのキャラクターたちの人生に関与していく。本作では、街のすべてのキャラクターが自分の自由意志で行動するという。キャラクターはNPCも含め仕事やレジャーなどを通して、街中で生活している。SNSも存在し、人々の間ではさまざまな話題やゴシップが流行。結婚や出産、病気や交通事故などのイベントが発生し、多彩な人生が送れるようになっているという。
本作はリリースされてさっそく多くのプレイヤーを獲得している。SteamDBによれば本作の同時接続プレイヤーはピーク時に87377人に到達。発売前からSteamウィッシュリストランキングで1位に躍り出ていた話題の1作がリリースされさっそく反響を得ているかたちだ。またSteamユーザーレビューも本稿執筆時点で約5500件中85%が好評の「非常に好評」ステータスを獲得している。
プレイヤー数も評価も上々な本作であるが、ある“意図しないバグ”が発生していたようだ。そのバグとは、本作の交通システムによるものだ。本作はライフシミュレーションゲームとして、さまざまな車に搭乗し運転する事ができる。また、車を運転し移動するだけでなく、キャラクターが交通事故に遭遇し、場合によっては死んでしまうというシステムも導入している(関連記事)。

本来この“交通事故”システムは、成人済みのキャラクターにのみ適応されるものであったが、どういうことか未成年のキャラクターにもシステムが適応。街にいる子供のキャラクターに対して交通事故を起こしてしまう動画が投稿(子供が交通事故に遭う動画なので閲覧注意)された。動画は、友達と談笑している子供たちの一人が交通事故に遭うという映像となっている。注目すべきは、子供が交通事故に遭ったあと、周りの子供たちが何も気にせずに談笑を続けていること。本来事故が起こった際には何らかの反応があってもおかしくないが、周りの子供が何も反応していないことから、想定されていない挙動ではないかと推測できる。
動画は投稿され次第、未成年に対する暴力や、ゲーム内における不適切な描写などといった観点から、SNSやRedditを中心に物議を醸すこととなった。これを受け、パブリッシャーであるKRAFTONは、Eurogamerをはじめとする複数のゲームメディアを通して声明を発表。声明によれば『inZOI』の意図と価値観に反映されない、不適切な意図しないバグが発生していたとしている。現在このバグは修正済みだという。

意図しないバグによって、思わぬ物議を醸すこととなった今回の一件。本作は、ライフシミュレーションゲームとして、さまざまなゲームプレイを体験することができるものの、ESRBによるレーティングは13歳以上向けとされる「TEEN」に区分されている。ESRBの区分によれば、本作には過度な暴力や意図のない犯罪などは描かれることはないということだ。今回意図しないバグが発生してしまったものの、それをすぐさま修正し、声明を発表したのは『inZOI』が明確な意図と価値観を持って制作していることの証左ともいえるだろう。今後も『inZOI』の展開や本作を取り巻く動向が注目される。
『inZOI』はPC(Steam)向けに早期アクセスで配信中だ。