『崩壊:スターレイル』未公開映像が“Discordチャンネル内ライブ配信”でリークされるも、スクショ付きで訴えられる。リーカーを逃さぬ監視網
『崩壊:スターレイル』の情報をDiscordチャンネルのライブ配信でリークしたユーザーに対し、訴訟が提起されていたことが明らかになった。

『崩壊:スターレイル』の情報をリークしたDiscordユーザーに対し、COGNOSPHEREが訴訟を提起していたことが明らかになった。同ユーザーは入手した未公開映像をDiscordチャンネル上でライブ配信にてリークしていたという。
『崩壊:スターレイル』は、基本プレイ無料のスペースファンタジーRPGだ。『原神』の開発元として知られるmiHoYoが手がけ、子会社であるCOGNOSPHEREのブランド「HoYoverse」よりグローバル展開されている。本作の舞台となるのは、災厄をもたらす星核や星神などが存在する宇宙。星穹列車のナナシビトとして、星々を巡る旅が繰り広げられてきた。アップデートによって次々に新要素が追加されてきた。

今回COGNOSPHEREがカリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所に向けて6月6日、情報リーク者に対して著作権侵害に基づく損害賠償請求を申し立てていたことが明らかになった(資料PDF)。海外メディアGame Fileの報道に基づき、PC Gamerなども本件を報じている。この訴訟における被告のAlfredo Lopez氏は!Exciter98というハンドルネームでDiscordにて活動しており、同氏のおこなった“ライブ配信”について、COGNOSPHEREは権利侵害を訴えている。
COGNOSPHERE側の調査によると、Lopez氏は「LEAKS: Leaks VC」なるDiscordチャンネルにて、現地時間3月18日および19日前後にライブ配信を実施。Discordチャンネルにおけるボイスチャット内のライブ配信といえば、視聴できるのはサーバーに参加しているメンバーのみだ。そしてこのなかでは同氏は、『崩壊:スターレイル』のVer.3.2の当時未公開だった映像を配信していたという。

Ver.3.2は日本時間では4月9日に配信されたバージョンであり、かなり早く情報がリークされてしまったようだ。このなかでは、昨年12月にお披露目されていたものの、ゲーム内には同バージョンにて実装された新キャラ「キャストリス」の未公開情報も含まれていた模様。同氏は複数回にわたってライブ配信をおこない多数の未公開コンテンツをリークしていたという。
文書では、本来であればマーケティングキャンペーンにおいてタイミングを統一して公開されるはずの情報がネタバレされ(spoiled)、ユーザーが抱くはずであった期待感などが損なわれたと説明。著作権侵害に基づき、最大15万ドル(約2200万円)の損害賠償を請求する権利があると主張されている。
なおLopez氏がどのようにして未公開映像を入手したのかは不明であり、文書内では入手経路について特に言及されていない。もしかすると、事前に情報を得られる立場にあった人物なのかもしれない。いずれにせよCOGNOSPHERE側は無断で映像などを公開した点を問題視しており、権利侵害を訴えている格好だ。

COGNOSPHEREは『原神』においても、情報のリークに対して厳格な対応をおこなってきたことで知られる。Discordのほか、bilibiliやX、Redditなど各種SNSに目を光らせているとみられ、中には損害賠償請求がおこなわれた事例も複数ある。Redditでは大手リーク掲示板に画像を直接投稿してはいけないルールが設けられるなど、リーカーコミュニティも同社の追及を恐れている様子がうかがえる(関連記事)。
今回の『崩壊:スターレイル』の訴状においてもDiscord内でLopez氏が配信していた際のスクリーンショットとみられる画像が添付されており、調査に基づいて訴訟に至ったようだ。Discordチャンネルのような閉じたコミュニティでも監視の目は行き渡っているとみられ、今後もリーク者には厳しい対応がとられていくことだろう。