『バトルフィールド6』、「武器アンロックが大変」としてXP稼ぎサーバー乱立模様。アンロックの“二度手間仕様”も相まってか
『Battlefield 6』における武器やガジェットの開放システムには賛否の声が聞かれる。

Electronic Artsは10月10日、『Battlefield 6(バトルフィールド6)』を発売した。賑わいを見せる一方で、本作における武器やガジェットの開放システムには賛否の声が聞かれる。
『Battlefield 6』は、一人称視点のシューターゲーム『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの最新作である。本作の世界では「我らの保護、皆の平和」をモットーに掲げる世界有数の民間軍事会社パックス・アルマータが台頭し、NATOとその同盟国の破壊を追求する活動を繰り広げている。プレイヤーは、その新勢力の背後で暗躍する存在や、真の目的に迫ることになる。
またマルチプレイモードにおいては最大64人対戦で、シリーズの持ち味である大規模戦が展開される。プレイヤーは突撃兵・工兵・斥候兵・援護兵といった、それぞれ専門とする領域の異なる兵科から選択して戦うことが可能。建物などの構造物が破壊されるリアルな描写も特徴だ。

本作はDICE・Ripple Effect・Criterion Games・Motive StudioからなるBattlefield Studiosが開発を手がけている。今年8月に開催されたベータテストでも大きな注目を集めていた本作は、10月10日のリリース直後から多くのプレイヤーが詰めかけ、Steamで約75万人の同時接続プレイヤー数を記録する盛況ぶりを見せている(関連記事)。
本稿執筆時点のSteamユーザーレビューもまずまずの高さであり、7万2000件中76%が好評とする「やや好評」ステータスとなっている。日本語をはじめとする東アジア地域の言語などのレビューでは評価が低めながら、直近の過去作である『Battlefield V』や『Battlefield 2042』と比較すると良好な滑り出しと言えるだろう。
そんな本作において賛否が分かれている要素の一つとして、武器やガジェットの開放システムが挙げられる。本作では、プレイヤーのランク(レベル)を条件に開放される武器のほか、チャレンジの達成によって開放される武器が存在する。このチャレンジに挑戦するための条件は軒並み「ランク23以上」となっており、またランク23に到達するまでチャレンジの進行状況は反映されない仕様なのだ。

たとえば、LMGの「KTS100 MK8」を開放するためのチャレンジ「バレットストーム1」では、「LMGで300体の敵を制圧」と「LMGの腰撃ちで1万ダメージを与える」という2つのタスクをこなす必要がある。どちらも手間がかかるが、そもそもランク23にならないとキル数やダメージ数は加算されない。
各兵科で使用可能なガジェットについても同様の仕組みであり、それらを開放するためのチャレンジは「ランク20以上」が前提条件となっている。特に突撃兵は、リスポーン可能な地点を増やし戦術の要となるガジェット「出撃ビーコン」のアンロックのためにチャレンジの達成が必要。「アドレナリン注射器を使用中に30体の敵をキルする」というそれなりに時間を要するチャレンジを含んでいる一方で、こちらも武器と同じく、一定のランクに到達するまでは進捗がカウントされない。前提となるランクの高さに加えて、そこからさらに高難度なチャレンジが待っているという“二度手間”ともいえる仕様になっている。

そうした点から、まずはランクアップのためにXP稼ぎに専念しようとするプレイヤーも続出している模様だ。本作では「バトルフィールド・ポータル」にてマップやサーバー設定をカスタマイズ可能であり、たとえば拠点の確保までの時間を長くするといったXP稼ぎに特化した設定のカスタムサーバーもユーザーにより制作・共有されている。また本作では人数が足りないサーバーにBotを参加させることもでき、Botの参加するサーバーでもXPは通常どおり獲得可能となっている。
そうした仕様から現在本作では、ボット撃ちでXP稼ぎをおこなうためのサーバーが乱立している状況だ。これによりサーバー数の制限に達して、好みの条件で新規のサーバーを立てづらくなっており、苦言を呈するユーザーも散見される。
本作に限らず過去作においても装備のアンロックはなかなか労力を要するバランスとなってきた。とはいえ『バトルフィールド4』よりも後の作品では基本的に、メインとなる武器やガジェットはランクを上げることで開放される仕組み。プレイしていればいずれ開放されていくことが多かった。
なお近年のシリーズ作品でもチャレンジによるアンロック自体は存在していたが、本作では開放のためにチャレンジ達成が必要な装備品が増えている。同じく兵科制が導入されていた『バトルフィールドV』などとは異なる点として、兵科ごとのランクが撤廃されてプレイヤーランクに統合されていることもあり、遊び応えも考慮してかアンロックの手順に変更がおこなわれたのだろう。一方でランクアップを経てやっと一から進行が可能になるチャレンジの存在は、“二度手間感”からか急いでランクアップを目指すユーザーの増加や不満に繋がっているようだ。
ちなみに本作では、報酬や特典として手に入る「キャリアXPブースター」を使用することで、効率よくXPを得ることが可能。またデイリー/ウィークリーチャレンジの達成でXPを得られるほか、パーティーでのプレイなどによってもXPへのボーナスが入るため、急いでXP稼ぎに専念せず長い目でアンロックしていくこともプレイスタイルとして想定されているのだろう。また10月28日からは本作のシーズン1が開始予定。新マップや新モードに加えて、新たな武器も追加されるという。長期的な運営が計画されているタイトルであり、コミュニティの反応を受けて調整がおこなわれる可能性もある。新規サーバーを立てるのが難しい状況も含め、今後どのような対応がとられるかは注目される。
『Battlefield 6』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/EA app)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。