『Rust』開発元幹部、『Delta Force』公式に「無断使用3Dモデルを消して」と穏やかに怒る。新トレイラーに登場する“『Rust』そっくりC4爆弾”

『Rust』の開発元幹部は、『Delta Force』のトレイラーに『Rust』のアセットが使用されていると指摘した。

『Rust』の開発元Facepunch Studiosにて最高執行責任者を務めるAlistair McFarlane氏は11月18日、『Delta Force』のトレイラーについて言及。映像内で使用されているアセットが、『Rust』から無断で使用されているとして削除を求めていた。その後『Delta Force』開発元は直接謝罪をおこなったという。

『Rust』はFacepunch Studiosが開発するオープンワールド・オンラインサバイバルゲームだ。プレイヤーは石と松明だけを持った状態で、ポストアポカリプス世界を生き抜く。飢えや渇き、寒さなどに対処しなければならないほか、敵対的な野生動物やNPC、そしてほかプレイヤーとの過酷な衝突も本作の特徴となっている。プレイヤーは生き残りをかけて拠点を設立し、クラフトで装備を整えていくこととなる。

『Rust』

そして『Delta Force』は、Team Jadeが開発する基本プレイ無料のFPSだ。本作は1998年に発売された初代『Delta Force』のリブート版となる。本作では、米軍の特殊部隊デルタフォースの一員として、プレイヤーや南米カルテルやテロリストと戦う。それぞれ時代設定の異なるミッションに挑むシングルプレイモードと、最大32対32での対人戦が可能なマルチプレイヤーモードなどが搭載されている。

『Delta Force』

『Delta Force』はSteamだけで連日およそ20万人の同時接続プレイヤー数を抱えている人気作だ(SteamDB)。そんな同作では、11月18日12時から新シーズン「アサラ」が配信開始。新シーズンのあらすじとしては、架空国家アサラに防空ネットワーク「スカイネット」を再び構築しようとする巨大テック企業ハヴォック社を阻止すべく、アサラ警備隊のボスであるサイードが零号ダムに爆弾を仕掛けるといったストーリー。シーズン開始にあわせて、新たなシネマティックトレイラーが公開された。

そうした中で、『Rust』の開発元Facepunch Studiosの役員および最高執行責任者を務めるAlistair McFarlane氏が11月18日に、『Delta Force』の公式Xアカウントに対してポストを投稿。前述したトレイラーの映像内(0分57秒ごろ)のC4爆弾が登場するシーンを引用し、爆弾が『Rust』のアセットであると指摘して削除するように要求した。

同氏の説明によれば、このC4爆弾のモデルは、『Rust』のゲーム内アセットを手がけるFacepunch Studiosのアーティスト・Pilgrim氏によって制作されたものであるという。Epic Games社が運営するクリエイター向けプラットフォームArtstationでは約8年前に公開されている。

なおMcFarlane氏はポストの中で、「thank you for being huge Rust fans(Rustの大ファンでいてくれてありがとう)」とも述べつつ「If you wanted to collab, you should have reached out(コラボしたいなら連絡してくれればよかったのに)」としている。つまり連絡さえあればアセットの使用を許諾していたかもしれないということだろう。ところが無断で使用されていることに気づき、公式Xアカウントに名指しで削除要請するという事態に至った格好だ。なお、McFarlane氏はその後の投稿で、『Delta Force』公式が直接謝罪をおこなったことを明かし、問題は解決したとユーザーに対して報告している。

ちなみにFacepunch Studiosは同スタジオ作品に向けたユーザーのMod制作に対して寛容で、ユーザーが制作したModの販売も認めている。とはいえガイドライン上ではゲーム名や設定、見た目などを含む知的財産については同社が権利を有することも明記されており、アセットについても他作品に無断で転用することは認められていない。今回問題となった「C4爆弾」のアセットも例外ではないだろう。

そんな「C4爆弾」のアセットが人気作『Delta Force』のトレイラーで堂々と無断利用されていた点に、McFarlane氏が苦言を呈したかたち。『Delta Force』公式が謝罪したことで手打ちとなったようだ。なお同氏はトレイラーの出来については称賛しており、「次のシーズンでは『Rust』のHazmat(防護スーツ)を見られることを願っているよ」ともコメント。本心か皮肉かは不明ながら、事前の相談があれば引き続きアセットの利用を認めるということかもしれない。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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