『バトルフィールド6(Battlefield 6)』PC版、チート対策として「セキュアブート」必須化へ。“チート業者の進化”にあわせ対策も高度化
Electronic Arts(EA)は8月5日、『Battlefield 6』PC版ではセキュアブートが必要となるとの情報を公開。Javelin Anticheatにより、念入りなチート対策が講じられるかたちだ。

Electronic Arts(EA)は8月5日、『Battlefield 6』のPC版ではセキュアブートが必要となるとの情報を公開した。これはチート対策の一環とのことで、本作では前作に引き続きチートへの強力な対応が進められるかたちだ。
本作は、FPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの最新作だ。DICE・Ripple Effect・Criterion Games・Motive StudioからなるBattlefield Studiosが開発を担当している。PC(Steam/Epic Gamesストア/EA app)/PS5/Xbox Series X|S向けにリリース予定で、本作ではシングルプレイ・キャンペーンモードも収録される。
『Battlefield 6』においては現代戦が描かれる。本作の世界では、「我らの保護、皆の平和」をモットーに掲げる世界有数の民間軍事会社パックス・アルマータが台頭し、NATOとその同盟国の破壊を追求する活動を繰り広げている。プレイヤーは、その新勢力の背後で暗躍する存在や、真の目的に迫る。

今回EAは『Battlefield 6』における不正行為防止機能を利用する際、セキュリティ強化のニーズに応えるためとしてPC版のプレイにおいてはセキュアブートを必須化する必要があると発表した。セキュアブートとは、OSを起動するためのソフトウェアであるUEFIの機能の1つで、PCの起動時に悪意のあるソフトウェアが読み込まれないようにするための技術。WindowsではWindows 8以降のOSが対応している。
EAによれば、セキュアブートを有効にすることでWindowsの起動中に動作するタイプの不正ツールなどにも対応できるようだ。起動時には、EAのアンチチートシステム「EA Javelin Anticheat」に対応したゲームが不審な行動を検知。当該プレイヤーを排除するという。そのため、セキュアブートを無効にしているプレイヤーには、セキュアブートを有効にするようなメッセージが表示されるようになるとのことだ。ちなみに、前作『Battlefield 2042』においても今年5月に配信されたバージョン8.8.0からセキュアブートが必須化されている。最新作でも引き続き念入りなチート対策が講じられるというわけだ。
なおEAからはセキュアブートを有効にする手順が案内されている。Windowsキー+Rキーを押下して「ファイル名を指定して実行」を開き、「msinfo32」と入力してシステム情報を開く。システム情報内にある「BIOSモードの値」がUEFIで、「セキュア ブートの状態」が有効となっていれば、特に設定の必要はない。そうでない場合には、使用しているPCの製造元を確認しつつ、EA公式からリンクを確認するなどして対応するといいだろう。

チート対策については、オンライン要素のあるゲームではゲーム開発側とチート開発者の間でいたちごっこが繰り広げられている側面がある。『Apex Legends』などEAのゲームだけでなく、Activisionの『Call of Duty』などといったタイトルでもチート行為などは確認され、ゲーム体験を損なう不正行為への対応には各社で対策が取られてきた。また昨今では単にソフトウェアによってチート行為を可能にするだけでなく、アンチチートソフトに検知されないようにカーネルレベルで動作するようなチートツールも登場。それに対抗するようにこれまでには、『Call of Duty』のアンチチートシステム「RICOCHET」のような、カーネルレベルでのチート対策も見受けられた。
なおRiot Gamesの手がける『VALORANT』に導入されているアンチチートシステム「Vanguard」では、そうしたツールへの対策として先んじてセキュアブートが必須化されていた。同作においてもチート行為は確認されているものの、他作品よりも堅牢なチート対策がなされているとして有名だ。今回EAも同作に倣うようにセキュアブートを必須化することで、ファームウェアレベルでのチート対策が実現されることになる。待望の『バトルフィールド』新作ということで、強力なチート対策を導入し、プレイヤーのゲーム体験を保障したい思惑も垣間見える。より低レイヤーでのチート対策については一部ユーザー間で懸念も寄せられてきたものの、今回の『Battlefield 6』での採用も見るに、業界で一般的な選択肢となりつつあることがうかがえるだろう。
なお本作については、マルチプレイモードのオープンベータテストが開催されると告知されている(関連記事)。コミュニティテストプログラム「Battlefield Labs」の登録者など向けには、日本時間8月7日17時〜8日にかけて実施される。そして一般に誰でも参加できるオープンベータは、8月9日17時〜11日17時と、8月14日17時〜17日17時にも実施される。オープンベータの前に、セキュアブートの設定を確認しておくといいだろう。またオープンベータの詳細は公式サイトを確認されたい。
『Battlefield 6』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/EA app)/PS5/Xbox Series X|S向けに10月11日発売予定だ。