『アサシン クリード シャドウズ』のスタッフロールは「2時間超え」。“時短記載”はしない、超ロング列挙
Ubisoftは3月20日に『アサシン クリード シャドウズ』を配信開始した。本作のスタッフロール(エンドクレジット)は、約2時間に及ぶという。

Ubisoftは3月20日に『アサシン クリード シャドウズ』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Ubisoft Store/Epic Gamesストア/Mac App Store)/PS5/Xbox Series X|Sで、サブスクリプションサービスUbisoft+ Premium向けにも提供されている。本作のスタッフロール(エンドクレジット)は、約2時間に及ぶという。これには開発規模の大きさや、スタッフロールの表記方法が影響していそうだ。TheGamerなどが伝えている。
本作は、『アサシン クリード』シリーズの最新作。舞台となるのは、安土桃山時代の日本だ。天下統一に向けた戦乱の時代にて、伊賀出身の忍かつアサシンである奈緒江と、アフリカ出身の一騎当千の兵である弥助が、互いに相通ずる使命を見出し、新たな時代を目前にした大いなる戦いの行方に深く関わっていく。両主人公には、それぞれに固有のスキルや装備、成長要素が用意。また、密偵のネットワークを築いたり、拠点となる隠れ家を築いたりといった要素も存在する。『アサシン クリード』シリーズの公式Xアカウントからは、本作のプレイヤー数が早くも200万人を突破し、ヒットを記録していることが伝えられている。
今回、本作のスタッフロールがとても長いことを報告したのは、ゲーム関連のポッドキャストを配信するSide Scrollers Podcastの創設者、Stuttering Craig氏。同氏はゲーム攻略情報などを伝えるYouTubeチャンネル「GamersPrey」が公開したスタッフロールを引用。Craig氏によると、本作のスタッフロールは約2時間にも及ぶという。X上の投稿によると同シリーズの前作『アサシン クリード ミラージュ』は約50分だったため、本作では倍以上の長さとなっている。なお別会社のタイトルながら、同様の大作と比較すると『The Last of Us Part 2』は約16分、『サイバーパンク2077』は約40分となっており、『アサシン クリード シャドウズ』のスタッフロールが突出して長いことが分かる。スキップは可能だが、クリアした後に映画1本分ほどの長い映像が待っているというのは驚きだ。
なぜスタッフロールがここまで長くなったのだろうか。ひとつは開発規模の大きさが考えられる。本作の開発は、『アサシン クリード オデッセイ』を手がけたUbisoft Quebecを中心に、世界中にある13のUbisoftスタジオが提携して開発している。なおその中には、去年閉鎖を発表したUbisoft Osakaも含まれる(関連記事)。正確な人数は不明ながら、数千人規模で開発しているとみられ、単純に記名されたスタッフの人数が多いのだろう。とはいえ、たとえば開発者数が9000人を超えるという『ディアブロ4』のスタッフロールは約40分のため、単に人数の多寡だけが影響しているわけではなさそうだ(関連記事)。
ここで本作のスタッフロールの表記方法にも着目したい。通常、スタッフロールではディレクターやプロデューサーといった主要スタッフはフォントサイズが大きく、他のスタッフは比較的小さな文字、あるいは何行かに連なって表示されることがある。前述の『ディアブロ4』では、一部スタッフおよび関係者について、名前をコンマ区切りで列挙していく方式を取っている。
また、細かな点で言うと部門名や役職名を個人名と同じ行にするのか、違う行に分けて表記するのかも作品により異なる。『サイバーパンク2077』などは役職と個人名を同じ行に表記しており、ここもスタッフロールの全体の長さに影響する箇所といえる。スクロールのスピードもまちまちなものの、1行が現れてから消えるまでには、10秒程度の時間であることが多いようだ。

一方『アサシン クリード シャドウズ』のスタッフロールを見てみると、スクロールのスピードこそ1行あたり10秒弱となっているものの、スタッフによってフォントサイズが変わらず、1名が1行ずつ記載されている。また部門名や役職名は、個人名とは別の行で表記されているようだ。つまり構造的に、スタッフロールが長くなるような表記方法となっている。開発規模の大きさとこの表記方法が、本作のスタッフロールが約2時間になっている要因と見られる。
なお作品によっては、開発に携わった期間などによって一部の開発者がクレジットに載らないといった点が問題視されるケースも散見される(関連記事)。スタッフロールはゲームに携わった人々の実績を記録する場でもあり、特にクリエイター側からは網羅的に記載できるように見直しが求められている状況もある。
『アサシン クリード シャドウズ』のスタッフロールがどこまでの範囲のスタッフを表記しているかは不明ながら、先述したUbisoft Osakaのスタッフなど、閉鎖されたスタジオや退職したスタッフも記名されているようだ。また文字の大きさなどで役職ごとの差をつけず、比較的丁寧に開発者の名前が記録されていることも2時間超えのボリュームになった要因とみられる。
ちなみにUbisoftが手がける作品は『アサシン クリード』シリーズのほか、『ファークライ』シリーズなども含め、基本的にスタッフによってフォントサイズも変えず、ひとり1行とするスタイルを取っているようだ。映像としては長くなる反面、スタジオやスタッフの名前をシンプルに追記できそうな仕組みであり、同社の作品では一貫して用いられてきたのかもしれない。『アサシン クリード シャドウズ』では特に関わった人員が多かったことも影響して、スタッフロールの長さが記録的な時間となったと見られる。本作を最後までプレイした際には、本作に携わった世界各地のスタッフの名前を眺めながらじっくりと余韻に浸ってみるのもいいだろう。
『アサシン クリード シャドウズ』は、PC(Steam/Ubisoft Store/Epic Gamesストア/Mac App Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。Ubisoft+ Premium向けにも提供中。