EAを買収したサウジ系ファンドなどの、次なる狙いはゲームエンジン「Unity」か。評価額約4兆円で買収協議中との報道

Silver LakeとPIFを含む投資家コンソーシアムが、Unity Softwareの買収に向けて協議をおこなっているという。

Silver LakeとPIFを含む投資家コンソーシアムが、Unity Software(以下、Unity)の買収に向けて協議をおこなっているという。Silver LakeとPIFは、先日Electronic Artsの買収を完了させたコンソーシアムの一員だ。匿名の関係者の証言として海外メディアReutersが報じている。

Reutersが報じるところによると、PIFとSilver Lakeを含むコンソーシアムが、先日Unity Softwareの買収に向けて同社と協議をおこなったという。Unity SoftwareはゲームエンジンUnityの開発を手がけるソフトウェア企業だ。2004年にデンマークで設立され、現在はアメリカ・サンフランシスコに本社を置いている。2020年に上場しており、本稿執筆時点での時価総額は約215億ドル(約3兆2000億円)である。

そして買収を提案しているPIFはサウジアラビアの政府系ファンドで、Silver Lakeは米国のプライベートエクイティ企業だ。両社を含むコンソーシアムは、Electronic Artsの株式の100%を総額約550億ドル(約8兆8000億円)にて取得。今年の8月に正式に買収を完了させている。なお、Silver LakeはすでにUnityの株式を約8%所有する主要株主であり、Silver LakeのCEOであるEgon Durban氏は、Unityの取締役も務めている。

そのPIFとSilver Lakeは、現在Unityについて約250億ドル(約3兆8000億円)の評価額を下しており、同社の買収に向けて接触しているとのこと。関係者によると、Unity側は選択肢を検討している段階であり、投資銀行などと相談をおこなっているという。

Unity Softwareは11月5日に2026年第3四半期の決算を発表しており、それによると戦略的収益は前年同期比59%増の約6億ドル(約900億円)を記録。純利益は約1億2000万ドル(約180億円)となり、上場以来初となる黒字決算の達成を報告した。好調の要因としては、ゲームに特化したAI駆動型広告エンジン「Unity Vector」が業績を牽引しているとのこと。第4四半期も好調の決算が見込めるとしている。なお今回報じられた買収を巡る協議は、決算発表の数週間前におこなわれたとされる。

Unityが開発するゲームエンジンは業界でも広く利用されている。先日PIFとSilver Lakeらによって買収されたEAは事業再編を続けており、今回の買収ももし実現すれば、Unityとゲーム業界に及ぼす影響は小さくないだろう。なおUnityの買収については、2022年にも米国のテクノロジー企業AppLovinが175億4000万ドルで買収を提案。しかしそのときはUnityの取締役会によって拒否された。関係者によると、今回のPIFとSilver Lakeによる買収についてもまだ交渉の初期段階にあるようで、何の合意も成立していないという。はたして買収が成立するのか、今後の展開を注視したい。

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