ゲーム開発者間で「このゲームエンジンでこんなゲームを作っている」紹介が大賑わい。Godot製ゲームも意外と多め、ゲームの見た目ショーケース続々

ゲーム開発者の間で、使用しているゲームエンジンとともに自身のゲームのスクリーンショットを紹介するポストが流行している。

ゲーム開発者の間で、使用しているゲームエンジンとともに自身のゲームのスクリーンショットを紹介するポストが流行している。こうしたポストは2025年末から流行の兆しを見せており、本稿執筆時点でも継続している様子だ。

今回、本稿では一定の注目を集めている10いいね以上のポストに絞り、どのようなゲームエンジンが使用されているのか集計をおこなった。なお、X(Twitter)の仕様上、検索語句やいいね数の条件を満たしているにも関わらず結果に表示されていないポストも存在しているようだ。あくまでも大雑把な傾向としてご覧いただきたい。

もっとも多かったのは「Unity」で、17本の作品が該当した。作品の傾向としては3D/2Dのどちらのゲームも存在しており、グラフィックが3Dで作られているものの、カメラを特定の角度からの見下ろし視点や真横からの視点などに固定した2Dゲームに近いものも多く見受けられた。どんなゲームにも柔軟に対応できることがうかがえる。Unityといえば2024年1月1日に新料金体系「Unity Runtime Fee」を導入すると告知された際に大きな批判を浴び、その後撤回されたが、当時“脱Unity”を表明する開発者も見受けられた(関連記事)。そうした経緯はあるものの、扱いやすさや汎用性、また潤沢なエコシステムなどが強みのエンジンということもあり、根強く採用されていることがうかがえる。

次点は「Unreal Engine」で、11本の作品が該当した。こちらも汎用ゲームエンジンとして知られ、大手スタジオで採用されるなど業界でもUnityと並んで存在感を示すエンジンだ。今回の採用作品を見ても、強みとなる美麗な3Dグラフィックが目を惹くゲームが多い。その分最適化の難しさはUnreal Engine製の多くのゲームで課題とされているものの、NaniteやLumenをはじめ、先進的な技術をいち早く業界にもたらしている(関連記事)。

次に多いのは「Godot Engine」で、9本が該当する。Godotといえばかつては2Dゲーム開発に強みをもつゲームエンジンであったが、近年のアップデートにより3Dゲーム開発向けの機能も強化されてきた。今回の作品群をみると依然としてドット絵を用いた2Dゲームが多く見られるが、3Dの作品も見受けられる。軽量で動作が高速であることはGodotの大きな特徴であり、3Dゲーム開発における選択肢としても影響力を増してきているようだ。前述した“脱Unity”騒動においても注目を浴びており、現在勢いのあるゲームエンジンの一つと言える。

それ以降は、ブラウザで動作するビジュアルスクリプティング開発環境「Construct 3」と、ゲーム開発初心者にとっての扱いやすさを謳う「GameMaker」が、ともに4本のゲームで採用されている。その他、『Stardew Valley』に採用されていることで知られるフレームワーク「MonoGame」や、Python製のオープンソースノベルゲームエンジン「Ren’Py」など、多くのゲームエンジンが確認できた。

ちなみにゲーム開発者のためのイベントGame Developers Conference(GDC)の運営元は、2025年1月21日にゲーム業界の調査レポート「2025 State of the Game Industry」を公開している(関連記事)。3000人以上のゲーム開発者に向けたアンケート調査で、現在使用しているゲームエンジンに関する項目も存在していた。その結果ではUnityとUnreal Engineがともに32%で並び、Godot Engineは4%に留まっていた。また、独自ゲームエンジンの採用例も13%となっている。

今回のX上の一部のポストの集計でも、UnityとUnreal Engineの人気ぶりがうかがえるかもしれない。一方でXの投稿にはインディー開発者が中心ということもあり、Godotなどを用いる作品が割合として大きいなどGDCでのアンケートとは違った結果も表れているのだろう。

Image Credit: GDC

ゲーム開発者の間では、今回のように特定のテーマを取り上げたポストが流行することはたびたびある。過去にも、とにかく作ってみただけのプロトタイプがその後どのように変化したかを紹介する投稿や(関連記事)、自身のゲーム内でできることとして珍しいシステムを紹介する投稿(関連記事)、ゲームの演出としての“嘘”を紹介する投稿(関連記事)といった話題が盛り上がりを見せてきた。

今回の流行では、使用しているゲームエンジンに焦点が当たったかたち。自身の作品をアピールする場やどんなゲームエンジンを選択すべきかといったゲーム開発者に共通する悩みも見据えて、多くの開発者の間で広まっていったものと思われる。本稿執筆時点でも新たなポストは増え続けている。各ゲームエンジンでどんなゲームが作られているか、眺めてみるのもおもしろいかもしれない。

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Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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