Starbreeze Studiosが手がける『PAYDAY 3』のSteamストアレビューのステータスが「賛否両論」へと変化した。2023年9月にリリースされた本作は、一周年目にして「やや不評」から脱却することとなった。
『PAYDAY 3』は、2023年9月にPC（Steam/Epic Gameストア/Microsoft Store）/PS5/Xbox Series X|S向けに発売されたオンライン4人協力プレイ対応のクライムFPS『PAYDAY』シリーズの最新作だ。本作は前作『PAYDAY 2』から数年後の世界を描いており、PAYDAYギャングと呼ばれる強盗集団の物語を追っていくこととなる。
『PAYDAY 3』は、前作『PAYDAY 2』の正式続編。前作『PAYDAY 2』においては一時同時接続プレイヤー数24万7000人を記録。統計サイトSteamDBによると、本稿執筆時点で『PAYDAY 2』はSteamにおける同時接続プレイヤー数ランキングのトップ100に入るほどの人気作だ。発売から7年以上経ってもなお根強い人気を誇る『PAYDAY２』の続編ということもあり、続編である『PAYDAY 3』は発売前から多くのユーザーに待望されていた作品だ。
しかし、発売当初の本作はリリース直後からサーバーの不安定さから来るマッチメイキングエラーが多発。また前作『PAYDAY 2』において選択可能だったサーバーとの接続を必要としない「オフラインモード」が廃止され、ゲームサーバーと常時接続が必要なオンラインモデルへと移行したため、サーバーの状態次第ではプレイすら出来ない状況が相次いでいた。
さらに前作にはなかった「進捗システム」によるレベル上げは、プレイヤーのプレイスタイルを制限する仕様となっていた。これらの要素が複合的に作用し、プレイヤーからは不満の声が噴出。リリース直後のSteamストアレビューは「やや不評」ステータスを獲得。一時は「圧倒的に不評」ステータスに落ち込むこともあった。リリース後しばらくしてサーバーの安定性は向上したものの、プレイヤー人口に伸び悩むなど、本作は苦い出だしを経験した過去がある（関連記事）。
しかし、リリース1年を迎えた2024年9月22日頃、本作はついに「賛否両論」ステータスへと上昇したようだ。これを受けて本作の公式Xは「This is big（大きなことを成し遂げた）」とポスト。苦しいローンチからの返り咲いたステータスに悦びを示している。一年にも及ぶ度重なるアップデートとコンテンツ追加の結果、直近のレビューは好評を博しているようだ。
まず本作開発陣はローンチ後の2024年2月、ベテラン開発者から成る専門チーム「Strike Team」を結成。プレイヤーからの要望が厚かったソロモードの実装、進捗システムの撤廃、UIの刷新などを約束する「Operation Medic Bag」という新たなロードマップを公開した（関連記事）。さらに開発陣はその後、度重なるアップデートを実施。前作のリメイクマップ、新マップ、スキルライン、キャラクター、敵、武器や衣装など。バグ修正などを含め、数多くのコンテンツを追加してきた。
本稿執筆時点で本作は、前述の進捗システムを撤廃。好きな武器や装備構成でクリアしても経験値が獲得できる仕様へと変更された。また「Operation Medic Bag」において約束された完全オフラインのソロモードはまだ実装されていないものの、マッチメイキングを必要としないソロモードがベータ版というかたちで実装されている。さらに直近ではPatch 1.4.0にて、「ポーズ機能」が実装。プレイ中にも自由に一時停止できるなど、プレイヤーのQoLを向上させる機能が実装されている。
さらに直近の有料ダウンロードコンテンツ三弾は、それぞれ「非常に好評」や「やや好評」ステータスを獲得するなど、高評価を獲得しているようだ。これらのコンテンツでは前作において人気だったキャラクター「ヒューストン」が再登場するだけでなく、ハッキング能力を利用した隠密行動やバッグを2つ同時に持ち運べるスキルなどが実装。前作『PAYDAY 2』とはまた違った、新たなプレイスタイルでのゲームプレイを楽しめるという点も評価に繋がっているのだろう。
もちろん本作にはまだ武器調整、照明バグやバランス修正などの課題があり、「Operation Medic Bag」などで約束されている要素の一部は未実装だ。しかしリリースから1年を迎えた本作のステータス変化は度重なるコンテンツの追加や、プレイヤーのQoLを重視したシステム変化の賜物といえるだろう。2年目となる『PAYDAY 3』が、今後どのようなかたちでさらなる飛躍を遂げていくのか注目したい。
