刑務所運営シム『Prison Architect 2』5月8日に発売延期、バグ修正と最適化のため。販売元の方針転換もうかがえる延期の判断

 

パブリッシャーのParadox Interactive(以下、Paradox)は2月22日、Double Elevenが手がける『Prison Architect 2』の発売を5月7日に延期すると発表した。バグの修正と最適化を進めるためとのこと。本作の対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。少なくともSteamでは、日本での配信は時差の関係で5月8日になるようだ。


『Prison Architect 2』は刑務所運営シミュレーションゲームだ。2015年に発売された『Prison Architect』の続編である。本作ではプレイヤーは刑務所を一から建設。個性豊かな受刑者たちを管理して、滞りなく施設を運営することを目指す。

ゲームプレイではフェンスや塀、宿舎や食堂などを建設し、刑務所を運営していくことになる。また受刑者たちのスケジュールも管理する必要がある。食事や睡眠の時間、更生プログラムなどを設定し、受刑者たちの一日をデザインしていく。受刑者たちはそれぞれ欲求をもっており、独自に判断して行動をおこなうという。ときには団結して、脱走や暴動を試みることも。受刑者たちのニーズを満たし更生を図っていくのか、あるいは力で抑え込むのかはプレイヤーの決断次第だという。

前作は2Dのグラフィックで描写されていたが、本作は3Dへと変化。それにともない建築も3次元となっており、複数階の建物を建設できるようになっている。また本作にはスキルツリー要素が存在。福祉や警備など、分野ごとにツリーを伸ばし施設などをアンロックしていけるようだ。かつてない規模で多数の要素を統制できるようになったとのことで、さまざまな面で前作からパワーアップしていることが謳われている。


そんな本作は3月27日発売予定だったものの、今回5月8日に発売が延期されることが発表された。発表によると、現時点でゲーム内容に自信はあるものの、バグの修正とすべてのプラットフォームでの最適化を進めるために時間が必要とのこと。当初の発売日通りにリリースする判断も有り得たが、発売初日からスムーズな体験を提供するためには延期が必要と判断したという。

Paradoxがパブリッシャーを務めるタイトルのリリース延期が発表されるのは、今月2作品目となる。同社は2月3日にも、ライフシム『Life by You』の早期アクセス配信の延期を発表している(関連記事)。そちらの発表でも延期の理由として、バグを減らし最適化を進めるためと説明。Paradoxより販売されるゲームが、バグの解消と最適化を理由に、相次いで発売延期が発表されるかたちとなっている。同社のこうした決断の背景には、昨年同社より発売された『Cities: Skylines II』の評価が影響しているかもしれない。

『Cities: Skylines II』


『Cities: Skylines II』は昨年10月にParadoxより発売された街づくりシミュレーションゲームだ。人気作の続編として注目を集めていたが、「最適化目標を達成できないまま」PC版のみがリリース。パフォーマンス問題などが報告され、Steamユーザーレビューで「賛否両論」ステータスに留まるなど、好調とは言いづらい滑り出しとなっていた(関連記事1関連記事2)。今年2月6日には、販売元より同作の売上が100万本に到達したことが報告。売れ行きが好調であることが語られるも、販売元CEOは同作の状況について「複雑な心境」とコメント。課題の存在について話すとともに、同作の改善に全力で取り組んでいると表明していた(関連記事)。

こうした販売元CEOのコメントを踏まえると、『Cities: Skylines II』の状況に対する販売元の懸念が、本作『Prison Architect 2』などの発売延期の判断に影響を与えた可能性はありそうである。延期をいとわず、リリース初日よりゲームを安定させることを重視する方針となっているのかもしれない。シミュレーションゲームを中心にさまざまなゲームのパブリッシュを手がけるParadoxと、スムーズなローンチのため開発が続けられている本作の今後の動向が注目されるところだ。

『Prison Architect 2』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに、5月8日に発売予定だ。