『バルダーズ・ゲート3』では約半数のプレイヤーが“第1章”をクリアしていない説。大ボリュームすぎて「1章だけで100時間かかった」報告も
『バルダーズ・ゲート3』Steam版やPS5版の実績取得率を見るに、半数近くのプレイヤーが“ゲーム序盤”を突破できずにいるようだ。本作は大ボリュームかつCRPGとして多彩な攻略アプローチを備えており、遊び続けていても序盤にとどまっているプレイヤーは一定数いると見られる。海外メディアTheGamerが伝えている。
『バルダーズ・ゲート3』は、RPG『Baldur’s Gate』シリーズのナンバリング最新作だ。『Divinity』シリーズの開発元として知られる、ベルギーに拠点を置くLarian Studiosが手がけている。本作の舞台となるのは広大なファンタジー世界「フォーゴトン・レルム」。プレイヤーはこの地を、仲間と共に自由度高く冒険することになる。ファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとしており、TRPGのメカニクスをゲームに落とし込んだいわゆるCRPGとして展開されるゲームプレイも特徴だ。
本作は2020年10月に早期アクセス配信開始され、早期アクセス時点で売上250万本を記録。そして2023年8月4日に正式リリースされ、8月17日には在中国ベルギー大使館がWeiboにて本作の売上が520万本を突破したと報告していた。同時接続プレイヤー数およびユーザー評価の両面で好調な滑り出しを見せたほか、年末にはThe Game Awardsのゲーム・オブ・ザ・イヤーを含め数々のアワードも受賞。また昨年12月21日にはスパイク・チュンソフトより国内PS5版が発売され、PC(Steam)版にも日本語対応アップデートが配信された。
昨年を代表する一作といえる『バルダーズ・ゲート3』ながら、意外にも半分以上のプレイヤーが“ゲーム序盤”にとどまっているようだ。というのも、本作ではストーリーの節目で「Act」が分けられており、各Actをクリアした際には実績(トロフィー)を取得可能。Act 1クリア時の実績「The Plot Thickens」については、Steam版では現時点の取得率が49.9%。トロフィー情報集積サイトPSN ProfilesによればPS5版でも42.1%と同程度の取得率であり、少なくとも両プラットフォームのプレイヤー間ではAct 1のクリア率が半数程度であることを示している。
本作にて序盤から抜け出せないプレイヤーが多い理由はさまざま考えられるだろう。大ボリュームなため作品ごと“積んでしまった”プレイヤーも一部いるかもしれない。また本作はAct 1だけでも序盤ながら大ボリューム。エリアは限られるものの、探索要素やギミック、イベントや会話などが豊富に盛り込まれており、じっくり遊ぶと攻略に長い時間がかかる。SNS上ではAct 1だけで数十時間を要したとするプレイヤーが散見されるほか、中には100時間を要したと報告するプレイヤーも見られる。
ちなみに弊誌編集部・ライター陣でもAct 1攻略に要したプレイ時間には個人差があり、20時間ほどでクリアしたという例もあれば、倍以上かけてまだAct 1を遊んでいるとの声もあった。なお本作では進行に関わるエリア移動の際に「このまま先に進んでよろしいですか?」とのポップアップが表示される。やり残しがないか確認する機会が用意されていることは、隅々まで遊びたいプレイヤーの“嬉しい足止め”に繋がっている可能性はありそうだ。
また注目作であり、そもそもプレイヤーの母数が大きいことも要因のひとつだろう。特に話題性からCRPGジャンルに不慣れなプレイヤーも多くプレイしていると見られる点も、理由として考えられる。キャラクターの強化や攻略アプローチの多彩さは、新規プレイヤーにとって悩ましくもある部分。確率に左右されるダイスロールシステムもあり、セーブとロードを交えて試行錯誤しながら、序盤から自分なりの攻略法を試しているプレイヤーも多いだろう。
いずれにせよ、ゲームを積まずに普通に攻略を進めていても「The Plot Thickens」を取得していないプレイヤーは多いのかもしれない。寄り道や試行錯誤を繰り返しながらじっくり遊べる懐の深さも『バルダーズ・ゲート3』の持ち味であり、それが実績取得率にも反映されているかたちとみられる。
なおゲームクリア時に獲得できる実績「All’s Well That Ends Well」の取得率はSteamでは18.3%、PS5版では13.6%にとどまり、話題作としてはやや低め(関連記事、関連動画)。今後もメインストーリー関連の実績・トロフィー取得率の推移は注目されるところだろう。ちなみに弊誌ではCRPG新規プレイヤー目線で“避けてほしい失敗”集を紹介している(該当記事)。本作からCRPGに入門した人や序盤から進めずにいる人はチェックしてみてほしい。