オープンワールド・サバイバルFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2』2024年第1四半期に発売延期へ。新ゲームプレイ映像をお披露目しつつ延期
GSC Game Worldは8月24日、『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』(以下、S.T.A.L.K.E.R. 2)を2024年第1四半期に発売すると発表した。これまで本作は2023年内の発売が予定されていたため、発売延期となる格好だ。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』は、サバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。舞台となるのはチェルノブイリおよびその周辺の立入禁止区域。本作においてこの区域は「ゾーン(The Zone)」と呼ばれ、派閥間抗争だけでなく凶暴なミュータントや“アノーマリー”と呼ばれる存在などが蔓延っている。ゾーンはきわめて危険な一方で、計り知れない価値をもつ宝が眠っているとされ、ストーカー(S.T.A.L.K.E.R.)と呼ばれる一獲千金を狙う者たちを惹き付けていた。プレイヤーもそんなストーカーの一人となって、ゾーンに足を踏み入れることになる。
本作ではゾーンを64平方kmのシームレスなオープンワールドとして構築。この地で自身だけでなく人類の運命をも背負う、マルチエンディングの物語がノンリニアに展開されるという。プレイヤーはさまざまな派閥のメンバーと出会い、戦う、あるいは仲間にしながら冒険を繰り広げるそうだ。
武器は30種類以上登場し、多彩なカスタマイズが可能とのこと。プレイヤーキャラに飢えや睡眠、出血、被爆といったパラメータが用意されるといい、サバイバル要素もあるようだ。グラフィックのリアルさや、NPCの思考AIシステムの進化などもアピールされている。
本作開発元のGSC Game Worldは、ウクライナのキエフを拠点としている。本作は2022年12月8日の発売を目指して開発されていたものの、同年3月にはロシアによるウクライナ侵攻の影響で開発が一時中断。その後同年6月には発売が延期され、新たな発売予定は2023年内となっていた(関連記事1、関連記事2)。また開発元はチェコ共和国に新たなスタジオを設立したことを伝え、開発の大部分を新スタジオにておこなう予定を説明していた。
本作はそうして戦渦の影響を受けながらも開発されていたものの、今回2024年第1四半期に発売延期となったことが明かされた。現時点では2024年1月~3月の発売が見込まれているのだろう。なお新トレイラーでの延期発表に先がけて、公式サイト上の本作情報(ファクトシート)の発売時期記載も「Q1 2024」へと更新されていた。
なお、延期に影響したかもしれない出来事として、GSC Game Worldは今年3月、自社従業員のウェブサービスアカウントがハッキング被害を受けたことを報告。ロシアのSNS上のグループが、犯人であると主張していることを伝えていた(関連記事)。ハッキングされたのは業務に利用するアプリケーションのアカウントと見られ、『S.T.A.L.K.E.R. 2』の未発表データもハッカーの手に渡ったようだ。報告において同社はそれ以前からも継続的にサイバー攻撃や脅迫などを受けており、個人情報をターゲットとしたハッキングといった試みもあったことを伝えていた。
実際そうした報告に先がけて、ロシアのSNSであるVKontakte上では「『S.T.A.L.K.E.R. 2』の大量のデータを入手した」としてGSC Game Worldを脅迫する投稿がおこなわれていた。「ロシアとベラルーシに対する態度を改めること」などが要求されており、戦渦によるGSC Game Worldへの影響はさまざまな側面に及んでいたようだ。そうした事態も開発の遅れに繋がった可能性はある。
なお今回公開されたトレイラーでは、さまざまなロケーションでアノーマリーとの対峙やミュータントとの戦いが繰り広げられるゲームプレイ映像を確認可能。発売は延期となったものの、開発は着実に進んでいるのかもしれない。新たな発売予定時期となる2024年第1四半期に向けて、開発が今後は問題なく進むことを祈りたい。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、PC(Steam/GOG.com/Epic Gamesストア)/Xbox Series X|S向けに2024年第1四半期に発売予定だ。Xbox Game Pass向けにも提供される。