『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、序盤の祠「ススヤイの祠」の“解き方”が多すぎる。頼るのはタイヤか、板か、根性か
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、「ススヤイの祠」のパズルの解決法が多岐にわたっている。比較的シンプルな課題に対して、多くのユーザーが頭をひねり、それぞれの答えを出している。なお、本稿には本作序盤の祠についてのネタバレが含まれるため、注意してほしい。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。新作においては、ハイラルの地が突如として天変地異に見舞われる。城は宙へと浮かび上がり、空からは謎の遺跡群が降り注ぐ。大地と大空が広がった世界にて、“右手”に力を宿したリンクがハイラルの異変に立ち向かう。なお本作は、発売後3日間で売上1000万本を突破したことが伝えられている(関連記事)。
本作においても前作に引き続き、プレイヤーにパズルやチュートリアル要素を提供する「祠」がハイラル全土に点在している。そして祠におけるパズルの解法は、本作において爆発的に可能性を広げている。具体的にいえば、物体同士を繋げる「ウルトラハンド」と数々の組み合わせ可能メカニズムによって、10人がパズルに取り組めば10種類の解き方があってもおかしくない自由度となっているのだ。そのため、クリア後に“ゴリ押し”してしまったと感じる一幕もしばしば。そうして、実際に多くの人々が「なんか違う気がする」といいつつクリアしている祠のひとつが「ススヤイの祠」だ。
ススヤイの祠は、監視塔の鳥望台の南西に位置する祠だ。そのため、多くのプレイヤーがかなり早期の段階で訪れる祠でもあるだろう。この祠の謎解きのテーマは「走るもの」。そのテーマのとおり、この祠ではゾナウギアのひとつ「小さなタイヤ」を使って課題を突破していくことになる。祠に入るとまずは自走する台車が道を阻み、続いては「動く地面」を突破することになる。しかし、多くの人々が試行錯誤の限りを尽くしているのが最後の難関「プラットフォームによる崖の横断」だ。
広い崖の間に渡されたのは、2本のレール。そこに、簡単なスキーリフトのようなプラットフォームがぶら下がっている。このプラットフォームを、崖の向こうまで推進させるのがプレイヤーの目標となる。実をいえば、この崖の横断には極めてシンプルな解法が存在する。しかしそれは記事の最後に譲るとし、いかに多くの人が創造力と根気を発揮して、この崖を渡ったかを紹介したい。
まずはある種正攻法といえる「プラットフォームで工夫するタイプ」である。たとえば、プラットフォームをレールから外して上下逆さまに180度回転させてみたり、板を追加して改造してみたりといった工夫が見られる。また、ここまでの謎解きに使った車をそのまま流用し、自前のプラットフォームを作ってしまうプレイヤーも見られた。いずれも、どうにかタイヤの動力をレールに伝えて対岸まで渡る手法だ。タイヤの配置などにも個性が見られ工夫を感じられる、見ていて楽しい試行錯誤だ。
次に「とにかく板を繋げて解決するタイプ」も見られる。崖を渡るのであれば、とにかく長い橋を作ればいい。極めて合理的かつパワフルな考え方だ。タイヤやプラットフォームも無理やり“橋”として動員してくっつけてしまうとスムーズなようである。なお、物体を大量に繋げて問題をねじ伏せるスタイルとして「とにかく丸太を繋げればどうにかなる」という考え方のプレイヤーも、本作には一定数存在するようだ(関連記事)。
そして身も蓋もないのが「レールを自分で渡る派」だ。こちらについては、徒歩で落下死覚悟の鉄骨渡りを敢行する者もいれば、盾サーフィンによるレールグラインドを利用して解決する世渡り上手もいる様子。なお、徒歩によるレール攻略については「始まりの空島」でも多くのユーザーに散見された例だ(関連記事)。難しいレールに直面すると「頑張って足で渡ろう」と根気を発揮するユーザーは一定数いるようである。ほか、番外編として、ウルトラハンドで自らプラットフォームを移動。モドレコによってその動きを再生して乗り込み、崖を越えるクレバーな例も見られた。
なお、冒頭で述べたシンプルな解法としては、以下の画像のように小さなタイヤをプラットフォームに接着し、動力をレールに伝える手法がある。わかってしまえばなんのことはない方法だ。ただ、この手法におけるタイヤとレールの位置関係を確認すると、微妙に隙間があり接触していないように見える。小さなタイヤの形状から、うまくいかなさそうな感覚を覚えて「試行錯誤の道」に入ったプレイヤーもいるかもしれない。
ただし、シンプルな解法が正解なのではない。対岸に渡れた解法はすべて立派な正解なのである。また、謎解きとは試行錯誤の過程も楽しみのひとつである。そういった意味では、悩んだプレイヤーの方が少し長くこの祠を楽しんだともいえそうだ。本作にはまだまだ多くの祠があり、それぞれで十人十色の試行錯誤が繰り広げられている。なかには明らかな最適解がなさそうに見えるような難題もあり、今後も興味深い名解法・珍解法が多数誕生することだろう。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。
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