『ポケモンSV』のサンドイッチづくりで“宇宙”を目指す集団現る。「サンドイッチ爆発学」が産んだ狂気の宇宙進出

 

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、ポケモンSV)において、グリッチを用いて宇宙に進出する試みが一部ユーザー間で注目を集めている。サンドイッチづくりにおける物理演算の奇天烈な挙動が、トレーナーたちを宇宙に導くという。


『ポケモンSV』は『ポケットモンスター』シリーズの最新作。ゲームフリークが開発を手がける。本作ではオープンワールドを舞台に、ほぼ境目なく広がる街や大自然を楽しめる。また、最大4人でのマルチプレイにも対応。冒険の合間にはテーブルを設営して、仲間やポケモンたちとのピクニックも可能だ。ピクニック時にはバゲットでサンドイッチ(サンドウィッチ)を作り、みんなで食べてさまざまな効果を得られる。

そんな本作のサンドイッチづくりを応用し、宇宙進出を試みるユーザーたちがあらわれている。「サンドイッチ爆発学」とするハッシュタグを用いて、研究成果を報告しあっている。

サンドイッチ爆発学者たちの報告によれば、宇宙を目指せるサンドイッチづくりのポイントはポケモンセンター「西1番エリア」近くの風車。これらの風車には展望台が設けられており、そこでピクニックを始めることが宇宙への第一歩となる。なお今回のサンドイッチづくりのグリッチ使用後に、ゲームがエラーとなってしまう場合やキャラが操作不能となる不具合も報告されている。試す際には自己責任の上となる点を留意してほしい。

“ロケット発射台”となるのは、ピクニックテーブルだ。ピクニックを始める際には、テーブルが展望台の柱に重なるように設営する。テーブルを設営したらいよいよサンドイッチづくりを開始。皿の左上に柱が重なっていれば成功だ。宇宙を目指すトレーナーたちのサンドイッチの具材となるのは、やきチョリソー。調味料はなんでもいいようだ。

調理を開始したらバゲットの左端に、柱にめり込むようにやきチョリソーを配置。あとはその上に重なるようにやきチョリソーを配置し続ける。すると次第に視点が高く移動。ある程度高度が上昇すると、なぜか視点はぐるりと上下反転してしまう。ここまでくると配置し続けたチョリソーの上には新たなチョリソーを置けなくなるため、勘を頼りに風車にやきチョリソーを突き刺していくのだ。



なお筆者の検証の範囲ではこの段階でチョリソーをどこに刺せばいいか見当もつかず、ただただ地上に落ちて消えていくチョリソーを眺めつづけることに。結果として、風車の屋根を拝むことしかできなかった。その後もうまくチョリソーを突き刺せれば、パルデア地方を一望し、ひいては宇宙に到達することができるという。

宇宙から見た『ポケモンSV』世界の“地球”は一色のみで表現されたのっぺりとした球体。さすがに宇宙視点からプレイヤーが見下ろすことは想定されていない様子だ。一方で、たとえば夕方はピンク色といった具合に、時間帯によって“地球”の色は変わるという。また、ゲーム内で異常な高所に到達した結果、地球のような構造が明らかになった例としては『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』がある。こちらでは雲や大気の層のような構造も確認することができ、リアルな空の描写を追求した結果、地球をシミュレートするような実装になった可能性が推察された(関連記事)。今回の『ポケモンSV』世界の“地球”も、同様の設計思想から実装された可能性もあるだろう。

サンドイッチづくりを用いた、サンドイッチそっちのけの遊びは発売直後から考案されていた(関連記事)。本作のサンドイッチづくりにおける物理演算の面白さにユーザーたちは当時から着目していたようである。そうして生まれたとみられるサンドイッチ爆発学は当初、ソロプレイでサンドイッチの具材をいかに派手に飛び散らせるかを目指す取り組みだったという。しかし、いつのまにかサンドイッチ爆発学は、物理演算を狂わせて奇天烈な現象を引き起こす試みを指す言葉としても使われ始めたという。そのなかで、今回の宇宙を目指すサンドイッチづくりが生まれたのだろう。

一部ユーザー間で親しまれつつある、サンドイッチづくりで宇宙を目指すという奇想天外な試み。宇宙進出は一筋縄ではいかず、やきチョリソーの配置のコツを掴む必要がありそうだ。なおサンドイッチづくりはオンラインプレイにも対応している。不具合が発生しても自己責任とはなるものの、4人で宇宙を目指してみることも可能だろう。

【UPDATE 2023/3/7 20:47】
一部記事内ツイートを差し替え

【UPDATE 2022/3/8 15:06】
本文中の一部記述を変更





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