ゲームクリエイター中裕司氏、初公判にて起訴内容を認める。スクエニ新作を巡るインサイダー取引事件で逮捕・起訴
東京地方裁判所にて3月2日、スクウェア・エニックスのゲーム開発をめぐるインサイダー取引事件の初公判が開かれ、同社元社員でゲームクリエイターの中裕司被告が、起訴された内容を認めた。NHKなどが報じている。
中裕司被告は、1984年にセガに入社し『ファンタシースター』や『スペースハリアー』など多くの作品携わった経歴をもつゲームクリエイター。代表作としては『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズなどが挙げられる。その後同被告はセガを退社し自身の会社プロペを設立。そして2018年1月にスクウェア・エニックスに入社し、『バランワンダーワールド』を手がけたのち、2021年7月に同社を退社している。
そして昨年11月18日、東京地検特捜部が金融商品取引法違反の疑いで中被告を逮捕したと発表。容疑は、スクウェア・エニックスに在籍していた2020年1月下旬、スクウェア・エニックスがAimingと共に『ドラゴンクエストタクト』を開発していることを知った中被告は、その情報が発表される前に、Aimingの株式約1万株を約280万円で買い付けたというものである(関連記事)。
また同年12月7日には、中被告はスクウェア・エニックスとエイチームのモバイル向け新作ゲーム開発についての未公開情報を知り、2021年1月下旬~2月下旬ごろ、エイチームの株計約12万株を計約1億4470万円で買い付けた疑いがもたれ再逮捕。この新作ゲームについては、一部報道では『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』のことであると伝えられている(関連記事)。
今回の公判にて検察は冒頭陳述にて、「別の大手ゲームメーカーで、ゲームプログラマーとして世界的に著名なゲームの開発を手がけた実績を買われて、シニアマネージャーに就任した。その権限で、投資会議の資料や議事録が掲載されたサイトにアクセスして『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジーシリーズ』の新作の共同開発を進めることを知り、合わせて13万株を買い付け2000万円余りの売却益を得た」と主張。これに対し中被告は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めたとのこと。
なお、『ドラゴンクエストタクト』の開発をめぐるインサイダー取引においては中被告のほかに、スクウェア・エニックス元従業員の佐崎泰介容疑者と、その知人である鈴木文章容疑者も逮捕されており、もうひとつの事件においては佐崎泰介容疑者が中被告と共に再逮捕されている。
【UPDATE 2023/3/2 20:49】
初版にて、別事件で中被告とともに再逮捕されていた容疑者について鈴木容疑者としておりましたが、正しくは佐崎容疑者となります。該当記述を訂正し、お詫び申し上げます。
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