スクウェア・エニックスが運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)にて奇妙なバグが発生している。戦士の回復スキルである「シェイクオフ」が異常なほど回復するのだ。公式フォーラムやreddit、SNSで話題となっている。なお、この不具合は開発側も認識しているようで、現在調査・修正作業中とのことだ。
「シェイクオフ」は戦士からパーティメンバー全体への回復アクションだ。パーティメンバー全体のHPを回復させ、さらにバリアと継続回復効果を付与する。「原初の血気」「スリル・オブ・バトル」「ヴェンジェンス」のバフが自身に付与されている場合、それらのバフを消去することでバリア量をアップさせる。
「シェイクオフ」のレベル90時点での素の回復量はおよそ4000~6000程度。しかし現在はバグにより、「原初の血気」「スリル・オブ・バトル」を使用してから「シェイクオフ」を使用すると、回復量が7桁を超えてしまうケースがあるようだ。人間というのは途方もない数字を目にすると面白くなってしまうもので、SNSでは驚異的な回復力を手にした戦士たちのシェイクオフ風景を目にすることができる。
『FF14』において、戦士は脳筋として描かれがちなジョブである。ジョブクエストでは、ちょっぴりお馬鹿な戦士の先輩キュリアス・ゴージがしょっちゅう原初の魂に飲まれて暴走する。今回問題となっているアクション「シェイクオフ」も「気にしない」という意味の英語スラングだ。かつて「シェイクオフ」が自身の状態異常を消去する効果だった頃の名残なのだが、気にしないことで状態異常を回復するのも、気にしないことでパーティメンバーを回復するのも、深く考え込まない戦士らしいアクションといえる。
今回のバグでは、そんなお茶目で脳筋な戦士が、唐突に7桁を超える回復量を手に入れてしまったということになる。なお、回復量が8桁を超えると今度は数字がオーバーフローを起こしてしまい、回復量が0になってしまうこともユーザー検証で明らかになっている。
戦士のアクションにおかしなバグが発生してしまうのは初めてではない。2015年6月にリリースされた「蒼天のイシュガルド」で「原初の直感」が実装されたときは、「使用者の背面への攻撃が必ずクリティカルする」という仕様が何故か回復にも適用されてしまっていた。そのため、学者の「鼓舞激励の策」(クリティカルするとバリア量が2倍になる)をケツに叩き込まれる戦士、という図があちらこちらで生まれていた。
現状、ユーザーからの報告を見る限り、シェイクオフが異常回復するバグはソロ環境でしか発生していないようだ。零式や絶への影響はあまり大きくないものと見られる。しかし、ソロコンテンツで本バグを恣意的に利用した場合、BANなどの可能性も考えられる。コンテンツ攻略には利用せず、驚異的な回復量を見て面白がるだけに留めておこう。前述したように、この不具合は開発側も認識しているようで、現在調査・修正作業中とのことである。
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