Amazon GamesとCrystal Dynamicsは12月16日、『トゥームレイダー(Tomb Raider)』新作のパブリッシングをAmazon Gamesが担当すると発表した。また、Amazon Gamesは同作の開発を全面的にサポートすることが伝えられている。
『トゥームレイダー』シリーズは、考古学者であり探検家でもあるララ・クロフトを主人公とするアクション・アドベンチャーゲームだ。1996年から続く人気シリーズであり、秘宝が眠る遺跡の探検や、さまざまな仕掛けを駆使したゲームプレイなどを特徴とする。直近のシリーズはCrystal Dynamicsなどが中心となって開発されてきた。
今回Amazon Gamesがパブリッシングを担当することが発表されたシリーズ最新作も、Crystal Dynamicsにより開発中。開発はUnreal Engine 5にておこなわれているという(関連記事)。開発は現在初期段階。シリーズの見どころのひとつである高品質な3Dグラフィックも、さらなる進化を見せることだろう。
今年5月には、Crystal DynamicsとEidos Interactive、および『トゥームレイダー』『Deus Ex』などのIPは、Embracer Groupによりスクウェア・エニックスから買収された。Crystal Dynamicsは2022年8月26日をもって、Embracer Groupの完全子会社となっている。なおEmbracer Groupは、ゲームスタジオやIPの買収により近年急成長しているスウェーデンに拠点を置く企業だ。傘下にTHQ NordicやPLAION/Deep Silver、Saber Interactive、Gearbox Entertainmentなどを抱えている。
『トゥームレイダー』新作はそうしたEmbracer Group傘下のパブリッシャーではなく、Amazon Gamesのパブリッシングにて提供されるわけだ。今回の発表に際して、Crystal Dynamicsのスタジオヘッドを務めるScot Amos氏はコメントを寄せている。同スタジオにとって、Embracer Groupによる買収は、『トゥームレイダー』のパブリッシング関係を再定義する絶好の機会であったという。またAmazon Gamesの開発協力チームは、『トゥームレイダー』の世界に対する視野や価値観を共有できるチームだと述べている。新たな開発体制で構築される新作は、シリーズ史上最大かつ最高の『トゥームレイダー』になるとのことだ。
なおAmazon Gamesは自社スタジオ開発の『New World』といったゲーム開発・運営のほか、パブリッシングの手も広げつつある。一方で同社が手がけてきたゲームは、MMORPGが中心であった。今回の『トゥームレイダー』は同社が初めて打ち出す、物語主導のシングルプレイゲームになるという。
『トゥームレイダー』新作はCrystal Gamesにより開発中。Amazon Gamesより、複数のプラットフォームにリリース予定だ。