『トゥームレイダー』シリーズ新作開発発表、Unreal Engine 5で制作へ。『Days Gone』ディレクターもスタジオに加入


Epic Gamesは4月6日、Unreal Engine 5(以下、UE5)の情報を届ける番組「State of Unreal 2022」を放送。このなかでは、UE5を採用するスタジオの紹介もおこなわれ、Crystal Dynamicsも採用を発表。同スタジオは、『トゥームレイダー』シリーズの次回作をUE5にて開発中であることを明らかにした。

『トゥームレイダー』シリーズは、考古学者であり探検家でもあるララ・クロフトを主人公とするアクション・アドベンチャーゲームだ。1996年から続く人気シリーズであり、秘宝が眠る遺跡の探検や、さまざまな仕掛けを駆使したゲームプレイなどを特徴とする。現在はスクウェア・エニックスがIPを保有し、同社傘下のCrystal Dynamicsなどが中心となって開発されている。

Crystal Dynamicsのフランチャイズ・ゼネラルマネジャーDallas Dickinson氏は、UE5によってゲームプレイ体験における次のレベルのストーリーテリングが実現するとコメント。そして、『トゥームレイダー』シリーズ新作での目標は忠実度の限界を押し上げることだとし、高品質なシネマティックアクションおよびアドベンチャー体験をファンに提供すると述べている。

『トゥームレイダー』シリーズでは、2013年リリースの『TOMB RAIDER』にてリブートを実施。若きララ・クロフトの最初の冒険へと立ち返り、続く『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』を通じて、彼女が成長していく様子が描かれた。一連の物語はこの三部作にて完結したとされているため、現在開発中であるという新作ではどのような時代・舞台となるのか興味深い。

また同シリーズは、高品質な3Dグラフィックが見どころのひとつ。UE5の採用により、これまでにないビジュアルでの冒険が可能になるものと期待される。Crystal Dynamicsでは、現在多数の職種について人材を募集しており、まだ開発は初期段階の模様。今のところ、新作に関する具体的な情報は何も明かされておらず、続報に注目が集まる。ちなみに、『Days Gone』のゲームディレクターを務めたJeff Ross氏が、デザインディレクターとして同スタジオに加入したことを公表している。『トゥームレイダー』新作に携わるのかもしれない。


今回のEpic Gamesのイベントでは、UE5を採用するほかのスタジオについても紹介された。先日『ウィッチャー』シリーズ新作をUE5にて開発中であると発表したCD PROJEKT REDや、マイクロソフト傘下の各スタジオ、SIE傘下に入ったばかりのHaven Studiosもみられる。PS VR2のロゴも確認できるため、UE5にてサポートされるのだろう。

ほかにも、『Layers of Fear』のBloober Team、『Life Is Strange』のDontnod Entertainment、『Alan Wake』のRemedy Entertainment、『リトルナイトメア』のTarsier Studios、『PAYDAY』のStarbreeze、『INSIDE』のPlaydeadなどが名を連ねている。テンセントやPerfect Worldなど中国の大手メーカーもUE5を採用するようだ。一方で、日本のメーカーは見当たらない。もっとも、UE4を採用した国産タイトルは数多く存在するため、いずれUE5に移行するものを思われる。

Unreal Engine 5は、本日4月6日より正式リリースされている。今回の放送ではその発表がサプライズ的におこなわれたほか、UE5の機能紹介や技術講演も実施された。UE5は、Epic Games Launcherよりダウンロード可能。無料で利用でき、UE5を用いて開発した作品の売り上げが100万ドルを超えた場合にのみ、5%のロイヤリティが発生する。