『エルデンリング』、「もっとも人を困らせるゲーム」であると調査サイトに認定される。惑いながらGoogleに頼る褪せ人たち

英国の通信・インフラサービスなどの比較情報サイトUswitchは9月22日、「今年プレイヤーを当惑(confuse)させたゲームランキング」を発表。同サイトの調べでは、『エルデンリング』が1位となったという。さまざまな人気タイトルのプレイヤーの攻略情報検索回数をもとに、独自の調査結果を伝えている。

英国の通信・インフラサービスなどの比較情報サイトUswitchは9月22日、「今年プレイヤーを当惑(confuse)させたゲームランキング」を発表。同サイトの調べでは、『エルデンリング』が1位となったという。さまざまな人気タイトルのプレイヤーの攻略情報検索回数をもとに、独自の調査結果を伝えている。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。海外パブリッシングを含めたプロデュースは、バンダイナムコホールディングスが担当する。本作は『ダークソウル』シリーズなどフロム・ソフトウェア過去作のゲームプレイを色濃く受け継ぎつつ、舞台を広大なオープンフィールドへ変更。多くの新要素も盛り込んだ新作となっている。


そしてこのたび、Uswitchは今年もっともプレイヤーを“当惑させた”ゲームを決めるべく、人気タイトル150作について調査を実施。結果、プレイのヒントや攻略情報が検索された回数がもっとも多いゲームは『エルデンリング』であると判明したという。つまり、攻略法を求める検索の多さに比例して、困っているプレイヤーも多いのではないかという発想だろう。

Uswitchは、それぞれのゲームタイトルと共に、Tips(攻略ヒント)/Walkthrough(攻略チャート)/How to Play(プレイ方法)といったワードが検索された回数を調査したそうだ。なお、集計期間については「Annual Searches」とされている点などから、今年2022年度内が範囲と見られる。そして同サイトの調査した範囲では、『エルデンリング』攻略情報の検索回数は17万1840件を記録。続く『メトロイド ドレッド』の5万3880回に3倍以上の差をつけている。そのほか集計された上位10タイトルについての詳細は、以下のとおり。

  1. 『エルデンリング』       17万1840回
  2. 『メトロイド ドレッド』      5万3880回
  3. 『バイオハザード ヴィレッジ』  4万4760回
  4. 『アサシン クリード ヴァルハラ』 3万3960回
  5. 『ファークライ 6』        3万1920回
  6. 『Fallguys』            2万7480回
  7. 『フォートナイト』        2万5200回
  8. 『ルイージマンション3』      2万4360回
  9. 『Horizon Zero Dawn』      2万0040回
  10. 『DEATHLOOP』          1万8000回

以上の結果については、「作品がプレイヤーを当惑させた」というより、単にゲームの人気度合が反映されているという見方もあるだろう。『エルデンリング』は発売以来、全世界で非常に高い人気を誇っているゲームだ(関連記事)。バンダイナムコホールディングスの2022年度第1四半期(2023年3月期)の決算報告によると、全世界で累計1660万本の出荷を記録している。世界的に絶大な人気を誇る本作は、必然的にそれだけ多くのプレイヤーに情報を検索されているという考え方もできるわけだ。

一方で『エルデンリング』は、高難度なゲームでもある。フロム・ソフトウェアが過去に高難度アクションRPGを手がけてきたこともあり、ボスの強さや過酷なロケーションといった特徴は本作にも健在だ。また、オープンフィールドや新システムの採用により、過去の同スタジオ作品に比べて攻略の選択肢が大幅に増えた。ボスの倒し方や探索などの情報を求めたくなるユーザーも多いだろう。また本作のNPC関連のクエストラインなどは、断片的な情報からかなりの手探りで進行する必要がある場合も多い。攻略情報を検索したくなるプレイヤーも多いのではないだろうか。

第2位となる『メトロイド ドレッド』についても、米国では『メトロイド』シリーズとして最高の初月販売本数を記録(関連記事)。くわえて、レビュー集積サイトMetacriticでは同作を高難度とする意見も散見される。ジャンルは違うものの、特に人気が高くかつ高難度という点では『メトロイド ドレッド』も『エルデンリング』と共通しているだろう。少なくとも1位と2位を飾った両作については、作品自体の人気と難しさの双方が反映されていそうだ。

『メトロイド ドレッド』


そのほかランクインしているタイトルでは、別の傾向も見られる。たとえば、『アサシン クリード ヴァルハラ』『ファークライ 6』『Horizon Zero Dawn』のランクインだ。いずれもオープンワールドゲームであり、広大なマップの探索が持ち味となるタイトルだ。マップ上には収集要素なども点在する。一方で、いずれのタイトルも難易度についてはプレイヤーが設定可能であり、メインストーリーの攻略情報が必要になることは比較的少ないかもしれない。やり込み要素の完遂を目指すプレイヤーが検索した結果のランクインとも考えられる。さらに『Fallguys』や『フォートナイト』といったPvPゲームもランクイン。初歩から上級者向けまで、さまざまなテクニックをプレイヤーたちが検索した結果だろう。

今回のUswitchの集計結果から、『エルデンリング』が「今年もっともプレイヤーを“当惑させた”ゲーム」と言い切れるかはやや怪しいところ。一方でランクインした作品に共通する、高難度・広大なマップ・探索要素・PvPといったすべての要素を本作が備えている点には注目したい。さまざまな要素と人気の大きさが重なった結果、本作は攻略情報検索回数1位を飾っているのだろう。『エルデンリング』の奥深く多彩なゲームプレイは魅力であると同時に、プレイヤーを困らせる要素ともいえるのかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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