イーロン・マスクが『エルデンリング』の自キャラビルドを公開。しかし海外メディアがこき下ろし

 

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が5月10日、『エルデンリング』における自身のキャラクタービルドを公開した。後日、海外メディアKotakuがこれに反応。苛烈な批判を繰り広げている。


イーロン・マスク氏は米テスラ社のCEO。世界有数の資産家であるほか、Twitterを中心に、SNS上での言動などでもしばしば注目を集める人物だ。最近では「日本はこのまま少子化が続けば消滅する」と懸念を示すツイートが取り沙汰されたほか、Twitterの買収に動き、440億ドル(約5兆7000億円)での合意に至り注目を集めた(Bloomberg)。

マスク氏はどうやらゲームも遊ぶらしい。同氏のTwitterアカウント上では『オーバーウォッチ』『BioShock』『Fallout』シリーズなどへの言及が見られる。また、過去には『アイドルマスターシンデレラガールズ』の輿水幸子のネットミーム画像を投稿してコミュニティを騒然とさせたり、『ニーア オートマタ』のファンアート無断転載を指摘され「Twitterアカウントを削除する」と表明するなどの騒動も起こしていた(関連記事1関連記事2)。

そして、マスク氏は最近では『エルデンリング』をプレイしているようだ。同氏は5月10日、「魔術使いのキャラビルドで困っている」と相談したTwitterユーザーに答えるかたちで、自身の『エルデンリング』キャラクタービルドを明かしている。マスク氏は、知力/技量ビルドであり、左手には盾を、右手には杖およびレイピアと爪を装備しているそうだ。ほかにも、「タリスマンを頻繁に入れ替える」「小ダメージを多数与えるのが重要」「遺灰による霊体召喚を使う」など同氏なりのポイントを伝えている。アドバイスも含むものの、あくまでも「マスク氏のビルドを参考にしたい」とのユーザーの声に答えたかたちだ。

しかし、海外メディアKotakuはどうしてもマスク氏のビルドが許せなかったようである。同誌は5月12日、上述のツイートを取り上げて同氏およびそのビルドを糾弾する記事を公開している。そもそもKotakuはマスク氏に批判的な立場を取っている。というのも、マスク氏はリベラルや左派およびポリティカル・コレクトネスなどに批判的な言動でもしばしば話題を呼んでいる。一方で、Kotakuはリベラル寄りの言説も多く投じるメディアである。つまり、同誌にとってマスク氏は宿敵ともいえる存在なわけだ。

Kotakuによるマスク氏への批判は苛烈だ。上述の記事のなかで同誌は、同氏の政治的発言などをあげつらい「50才なのに13才の少年のよう」と揶揄。「どのようなキャラビルドであれ、プレイヤーが『エルデンリング』を楽しめるのなら、それは良いビルドだ」と前置きしつつも、マスク氏のビルドを「恥ずべきビルド」であると断じ、長文にて問題点を分析している。

ビルド分析は、なぜかマスク氏の言動や経営方針への批判と渾然一体となりつつ記述されている。要点をかいつまむとすれば、「マスク氏のビルドやアドバイスは、焦点が定まっておらず複雑すぎる」と分析している。「遺灰による霊体召喚を使う」とのアドバイスついては正しいとしつつも、最後はテスラ社上海工場における過酷な労働環境に触れ、マスク氏への批判へと着地。同氏のビルドを「クソ魔術ビルド(shitty mage build)」と断じている。

また同記事タイトルでは、マスク氏を「巫女無し(Maidenless)」とも揶揄している。これは『エルデンリング』作中設定から派生したネットミームで、海外コミュニティを中心に広まっている。例えるなら、侮蔑語として用いる場合の“童貞”のようなニュアンスである。


マスク氏は一連の突飛な言動もあり、ある意味で自身がネットミームそのものとなっている。また同氏は軽率な言動も多く、批判を受けるのもやむを得ないだろう。しかし、『エルデンリング』におけるキャラビルドは、あくまでもプレイヤー個人の自由である。お騒がせなマスク氏とて、その点で批判を受けるいわれはないだろう。また、今回のKotakuによる記事では、マスク氏の「チョコミルクはとてもおいしい」との何気ないツイートまでも嘲笑の対象となっていた。筆者個人とてマスク氏の思想に共感するわけではないものの、チョコミルクはおいしいと思う。