『FF14』プレイヤーによる個人協賛競走「祖堅さん帰還記念特別」レースが大盛況に終わる。名物アナ実況によるフォーティーンハンドレッドメートルの戦い
『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)のサウンドディレクター祖堅正慶氏のガン寛解を祝し、11月20日に高知競馬場にて「祖堅さん帰還記念特別」レースが開催された。国内プレイヤーInary Kinchuck氏が協賛して命名されたレースは光の戦士の間で注目を集め、YouTubeでの配信を通じて多くのプレイヤーが観戦に興じたようだ。
本レースは、昨年ガンを患い、病床にてサウンド制作業務にあたっていた祖堅氏の寛解を祝して催された個人協賛競走だ。個人協賛競走とは個人がスポンサー料金を支払うことでレースタイトルを命名できるレースで、地方競馬でのみ開催できる。数ある地方競馬のなかでも高知競馬は実況の橋口浩二アナウンサーの粋なコメントに定評があり、アイドルや架空のキャラクターなどの記念日を祝う「痛レース」を催すにあたって特に人気が高い地方である。11月17日に高知競馬場で「祖堅さん帰還記念特別」レースがおこなわれることが競馬情報サイトに掲載されると、SNSでまたたく間に話題となった(関連記事)。盛り上がりは11月20日のレース本番まで続き、多くの光の戦士たちがYouTubeの中継を視聴した。
パドック中継が始まると、祖堅氏本人もTwitterでレースに言及。さらに、高知競馬公式チャンネルでレースと同時に生配信されている馬券予想・レース中継番組「ヨルノヲケイバ」では、出演者たちがそのツイートに反応した。出演者である競馬リポーターの大恵陽子氏は配信内で祖堅氏のツイートに触れ、「リツイートしちゃおう!」と自身のTwitterにて同ツイートをリツイートした。配信内では初競馬ながら観戦しにきたという『FF14』プレイヤーからのコメントも散見され、生配信ではそれらのコメントを丁寧に拾いつつ和やかにレース予想がおこなわれていた。
レース前には協賛コメントが読み上げられ、さらに橋口アナウンサーからコメントが添えられた。高知競馬の名物であり、このコメントに期待していたファンも多かったことだろう。『FF14』と祖堅氏の紹介のあとの「病床での痛みや不安に打ち克っての帰還、おめでとうございます」という言葉には、8月にうっ血性心不全で緊急入院し、9月に復帰したばかりである橋口アナウンサー自身の背景も重ねられていたのかもしれない。また、最新拡張ディスク「暁月のフィナーレ」がInary氏が協賛に名乗り出た当初の予定から延期されてしまったことにも、丁寧なフォローが入れられていた。コメントの最後は「終末に立ち向かう光の戦士からの協賛でした」と、12月7日発売の「暁月のフィナーレ」にちなんだ言葉で締めくくられていた。
愛のあるコメントで締められ、いよいよゲート入りかと思いきや、橋口アナウンサーはさらに粋な演出を用意していた。レースの概要を述べる際、1400メートルの距離を『FF14』にちなんで「フォーティーンハンドレッドメートル」と読み上げたのである。これには馬券予想をおこなっていた「ヨルノヲケイバ」のメンバーも感嘆の声を漏らし、洒落た言い回しにしびれた様子であった。
レース展開は一番人気の4番キラーマウンテンが1着、三番人気の7番ミッキーフォンテンが2着、2番人気の9番コトブキレイアが3着の結果となった。3連単でも1番人気だった組み合わせがそのまま着順となり、大番狂わせのない堅いレースだったと言える。なお、祖堅氏は馬券を外し、協賛者のInary氏は的中させたものの50円の赤字だったようだ。また、『FF14』にちなんで1-4の組み合わせにも人気が集まっていたようだが、こちらは残念ながらハズレの結果となった。
*祖堅氏のツイートに添付されている画像は、「第6回プロデューサーレターLIVEテスト放送」にて使用されたもの
国内プレイヤーInary Kinchuck氏の協賛により、祖堅氏のガン寛解を祝して開催された高知競馬の「祖堅さん帰還記念特別」レース。祖堅氏本人も触れたことや、実況の橋口アナウンサーの丁寧なコメントにより、『FF14』のファンコミュニティが大いに沸き立つレースとなった。世界の終末に立ち向かう『FF14』最新拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は、12月7日発売だ。
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