『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の「暁月のフィナーレ」におけるメインジョブ予定を回答する非公式アンケートの結果が発表された。アンケートは9月18日におこなわれた『FF14』公式生放送「第66回プロデューサーレターLIVE」(以下、「第66回PLL」)の配信直後にRedditで実施され、EthoC氏が集計をおこなったものだ。回答したプレイヤーの総数は2316人。
第66回PLLではジョブアクショントレイラーが公開されたほか、ジョブ調整関連の新情報が数多く発表された。11月23日発売の「暁月のフィナーレ」では2つの新たなジョブが追加され、既存のジョブにも新たなスキルの追加やメカニクスの刷新がおこなわれる。本アンケートは「暁月のフィナーレ」において、どのジョブをメインに据えたいかという回答を集めたものだ。新情報が発表されたタイミングでどのジョブが注目され、期待を集めているかが可視化されるアンケートである。
Redditではこれまでも同様のアンケートが大型拡張ディスク発売前に実施されている。本稿は「漆黒のヴィランズ」発売前におこなわれたアンケート結果と比較しつつ、今回のアンケート結果を読み解いていくものである。また、今回のアンケートは第66回PLLやジョブアクショントレイラーの公開直後におこなわれたものであることから、真新しかったり、派手なアクションが追加されたりしたジョブが票を得やすい傾向にある。あくまでRedditコミュニティにて寄せられた意見でもある。これらを念頭に置いてデータを見ていこう。
新ジョブのリーパーは大人気
アンケートで堂々の1位に輝いたのは、近接物理DPSとして新たに追加されるリーパーだ。両手鎌を武器とする『FF14』オリジナルジョブで、異界からアヴァターと呼ばれる存在を喚び出して自身とともに戦わせることができる。第66回PLLではプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が実機プレイを披露し、そのスタイリッシュな立ち回りに注目が集まった。
「漆黒のヴィランズ」前のアンケートと比較すると、リーパーはDPSロール内でかなりの人気を獲得している。DPSロール全体の希望者は全体の57.8%と前回比2.8%の増加にとどまっているが、近接物理DPSロールに絞ってみると希望者の割合は15%から26%と大きく増加しているためだ。これはDPSロールをメインにしている多くのプレイヤーがリーパーに惹かれている、とも言い換えられる。
リーパーを除いた近接DPSジョブはいずれも希望者が前回比1~2%ほど減少しており、侍はワースト1位となった。アンケート主であるEthoC氏は「侍をメインにしていたプレイヤーの多くから、『暁月のフィナーレ』ではリーパーをプレイしたいという声を聞いている」と語っている。設問の特性から見ても「やりたくない」ジョブが下位にくるというより「やりたい」ジョブが上位に来る傾向が強いため、侍が期待されていないというよりも、リーパーに期待が集まりすぎていると考えて差し支えないように思う。
賢者人気の一方、学者は振るわず
アンケート2位の賢者もまた、「暁月のフィナーレ」で追加される新ジョブだ。バリアヒーラーとして実装され、これにともなって『FF14』のヒーラーはピュアヒーラーとバリアヒーラーが2ジョブずつとなる。こちらも第66回PLLで吉田氏による実機プレイがおこなわれたが、ヒーラーという特性上あまり画面映えする動きは見られなかった。派手さでリーパーに及ばなかったためか1位には届かなかったものの、多くのプレイヤーが賢者の実装を楽しみにしているようだ。
一方で、賢者と同じバリアヒーラーである学者の希望者数はヒーラーロールのなかでは飛び抜けて少なく、ジョブ全体でもワースト3位の結果となった。全体の割合としては、前回の5%から3%まで減少している。要因としては新ジョブである賢者にプレイヤーが惹かれていったことや、第66回PLLにおける発表内容が挙げられるだろう。
学者には新アクションとして「パーティーメンバーの移動速度上昇バフ」が発表された。この新アクションは全ジョブの中で唯一の効果として注目されており、学者だけが持つバフとして光るものを備えている。しかし、かねてからユーザー間で議論されてきたプレイフィールの悪さについては特に言及されなかった。パッチ5.25時点でRedditでおこなわれたジョブ満足度調査で学者はワースト2位を獲得している(関連記事)。この調査でワースト1位となったモンクには度重なる改修が実施されてきたが、学者はパッチ5.55を迎えた今もジョブメカニクスは変わっていない。とはいえ、唯一無二のアクション実装が予告されているのは確かである。パッチ2.0時代からのバリアヒーラーの先輩として、賢者に負けない活躍を期待したい。
メカニクスがガラッと変わる召喚士が3位に
アンケート3位は召喚士だ。パッチ2.0に実装され、根強い人気のある遠隔魔法DPSだが、第66回PLLにて「新ジョブ」といわれるほどの改修が発表されたことでさらに人気が集まったようだ。これまではエギと呼ばれる小型版蛮神を喚び出していたが、「暁月のフィナーレ」からはイフリートやタイタン、ガルーダを蛮神そのものの外見のまま召喚可能となる。ジョブアクショントレイラーでのインパクトや吉田氏の実機プレイも話題となり、その盛り上がりが今回のアンケート結果に直結したものと言えよう。
主人公ジョブのナイトが4位
アンケート4位のナイトは、「暁月のフィナーレ」の主人公ポジションのジョブである。各種トレイラーでも主人公(プレイヤー)は剣と盾を携えた甲冑姿で登場し、前線に立って戦っている。ジョブアクショントレイラーでは最初にリミットブレイクを放ったのち、トリを務めるという花形ぶりを発揮。これまでの発表のどこを切り取っても頼もしさを感じさせるナイトが、「暁月のフィナーレ」への期待度のあらわれともいえる本アンケートで上位に食い込むのは納得の結果と言えよう。なお、ナイト以外のタンクジョブは11位~13位にきれいに横並びでランクインしている。
以上、非公式アンケートの結果から読み取れる、「暁月のフィナーレ」でのジョブ期待度について分析していった。グラフを見ていただければわかるとおり、アンケートでは4位までの得票数が多く、以降はなだらかに票数が減っていっている。新ジョブであるリーパーと賢者の人気は想定どおりだが、3位と4位は古くから『FF14』を支え続けてきた“古参”ジョブがランクインした。新生時代から続く「ハイデリン・ゾディアーク編」の完結に際し、期待度が高いジョブに新旧それぞれのジョブが選ばれたということに、味わい深さを感じられるアンケートとなった。新たなジョブやアクションが多数実装される『FF14』の大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は11月23日発売だ。
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