『FF14』の快進撃、非公式統計でも“著しい数字の伸び”が確認される。全キャラクターデータをもとにした「Lodestone国勢調査」の最新版にて


スクウェア・エニックスの運営するMMORPG『FINAL FANTASY XIV』(以下、『FF14』)が、ここ半月ほどで海外を中心にユーザー数を劇的に伸ばしていることは、弊誌でも何度か報じているとおりである。Steam版の同時接続数ピークは7月5日に過去最高値だった4万8697人を記録して から連日更新を続けており、7月18日には6万7148人という数字を叩き出した。その背景には海外の有名ストリーマー・Asmongold氏を中心とした『World of Warcraft』から『FF14』への大移動が挙げられ(関連記事)、『FF14』のRedditでも連日『World of Warcraft』からの移動をネタにしたスレッドが立ち上がっている。

Redditより


Steam同時接続数ピークの値はゲームの人気を数字で見るためによく使われるが、『FF14』に関して言えば、Steam版はあまり人気のあるプラットフォームとは言えない。『FF14』は大きくPC版とPlay Station版(PS4版、PS5版)に分けられ、PC版の中でもWindows版、Mac版、Steam版が存在する。Steam版はゲームのパフォーマンス自体に大きな問題はないが、起動にSteamランチャーを介する手間や、月額や課金アイテムの決済手続きが煩雑なこと、コレクターズエディション(ソフトに加えてゲーム内アイテムの特典が付くパッケージ)がないことなどから、ユーザーの間ではやや敬遠されているプラットフォームだ。『FF14』のSteamストアページをご覧いただくと、利便性の低さを指摘するレビューが散見されることがおわかりいただけるだろうか。
【UPDATE 2021/07/19 20:23】
Steam版の決済方法についての記述を修正

人気の指標となる数字が見やすいSteamだが、『FF14』に関していえば、Steam版プレイヤーは全プレイヤーのなかでもほんの一握りにすぎない。先日は『FF14』Windowsダウンロード版がまさかの“品切れ”となる事件(関連記事)が起きたものの、具体的なWindows版の接続数まではわからない。それでは、全プレイヤーを対象とした具体的な統計を見るにはどうしたらいいのだろうか。そこで非公式統計の出番というわけだ。

SteamDBの記録(7月19日現在)


幸運番長氏は2010年の『FF14』サービス開始以来、長年にわたって『FF14』プレイヤーの統計調査をおこなってきた。7月18日、同氏は自身のブログにて「Lodestone国勢調査」を更新。『FF14』公式プレイヤーズサイト「The Lodestone」から収集できるプレイヤーデータをもとに、最新のアクティブキャラクター数やプレイヤーのコンテンツクリア状況などを可視化した。

幸運番長氏の調査によると、『FF14』の現在のアクティブキャラクター数は120万人。4月11日に公開された前回調査と比較して25万人増加している。前々回(2月7日)から前回のアクティブキャラクター数の増加が5万人であることからも、ここ数か月で『FF14』のプレイヤー数が急激に伸びていることがわかるだろう。また、前々回の調査はパッチ5.4、前回の調査はパッチ5.5が公開されたタイミングのものである。新しいコンテンツが追加されたタイミングよりもプレイヤー数が伸びているということで、やはり海外の有名ストリーマー・Asmongold氏の影響はすさまじいようだ。

「Lodestone国勢調査」ではアクティブキャラクター数のほかにも、最新高難易度コンテンツ「希望の園エデン零式:再生編」の踏破状況や、特殊フィールド探索コンテンツ「南方ボズヤ戦線」への参加状況などが掲載されている。抽出されたデータもGoogleスプレッドシート形式で公開されているため、気になる方は目を通してみると良いだろう。なお、次回の「Lodestone国勢調査」更新は暁月のフィナーレのリリース直前を予定しているそうだ。ただし、あくまで非公式な統計データであることはお忘れなく。

これまで弊誌で『FF14』の人口増加について語るにあたり、「コンテンツ追加がなく、プレイヤーたちが暇を持て余している時期」というような表現を何度か用いてきた。レベリングも高難易度コンテンツも何もかもをやりつくしたプレイヤーにとっては、もしかすると退屈な時期といえるかもしれない。しかし、これから『FF14』をはじめるのであれば、実はこれほど適したタイミングもないのである。

『FF14』はMMORPGだ。ソロでも十分に遊べるようにマッチングシステムが整備されているが、いきなり知らない人と遊ぶのは緊張する、という方もいるだろう。前述したように、いまはベテランプレイヤーが暇を持て余している時期。初見ダンジョンの探索や初めての高難易度コンテンツチャレンジなどのお手伝いをお願いすれば、喜んでついてきてくれる先輩方も多いことだろう。誘われているが一歩踏み出せない、という方は特に、この波に乗って『FF14』の世界をのぞいてみてほしい。もちろん一人で乗り込んで、ゲーム内で頼れる先輩を見つけてもいい。

『FF14』はPC/PS4/PS5向けに発売中だ。この快進撃がどこまで続いていくのか、目が離せない。


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