『Apex Legends』ホライゾン強すぎ問題に開発者が反応。なぜ戦術より先にブラックホールを弱体化したのか
『Apex Legends』において新世代の強キャラクターとなったのが、重力を操る科学者ホライゾンだ。シーズン7における実装直後から人気は衰えることなく、ピック率・勝率ともにトップを走り続けている。リリース時よりやや強力なレジェンドとしてデザインされていたものの、その覇道ぶりには開発チームも徐々に手を加えはじめている。
今年の1月から2月にかけて、戦術アビリティ・グラビティリフトのクールタイムが16秒→21秒→25秒と徐々に増加。また最新のパッチノートにおいては、アルティメットアビリティのブラックホールにおけるクールタイムが2分→3分に増加することが明かされている。ホライゾンの性能はまだ過渡期といったところで、彼女の調整にまつわる議論は絶えない。3月6日のパッチノート公開直後もさまざまな意見が寄せられ、開発者からも反応が寄せられている。
ホライゾンの議論が盛んになったのは、もともと海外掲示板のRedditにてジブラルタルの調整について意見が交わされていたスレッドだ。「ジブラルタルの勝率はホライゾンに次いで2位」と開発スタッフから明かされたことで、話題の矛先が彼女に向かった。あるユーザーからは、ホライゾンの現状の強さに対し今回の弱体化は程度が軽すぎるのではないかと苦言を呈されている。ライフラインやワットソンのようにパッシブ:小柄を付与するなど、大幅な変更を加えた方がいいのではないかとの意見が寄せられた。
これに対して反応を返したのが、レジェンドのバランス担当を担うスタッフのひとりDaniel Zenon Klein氏である。今回のナーフが微量すぎるのではないかとのツッコミに対し、「まだ大規模な弱体化の準備が整っていないため」と説明した。さらに続けて、確約はできないとしつつも、シーズン9にはより大きな弱体化が実施される予定だと明かしている。
また別のユーザーからは、「アルティメットアビリティが問題として捉えられているようだが、本当に改善すべきは戦術アビリティなのではないか」との指摘も入った。これに対してもKlein氏が回答を寄せており、開発チームとしても真の問題点が戦術アビリティの強力さであることは把握済みだとコメント。先述のとおり、あくまで直近に実行可能な施策としてブラックホール弱体化を実施したと説明した。さらにKlein氏は別のコメントで、ホライゾンの戦術アビリティに関する問題点を分析。あっという間に戦場に飛び込み、猛攻を仕掛けたあと反撃の間を与えずに離脱してしまう、強力すぎる機動力の高さを課題として捉えている。今後この状態は改善するとしながらも、開発にはまだ時間がかかるだろうとの旨を伝えた。
ホライゾンの調整については、すでに別のレジェンドバランス調整デザイナーJohn Larson氏も言及したことがある(関連記事)。弱体化する上で重要なのは、ホライゾンのプレイフィールを損なわないままどうやって力を削いでいくかということ。戦術による無重力浮上とパッシブによる着地効果軽減のシナジーなど、すでに所有している能力セットを作り替えることは考えがたいとの姿勢を示していた。同時にグラビティリフト単体では、上昇速度・離脱時の加速度など調整可能な項目がいくつかあるとし、長期的なテストを重ねて改修を進めていきたいとしていた。
強力なレジェンドは常に議論がつきもの。かつて絶対的な強キャラクターの位置に君臨してきたレイスも、粘り強い調整を重ねて徐々に勝率が落ち着いてきたとの報告がある(関連記事)。ホライゾンもまだデビューから1シーズンちょっと。今後時間をかけて、暫時バランスが取られていくのだろう。