『FF14』イシュガルド復興の職人ランキングが終了。上位に食い込んだクラフターに激戦の感想を聞いた

『ファイナルファンタジーXIV』第2回職人ランキングの集計期間が9月18日の15時に終了し、10日にわたる戦いの結果が発表された。10日間の激戦を戦い抜いたプレイヤーの生の声を訊いてみた。

『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)第2回職人ランキングの集計期間が9月18日の15時に終了し、ギャザラー・クラフターたちの10日にわたる戦いの結果が発表された。9月8日のパッチ5.31でアップデートが行われたギャザラー/クラフター向けエンドコンテンツ「イシュガルド復興」(関連記事)。そのコンテンツのひとつである職人ランキングは、採集・製作アイテムを納品することでクラスごとに「技巧点」というポイントを獲得し、その累計点をワールド内で競うものである。


集計期間中、ランキングは毎日18時頃に更新された。ワールドやクラスによっては桁違いの点数を叩き出す猛者もおり、どのクラスでランキングに挑むかの選択や、ライバルはどの程度の点数を稼いでくるかの読み合いといった心理戦も展開されていたようだ。筆者自身も復興FATEの参加などでイシュガルドの蒼天街に赴いた際、ひたすら採集や製作に勤しんでいるプレイヤーを見かけることもあり、イシュガルド復興というコンテンツの盛り上がりを感じていた。

弊誌AUTOMATONでは、とあるワールドでクラフターの12位以内にランクインしたプレイヤーに話を聞くことができた。10日間の激戦を戦い抜いたプレイヤーの、今回の職人ランキングにおける生の声を伺ってみよう。


――職人ランキングに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

ワールド内で順位をつけられるとなると参加せずにはいられませんでした。知り合いのプレイヤーも何人か復興の熱気に流されて参戦し、ランキングを見て「これはいけるんじゃないか」という欲に飲まれていっており、同じ気持ちを抱く人はたくさんいるのだなと思いました。

――『FF14』ではゲーム内でランク付けされるコンテンツはあまり多くありませんが、それでも「順位」という言葉に燃える方はたくさんいるのですね。ちなみに、前回の職人ランキングでの成績はどれくらいでしたか?また、今回の目標はどのくらいに据えていましたか?

前回も12位以内でした。前回は職人ランキング自体が初でしたし、どのくらいの技巧点が稼げるのかもわからなかったので手探りでの参加でしたね。でも、今回も同じ調子で納品していけば12位以内には入れるだろうとは思っていました。とはいえ、参加した当初は実は目標をあまり決めていなくて……前回同様12位以内に入れたらいいなと思いつつ、いけそうだったら1位も……くらいに考えていたのですが、気が付いたらトップを狙って走っていました。

――今回の職人ランキングではプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏からのコメントで、「ランキング上位報酬のアチーブメントは前回の職人ランキングと別のものにするが、称号自体は同じものにする」ということが事前告知されていました。この告知は職人ランキング参加のモチベーションに影響しましたか?

自分の場合はランキングそれ自体がモチベーションだったので、まったく影響しませんでした。称号だけでなくアチーブメントまで前回と同じものだったとしても、勝負に行くという意味で同じように参加していたと思います。自分の周りの反応を見ても、告知を聞いて参加を取りやめるような人はほとんどおらず、称号やアチーブメントについての発表でモチベーションが左右された人は少なかったように感じました。

――過去2回ランキングを戦い抜かれたとのことですが、今回と前回で雰囲気の違いや心構えの変化などはありましたか?

前回ランキングの様子から、途中経過を見る際に「ため込み(※)がある」のを前提として他プレイヤーの累積技巧点を意識するようになりました。キリのいい数字(10万ぴったりやゾロ目など)を納品している人はほぼため込みをしている、と確信していたように思います。そういった高度な情報戦を交えた読み合いも発生していたように感じました。それから、今回初参加の方は日が経つにつれてどんどん衰弱から強衰弱のデバフをつけていっていたので、自分もランキング走者でありながら彼らを応援するような気持ちもありました。前回自分たちが通った道なので……。

ため込み 納品アイテムをあえて手元に残すことで途中発表の技巧点を低く抑え、他のランキング参加者を揺さぶるような心理戦をしかけるプレイヤーも多くいた。

――初参加の方と2回目の参加となる方では心構えなども異なってきたでしょうね。ちなみに、今回はどれくらいの準備をしてランキングに臨みましたか?

納品アイテム製作作業に関わるステータス上げとして、装備のフル禁断は当然のこと、製作用の食事や水薬、製図用紙などの消耗品を大量に用意しました。また、所持品を整理してアイテム所持枠を増やしておきました。納品用アイテムを1つ作るのに膨大な数の素材が必要となるので、インベントリがいっぱいだと素材を確保するだけで所持枠が圧迫されてしまいます。そうなると、納品用アイテムをこまめに納品しなければならなくなり、結果として作業時間が減ってしまうので注意しました。

――なるほど。ちなみに、その事前準備に不足はありましたか?ランキングが始まってから気付いた、「あれをやっておけばよかった」という後悔はありますか?

消耗品集めが甘かったですね。食事は効果時間の延長込みで1つあたり40分はもちますが、水薬は1つにつき15分、製図用紙は1つの製作で最大3つも消費するので、事前に準備した数では足りなかったです。そうなったらその都度補充をしていたので、その時間のロスが多かったのも悔やまれます。それから、勝負が激戦となる後半は特に、仕事の休みを計画的に取っておけばよかったなと思いました。

――後悔が残る部分もあったとはいえ、かなりの準備をして挑まれたようにお見受けします。そうして挑んだ職人ランキングで苦しいと感じたエピソードや、逆に楽しかったエピソードはありますか?

納品アイテム製作である高難易度クラフトは通常の製作とは異なり、製作アイテムの状態に応じて適切なスキルを選択する必要があります。マクロは使えず完全に手作業となるので、少しでも動きを止めたりうっかり寝たりしたら、当然その分だけ時間あたりの得点は落ちていきます。集中し続けることはもちろんながら、システムで自動的に連続採集ができるギャザラーと異なりクラフターは手を止められる時間が少ないので、チャットで雑談できる時間があまりなかったのがきつかったですね。

ですが、ランキングに参戦しているフレンドと泣き言を言い合いながらも、少しでも手を止めたり休憩したりしようものなら叱咤激励を飛ばしあう時間はとても楽しいものでした。一緒にマラソン走り切ってゴールしようね、の感じに似ていて、ちょっとした青春っぽさもありましたね。あとは終盤、ライバルからの追い上げを食らったときに「それでも俺たちは頑張ってるよな」と励まし合うようなやり取りでしょうか。このあたりは、参戦した人たち同士でないと分かち合えない部分があったと思います。

――苦しくも楽しい思い出となったご様子の復興ランキングですが、次回があったときは参加したいと思いますか?

第二回、第三回と参戦したので、さすがにもういいかな……と思っているのですが、やはり12位以内には入りたいですね。今度はのんびりやろうと思います。

――最後に、次回ランキングに参加しようと思っている方へ伝えたいことがあればお願いします。

次回の職人ランキングがあったとして、それがどの程度の厳しさになるのかはまったく予想できませんが、ランキングを走るためのモチベーションはしっかり用意したほうがいいと思います。順位をつけられる以上、他者との戦いになるのは必至ですので。あとは、イシュガルド復興をしたい、楽しみたい気持ちがあれば走り抜けられると思います。自分の貢献で蒼天街が復興して変化していく様子はとても楽しいので、頑張ってほしいなと思います。


インタビュイーが最後に話していたように、復興ランキングの納品用アイテムは住宅用のドアや商業施設用の作業台など、イシュガルドが今後復興していくにあたって必要としている物資がラインナップされている。復興FATEが発生するごとに街の外観が変化していくこともあり、イシュガルド復興は自分たちの手で街が復興していくのを実感できるコンテンツなのだ。戦乱でボロボロになった都市が冒険者たちの助力を受けて少しずつ前へ進んでいく。そして我々は、その歴史の1ページを1プレイヤーとして刻む。職人ランキングは終了したが、イシュガルドの復興はまだまだ続いていく。あなたのワールドの蒼天街はいま、どんな風景でそこにあるだろうか。


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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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