『サイレントヒル』コナミの意味深ツイートにネット沸くも、爆速で否定される。謎めく“公式アカウント”の存在


コナミデジタルエンタテインメント(以下、コナミ)が発売してきたホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズは根強い人気を誇り、今年は『Dead by Daylight』におけるコラボレーションがユーザーを沸かせたのも記憶に新しい。一方ファンからの期待が高すぎるあまり、「コナミがソニー・インタラクティブエンタテインメントと共に『サイレントヒル』新作を開発している」というデマが流れコミュニティを混乱させた一幕もあった(関連記事)。そして今月、またしても同シリーズにまつわるひと騒動があったようだ。

コナミの海外向け公式Twitterアカウントが意味深な投稿をしたのは、8月1日のことだった。同アカウントは「目を閉じて。いつだって恐ろしい。サイレントヒル2のサイレン」という文言とともにGIFを添付。『サイレントヒル2』内の象徴的なサイレン音だけが響きわたる、真っ黒の動画が投稿された。ツイートは2700以上のリツイートと7000以上のいいねを獲得し、大いに注目を集めることとなる。


なぜ、やにわに『サイレントヒル』絡みのツイートが投稿されたのか。当然ファンはシリーズにまつわる重大発表の伏線ではないかと浮き足立った。ところが事態は思わぬ展開となる。コナミのアカウントが間もなく、ネット上の議論を否定するツイートを投稿したためだ。「インターネットのみなさん、落ち着いてください。私たちはDead by Daylightの配信を見ていて、あの音と狩られている感覚を共有したいと思ったのです。ツイートを取り下げて“バックペダル”を踏みはしません、ただ楽しんでもらいたかっただけです」。

発端のツイートが投稿されたのが日本時間で午前4時53分、次いで否定のツイートが午前4時59分。反響が沸き起こってからわずか5分強での対応は異例のスピードといえるだろう。さらに30分程度間を空けて、今度は謝罪のツイートが投稿された。「気分を害された方は申し訳ありません。公式のあらゆる情報およびイベントその他につきましては、こちらではなく@SilentHillから発信されます。私たちはただのファンであり、音や記憶を楽しんでいただけです。みなさん申し訳ありません、金曜日の気分を台無しにするつもりはありませんでした」。


これまで何度も噂に踊らされてきたファン界隈だが、今回は公式が迅速に火消しを行ったことで落胆が広がっている。一方、「まだ何かあるのではないか」と疑う向きもあるようだ。その理由はコナミ公式アカウントが名前を挙げた「@SilentHill」アカウントの存在にある。「Silent Hill Official」を名乗るこのアカウントは今年の7月上旬に作成されたばかりで、Twitterの公認バッジもついていない。いかにも“偽物っぽい”作りだが、曲がりなりにもコナミ公式が名指ししたからには一定の信頼性を認めねばならないだろう。このタイミングでアカウントが作成されたことで、新展開に期待が寄せられているのだ。

ファンの間では@SilentHillについてさまざまな考察が行き交っている。あるユーザーは、同アカウントのフォロワーに『サイレントヒル1/2/3』でアートディレクションを務めた伊藤暢達氏の名前があることに注目した。伊藤氏が携わる新作が出るのはないか、といった推測があるのだろう。しかし8月3日早朝には伊藤氏本人が@SilentHillとの関与を否定する旨を投稿している。先方よりフォローされたため、伊藤氏もフォローバックしたに過ぎないという。


「公式っぽい」Twitterアカウント発掘による新情報のリサーチはここ最近のトレンドとなっている(関連記事)。まして今回は信頼のおけるコナミ公式アカウントから指名されていることもあり、嫌でも期待が高まっているのだろう。一方、企業側としては単にアカウント名をキープする目的で作成している場合もある。本当に『サイレントヒル』シリーズに動きがあるかどうかは、座してコナミの発表を待つよりほかないだろう。