インディースタジオのEasy Day Studiosは7月28日、スケボーゲーム『Skater XL』をSteamにて正式リリースすると共に、PS4/Xbox One版を配信開始した。本作は、ゲームパッドの左右のアナログスティックを操作してトリック(技)を出す、いわゆるリアル系のスケボーゲームで、実在のスケートスポットを擁するマップでのスケーティングを楽しむことができる。
そんな本作であるが、一部のコミュニティではとある実績に注目が集まっている。解除するには、なんと2700時間はかかるのではないかと見られているためだ。
実績とは、特定の目標をこなすことで解除できるシステムのことであり、SteamやXbox One、PS4(トロフィー)などのプラットフォーム側の機能として、ゲームと連携する形で用意されている。本作においては、現時点ではSteam実績には対応していないが、コンソール版には存在する。そして、問題の実績は「Around the world」と呼ばれるもので、解除条件は「Travel over 40.075 km in total」と設定。つまり、累計で40.075km移動すれば解除できるとされている。
ここでまず気になるのは、「40.075km」をどのように解釈するかだ。日本人なら40kmと75mと読み取るだろうが、国によっては桁の区切りにコンマではなくピリオドを使うため4万75kmとなり、両者には1000倍もの違いがある。そしてコミュニティの解釈は、後者の4万75kmである。その理由のひとつは、「Around the world」という実績名からは地球一周分の距離を想起させ、実際の地球の極周長は4万75kmであるため。
もうひとつの理由は、Xbox One本体で確認できるこの実績の進行状況である。本作はまだ発売されてから間もないが、現時点でこの実績を解除しているプレイヤーは0.00%、つまり誰もいないのだ。また、筆者も本作をしばらくプレイしてみたが、実績解除までの進捗を表すパーセント表示はピクリとも動かず0%のままである。
TwitterユーザーのPatrick Maka氏は、時速15kmで走行すると仮定した場合、4万75kmを走破するには約2700時間かかると指摘。日数になおすと112日ほどぶっ続けで走り続けて、やっとこの実績を解除できる計算となる。仮に40kmと75mだとした場合、時速15kmなら2時間半程度で解除できる。もしこちらだったら、既に解除しているプレイヤーが何人もいるはずだろうし、数十分もプレイすれば上述の進捗も進むはずだ。
解除までに約2700時間もかかると知った実績コミュニティでは、途方に暮れる人もいれば、こういった膨大な時間がかかる実績に対して不満を述べる人もいる。全体からすると数は多くはないが、時折そうした実績が設定されたタイトルが登場するため、またかという想いのようだ。
たとえば『スーパーボンバーマン R』では、爆弾を100万回使ったり、ブロックを100万個破壊するといった、非常に時間がかかると“悪名高い”実績が存在。『Car Mechanic Simulator』でも、ボルトを50万個外したり、1万個のパーツをチェックしたり、あるいは1万曲の音楽を聴いたりといった解除条件の実績があり、こちらも時間がかかる。『Prominence Poker』には10億ドル稼ぐという、1000時間以上はかかる実績があるという。『The Stanley Parable』に至っては、“5年間プレイしてはならない”という条件のものがある(関連記事)。
また最近は減ってきたようだが、かつてはオンライン対戦で何千、何万回ものプレイを求める実績のあるタイトルもいくつか存在した。そのほか、単純に難易度が高かったりランダム性が高いなどで、結果的に時間がかかる実績も。実績に対する価値観は人それぞれではあるが、解除にやたらと時間がかかる実績はコミュニティにとっては悩みの種となっている。
『Skater XL』の「Around the world」に話を戻すと、どうやら累計4万75km移動するという解除条件で間違いない模様。ただコミュニティの人々は、約2700時間もかけずに解除できる方法はないかと試行錯誤しており、現時点では床をすり抜けるバグが有望視されている。すり抜けて落下し続けることで距離を稼ごうというわけだ。ずっと操作している必要もない。もちろん、地道に走行して達成することを目指すプレイヤーもいることだろう。
『Skater XL』は、PC(Steam)およびXbox One向けに国内配信中だ。