『マインクラフト』販売本数「2億本」突破。発売から11年経過も、公式・コミュニティ展開が加速し続けるゲーム業界の怪物

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昨日5月18日、『マインクラフト』はアルファ版がリリースされてから11周年を迎えた。これと同時に、マイクロソフトと開発元のMojang Studios(元Mojang)は本作における最新の販売規模を発表している。アナウンスによれば、全バージョンを合算した累計販売本数は2億本を突破。月に1億2600万人ものユーザーにプレイされているという。特に本作のプレイ人口は新型コロナウイルス感染拡大の状況下において大きく増加したそうだ。マイクロソフトによれば、先月の新規プレイヤー数は25%増加した。またマルチプレイヤーセッションは40%の増加が観測されたという。本作は2016年に1億本の売上を達成したばかり。以来その勢いは衰えることがなく、2019年にYouTubeが発表した「もっとも視聴されたゲーム」ランキングでは1022億再生という数字でトップに君臨している。


本作が11歳を迎えるのに合わせて、デベロッパーのMojangはスタジオ名を改めて「Mojang Studios」とすることを発表している。ストックホルムで小さな会社としてスタートしてから現在に至るまで、複数のタイトル・複数の地域にオフィスがある規模にまで拡大したことをを意識してのことという。今月26日に発売を控える『Minecraft Dungeons』(関連記事)のほか、2022年3月4日に海外公開が予定されている長編映画や、「大規模な生配信イベント」にまつわる準備を進めていることなど、新スタジオロゴとともに意欲的な活動の継続をアピールした。

またMojang StudiosのスタジオヘッドであるHelen Chiang氏は、アニバーサリーに寄せてXbox Wireにてパンデミックにおける『マインクラフト』の役割を語った。たとえば3月24日から無料配布が始まった『Minecraft Education Collection』は、生徒のリモート学習をサポートする教育コンテンツ集だ(関連記事)。対応言語は英語のみで、6月30日まで無料で入手できる。3月24日以来、すでに5000万本以上がダウンロードされているという。また国連開発計画 (UNDP)と提携を始めたことに触れ、SNSにおけるWHO関連の情報発信や、『マインクラフト』を用いた感染症拡大シミュレーション「Blockdown Simulator」(関連記事)による啓発活動なども継続していることを伝えている。


このほかChiang氏は、コロナ禍において現実のイベントを『マインクラフト』内にもちこむ多くの動きにも触れた。たとえば3月に日本の小中学生が手作りしたことで話題になったバーチャル卒業式(関連記事)がそのひとつだ。ほか、5月5日には韓国の文在寅大統領とその夫人が、『マインクラフト』を使って子どもの日を祝う動画を公開している。これは例年子どもの日に児童らを官邸に招待し、大統領自ら祝福する行事をバーチャルに実施しようと試みたもの。大統領官邸を再現したマップも自由に探索できるように配布されている。さらに直近のニュースとしては、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)の学生が5月16日に行った学位授与式が挙げられる。これは学生らが大学のキャンパスを『マインクラフト』上で「ブロックレー校(Blockeley)」として再現し、巨大なスタジアムで卒業式を実施したというもの。学長のCarol Christ氏や副学長のMarc Fisher氏だけでなく、Mojang StudiosのチーフブランドオフィサーであるLydia Winters氏も式辞を述べた。バーチャルキャンパスではその後、16日から17日にかけて67組ものアーティストを迎えた音楽フェスも催された。


Chiang氏は「2020年は信じられないほど挑戦的な年ですが、成長し続ける熱いプレイヤーとクリエイターの世界的コミュニティを『マインクラフト』が鼓舞し、つなぎ続けていることを誇りに思います」とコメント。「素晴らしいコミュニティの支えなくしてこれらは実現できませんでした。ありがとう!」とファンへの感謝の言葉で締めくくっている。世界情勢の追い風も相まってますます成長と続ける『マインクラフト』が、今後どのような展開を見せるのか期待したいところだ。

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