『Dead by Daylight』パーク「破滅」弱体化。そして湧き上がる調整理由への疑念

Behavior Interactiveは本日1月7日、『Dead by Daylight』の殺人鬼「ドクター」とパーク「破滅」を弱体化する旨を記したデザイナーノートを公開した。止まらない殺人鬼のナーフは、ついに破滅へと至ることになる。

Behavior Interactiveは本日1月7日、『Dead by Daylight』の殺人鬼「ドクター」とパーク「破滅」を弱体化する旨を記したデザイナーノートを公開した。昨年から立て続けに行われている殺人鬼陣営の弱体化は、年を跨いでもなお継続され、遂には多くの殺人鬼ユーザーが使用しているパーク「破滅」にもその魔の手が伸びることとなる。そして昨年末に予告されていた殺人鬼ドクターのリワークと称した弱体化の詳細もあわせて紹介したい。

 

破滅の弱体化経緯と変更後

正午時点でTwitterトレンドに「破滅ナーフ」がランクイン

今回の突然すぎる「破滅」弱体化の発表は、殺人鬼「ナース」弱体化が決まった際と同様に、Twitter上で「破滅ナーフ」というキーワードでトレンドとなった。

公開されたデザイナーノートにて破滅弱体化の経緯が説明されているが、その説明は一貫性がなく首をかしげるものとなっている。Behavior Interactiveは、以下の3点が破滅がもたらすフラストレーションだと考えているようだ。

1. スキルチェック:グレイトを出せない初心者プレイヤーにとって苦痛であること。初心者プレイヤーは発電機を直そうとすることでベテランを支援しようとしがちですが、状況を悪化させてしまうこと。
2. 生存者に与え続けられるプレッシャーの度合いが殺人鬼側の労力やリスクに見合わず非常に大きいこと。
3. スキルチェックの出現率によって効果が一定でないこと。

1つ目の理由として挙げられている、スキルチェックの難易度が上がる点について。筆者も経験があるため分かるが、これを力業で克服しようとする、つまり慣れるまで練習するというのは時間がかかるもので、ここにフラストレーションを感じることは理解できる。しかし、破滅が存在するということはマップ上のどこかに呪いのトーテムが存在するため、スキルチェックが難しい場合はトーテムを探し破壊すれば良いという明確な答えが用意されている。仮にこの点に初心者プレイヤーが気付かないとするならば、それはゲーム側がチュートリアルを用意し解決すれば良いだけではないだろうか。実際のところ、トーテムに関するチュートリアルは存在しないため、初心者プレイヤーの中には、マップ上に存在するトーテムが何の意味を持っているのかを理解していない者も少なくないはずだ。また小技ではあるが屈伸修理(発電機を少し触り、スキルチェックの判定が行なわれる前に手を放す技)といった対策も存在することも付け加えておきたい。

そしてもう1点、揚げ足を取ってしまうようだが、このゲームにはランクシステムが存在するため、“マッチングが正常に機能しているならば”初心者は初心者同士で、ベテランはベテラン同士でマッチングするはずだ。そのことを差し置いて、さぞ当然のように「初心者プレイヤーは発電機を直そうとすることでベテランを支援しようとしがち」と説明をされても、簡単には納得できない。またレッドランクの80%以上の試合で破滅が採用され、マッチ全体では45%採用されているというデータから上位ランクでは破滅の採用率が高いが、他ではそうではないことが分かる。にも関わらず初心者プレイヤーにとって苦痛であるという見方をしていることから、Behavior Interactiveは集計したデータに独自の見解を持っているようだ。

2点目について、バランス調整の理由として説明する際にもっとも適しているのではないだろうか。だがこのゲームは非対称対戦ゲームで1人の殺人鬼と4人の生存者で対戦している以上、殺人鬼の1つ1つの能力は生存者のものよりも強力である方が適切だと言えるため、この2点目に挙げられた理由が腑に落ちるかどうかは、これまでBehavior Interactiveのバランス調整方針をどう捉えてきたかで変わるだろう。

3点目については、生存者にとって有利に働くこともあれば不利に働くこともあるため、破滅を弱体化するための説明としてはやはり首をかしげるものだ。そして、弱体化された破滅の効果は次の効果に変更される。

すべての発電機が”呪術:破滅”の影響を受ける。発電機が修理されていない状態であるとき、修理進行度が常に通常の発電機破壊の1/1.5/2倍の早さで自動的に後退し続ける。呪いの効果は、紐付けられた呪いのトーテムが残っているかぎり持続する。

補足しておくと、発電機が破壊され自動的に後退する速度は、生存者が1人で発電機を修理する速度の4分の1だ。そして当たり前だが、以上の新しい破滅の効果は呪いのトーテムに紐づけられているため、トーテムが破壊されれば効果も削除される。

以上の調整が本実装された日には、破滅をゲーム内で見かけることは無くなることだろう。代替案としては、同じくマッチ序盤の遅延に有効なパーク「堕落の介入」をおすすめしたい。

 

殺人鬼ドクター弱体化、放電にクールダウン発生

昨年末に公開された開発チームQ&A生放送の質疑応答をまとめた記事にて、かねてより告知されていた殺人鬼ドクターの調整方針が明らかになり、この度のデザイナーノートにて詳細が明らかになった。ドクターの調整は殺人鬼フレディのような根本的なリワークではなく、殺人鬼ナースのような弱体化をイメージすると分かりやすい。以下が変更点をまとめたものだ。

・放電フィールド、治療モード削除
・電撃を放つアビリティ名称が“放電爆破”に変更、効果範囲が脅威範囲内全体に
・放電爆破にはクールダウンが存在する。開発チームQ&Aでは60秒、デザイナーノートでは長時間のクールダウンとある
・放電爆破による狂気度の上昇度合いは不確定。開発チームQ&Aでは強制的に1段階、デザイナーノートでは一定量と説明
・狂気状態から正気に戻る場合、スキルチェックに失敗した際のアクションの進行度が100%減少→25%減少に
・ウルトラレアアドオン“玉虫色のキング”疲労効果を削除、代わりに狂気状態でのスキルチェックの針が逆回転する効果を追加
・ウルトラレアアドオン“玉虫色のクイーン”追加。電撃を受けた生存者が帯電するようになり、1度だけ他の生存者の4m以内に近づいたときその生存者を感電させ叫び声を上げさせる

現在明かされた調整内容は以上だ。パーク「破滅」、殺人鬼「ドクター」の弱体化はいずれも変更予定とされているもので、PTB期間を経て本実装が行われる。コミュニティでもかなり懐疑的な目線をむけられている調整となっているが、調整内容に変更が行われる可能性もあるため、今は続報を待ちたい。

 
Tadashi Harao
Tadashi Harao

対人ゲームが好きです。初めて遊んだ対人ゲームはMGO、熱中のあまり息切れ起こしながら遊んでました。

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