『Dead by Daylight』日本チャプター「呪われた血統」実装。“鬼”登場と共に弱体化など、重要ポイントをみっちり解説
Behavior Interactiveは12月4日、『Dead by Daylight』14番目のチャプターとなる「呪われた血統」をリリースした。本チャプターには日本をイメージした新たな殺人鬼「鬼」と生存者「木村結衣」の2種類のキャラクターと、追加マップ「怒りの聖所」が含まれる。また事前に告知をされていた殺人鬼「スピリット」「リージョン」のバランス調整、そしていくつかのパークの効果変更も行われた。
‟鬼”登場、と共に弱体化
今チャプターで追加された殺人鬼「鬼」は、山岡家が呪われた家系であると言われた所以にもなったキャラクターとして位置づけられている。名は「山岡崋山」。彼は侍の文化が廃れていくことを止めるべく、エセ侍を名乗る農民を殺し、家名を侮辱した領主をも殺したが、その途中自分を止めるべく立ちはだかった父親をも殺してしまい、殺人気として人の道から外れてしまった。
『Dead by Daylight』の世界では、その残虐な鬼が持つ背景がそのまま彼の能力として反映されている。能力やパークの詳細については公式フォーラムもしくはゲーム内で確認できるため、ここでは実際の使用感などについて触れていきたい。余談だが、殺人鬼「スピリット」である山岡凛の父親が殺人鬼として出るのではないかとコミュニティでは噂されていたが、関係性は同じ血統を持つ者同士という点にとどまったようだ。
こちらが鬼のモデル。金棒を構えた際の存在感は、他の殺人鬼にはないものがある。実装のタイミングで既に10セットものスキンが用意された。生存者である木村結衣も同様に10セット用意されている。
*メメント・モリのモーション
移動速度は4.6m/sでトラッパーなどの一般的な殺人鬼と同じ速度である。心音範囲は32m、こちらも一般的な殺人鬼と同様と言える。
鬼の特徴は、生存者が落とす血を集めることで一定時間自身を強化し、効率良く生存者をフックに吊るすことが出来るという点にある。そのため、試合序盤は生存者を負傷させること、守る発電機をいくつかに絞ることを第一に考えて立ち回ると良い。
能力ゲージを増やすためには生存者を攻撃するか、負傷させた生存者が落とす血の球を集める必要があるが、血の球は時間経過を問わずマップに残り続ける。そのため、生存者は負傷している時間が長ければ長いほど鬼にとって有利な状況を作られやすいということだ。試合の後半につれて鬼は強力な殺人鬼となることを良く覚えておこう。
能力ゲージが満タンになり特殊能力「山岡の怒り」を発動中の鬼は、武器が刀から金棒に切り替わる。金棒を担いだ鬼は、ダッシュ攻撃やため攻撃である「鬼の一撃」を使うことで一撃で生存者をダウンすることが出来るようになる。
先日行われたプレイヤーテストビルド(以下、PTB)では、そのダッシュ攻撃時の旋回の自由度が非常に高く、生存者は逃げ方を工夫しなければほぼ確実にダウンを取られるような状態だったためか、リリースと同時に鬼は以下のように能力が調整された。
・負傷中の生存者がしゃがんでいる時、落とす血の球の間隔が減少。1秒につき1個のみに
・無傷の生存者をロッカーで捕まえた際も、攻撃した時と同様に血を得られるように
・生存者をフックに吊るすと血の球が2個出現するように
・負傷した生存者が乗り越えを行なった時に出現する血の球が3個から2個に減少
・生存者を攻撃した際に得られる血の量が98%で停止するように。最大まで溜めるためには血の球を回収する必要がある
・生存者を持ち上げた際に山岡の怒りは強制的に終了するが、その際のゲージ減少を削除。しかし、攻撃を当てた際にゲージがその都度減少するように
・鬼の進撃(能力発動中の高速移動)が終了した際のクールダウンを0.5→1.0秒に増加
・アドオン「練次郎の血塗れの籠手」のオーラ表示時間を4→3秒に減少
・鬼の一撃の旋回しやすさを減少、より狭い範囲にのみ攻撃が可能に
・鬼の一撃でパレットを破壊した際の硬直時間が2秒に減少(以前はヒルビリー等と同様に短い時間でパレットを破壊することが出来た)
血の球の集めやすさに関しては一部強化されたものもあるが、総合的に見て弱体化されたと判断するのが妥当だろう。また不具合として扱われているが、以下のような変更もあった。
・鬼の一撃がパーク「与えられた猶予」の効果を無視する不具合を修正
鬼の一撃はアニメーション上では複数回金棒を叩きつけているため、複数回攻撃をヒットさせている即ち「与えられた猶予」を無効化している認識だったが、残念ながらどうやら不具合だったようだ。
*鬼の一撃モーション
今回バランス調整が行われた殺人気は他に「スピリット」「リージョン」がいる。スピリットは鬼と同じく弱体化、リージョンは総合的に強化される調整となったが、‟深手”というステータスの仕様が変わったことからパーク「与えられた猶予」が相対的に強化される結果となっている。
殺人鬼「スピリット」、使用感は変わらないものの弱体化
スピリットのバランス調整は、ナースのように能力が根底から弱体化されるようなものではなく、強すぎる部分が抑えられ、よりマイルドになった印象を受ける調整だ。パーク「喘鳴」との相性の良さも変わらず、これまでと同様に見かけることの多い殺人鬼となるだろう。変更点が少ないため、以下に詳細をまとめる。
・能力「山岡の祟り」(フェイズウォーク)使用中、生存者と接触する判定を削除。生存者からもぶつかったことが分からなくなるように
・窓を乗り越える際のアニメーションが追加(従来のスピリットは窓を乗り越える際のアニメーションが無かったため、窓を乗り越えたかその場に立っているだけか判断がつけられなかった)
・能力「山岡の祟り」解除後、移動速度がより長い時間をかけてゆっくり元に戻るように
・複数のアドオンを弱体化
■刀の鍔
・山岡の祟り使用後の移動速度上昇時間変更効果を+0.25→0.2秒に変更
■脇差の鞘
・山岡の祟り使用後の移動速度上昇時間変更効果を+0.5→0.3秒に変更
■厄除けのお守り
・山岡の祟りの回復速度上昇効果を削除
・山岡の祟りの持続時間変更効果を+1→+3.5秒に変更
・山岡の祟りの移動速度変更効果を+10→-15%に変更
■白のヘアリボン
・山岡の祟りのチャージ速度変更効果を+30→+20%に変更
■血に塗れた髪飾り
・山岡の祟りのチャージ速度変更効果を+50→+30%に変更
■数珠
・山岡の祟りが発動中、生存者に聞こえる効果音を無音→マップ全体に変更
殺人鬼「リージョン」強化、深手ステータスの仕様が再度変更に
鬼やスピリットのように大々的な告知がなく、今チャプターにてひっそりとバランス調整が行われたリージョンだが、その調整内容は『Dead by Daylight』では非常に珍しい純粋な強化の項目が並んでいる。調整内容は以下のとおりだ。
・深手状態の手当てにかかる時間を減少。自分自身での手当ては12秒、仲間に手当てしてもらうと8秒かかるように
・愚連の狂乱: 発動中の攻撃は通常攻撃と見なされなくなった
・愚連の狂乱: 発動中の移動速度を5→5.2m/秒に変更
・愚連の狂乱: 発動中、窓枠を乗り越えるアニメーションを1.1→0.9秒に変更
・愚連の狂乱: 発動中、パレットを乗り越えるアニメーションを1.35→0.9秒に変更
・複数のアドオンの能力を調整
■いたずらリスト
・愚連の狂乱の延長効果を0.8→1秒に変更
■壁画のスケッチ
・愚連の狂乱の延長効果を1.6→1.5秒に変更
■盗まれたスケッチブック
・愚連の狂乱の延長効果を2.4→2.5秒に変更
■スマイリーフェイスのバッジ
・効果を変更、殺人鬼の本能で探知している生存者を攻撃すると目眩まし効果を60秒与えるように(目眩まし効果:他の生存者、殺人鬼のオーラが見えなくなる)
■落書きされたスマイリーバッジ
・効果を変更、殺人鬼の本能で探知している生存者を攻撃すると重傷効果を60秒与えるように(重傷効果:負傷状態を治療する際の速度が20%低下)
■リージョンのバッジ
・効果を変更、殺人鬼の本能で探知している生存者を攻撃すると衰弱効果を60秒与えるように(衰弱効果:負傷状態の治療が出来なくなる)
■汚れた刃
・深手の手当時間延長効果を3.5→2.5秒に変更
深手の治療にかかる時間は減少したものの、その他の項目ではほぼ強化されたと言える調整になっている。なお、愚連の狂乱中の攻撃は通常攻撃と見なされなくなったことで影響を受けるパークは以下の6つだ。愛用しているパークがある場合は注意してほしい。
・リメンバー・ミー
・フランクリンの悲劇
・呪術:第三の封印
・最後のお楽しみ
・闇の信仰心
・ずさんな肉屋
そして、リージョン実装後から3度目となる深手のステータスの仕様変更が行なわれた。
・深手タイマーの進行は殺人鬼の脅威範囲に影響されないように変更。その代わり走っている間、または手当中はタイマーが停止。
この変更が行われた経緯として、鬼の専用パーク「天誅」を駆使したリージョンが非常に強力で、殺人鬼「リージョン」実装時に使用されていた戦法である‟視線切り”と同じではないかと問題視されたからだろうとコミュニティでは噂されている。
■天誅
生存者が新たにオブセッション状態になるとき、忘却状態を60秒間付与する。
また彼らのオーラが4秒間視えるようになる。
深手を付与した生存者に天誅の効果で忘却のステータスを付けることで、強制的に深手のカウントをスタートさせるというものだ。これにより生存者は治療する時間を与えられず、一定の時間はかかるものの確実にダウンしてしまう状態を作られてしまうこととなる。忘却のステータスを付与されてしまう状況を作らなければ良いだけで、対策が全くないわけではないが、生存者のフラストレーションを溜める行為に該当することは間違いないだろう。
これを回避するための手段か、今回このような形で深手のステータスの仕様が変更されることとなったが、深手のステータスが適用されるものはリージョンだけではないため、結果として多くの生存者が採用するパークの1つである「与えられた猶予」も強化される扱いとなってしまった。今後は深手のステータスをこれまでより素早く、またマップ上のどこでも治療することが出来るものだと考える必要がありそうだ。
生存者のパーク3種が変更
殺人鬼の調整ばかりに目が行きがちだが、今チャプターでは生存者のパーク「スマートな着地」「血族」「誰も見捨てはしない」にも変更が入ることとなった。
■スマートな着地
・疲労時、高所から着地したときの硬直を減少させる効果を発動しないように変更
・疲労していないとき、着地したときのうめき声を100%減少させる効果を追加
■血族
・他の生存者がフックに吊られているときも他の生存者全員のオーラおよびフックに吊られた生存者から一定範囲内の殺人鬼のオーラが表示されるように変更
・殺人鬼の隠密能力を無効化できないように変更
■誰も見捨てはしない
・効果を変更。1ヶ所以上の脱出ゲートが開くと、治療やフックからの救出で獲得できるブラッドポイントが50/75/100%増加し、治療やフックからの救出の速度が30/40/50%上昇する
・他の生存者のオーラが常に表示されるように
他の加速系パークと比べると、着地した際の硬直が75%減少する追加効果がある点が強力だった「スマートな着地」は今チャプターにて弱体化。このパークともう1つ加速系パークを付け併用するチェイス特化のビルドは、今後見る機会が少なくなるだろう。
血族、誰も見捨てはしないの効果変更は、開発者インタビューで話題に上がっていたソロでゲームを遊んでいるユーザーと、フレンドとパーティーを組んで遊んでいるユーザーの格差を無くすための変更が今回このような形で導入されたということだろう。
従来の効果でも1パークの効果としては十分すぎるほど強力だった血族は、今回の変更で生存者の必須パークの1つになったのではないだろうか。確かに、ボイスチャットで常に情報を交換できる状態にあるユーザーとの格差は縮まったが、殺人鬼の肩身は狭くなる一方。この状態が本当に求められているものかどうか疑問に感じてしまうユーザーも少なくないだろう。
ランクシステム変更、切断行為にペナルティが発生
最後に、ゲームシステムに2点変更が入る。毎月13日に行われているランクのリセットが今チャプターより緩和されることに。今後はアイコンの色1段階分ランクが戻るようになる。レッドランク (1-4) のプレイヤーはパープルランク (5) に、パープルランク (5-8) はグリーンランク (9) に、グリーンランク (9-12) はイエローランク (13) に、イエローランク (13-16) はブラウンランク (17) というものだ。
そして、試合中にゲームから退出してしまう‟切断行為”にペナルティが発生するように。
公式フォーラムでは、こちらのシステムの導入についてこのように語られている。
[perfectpullquote align=”full” bordertop=”false” cite=”” link=”” color=”” class=”” size=””]マッチから退出・切断したプレイヤーは、一定時間新たにマッチングを開始できません。また退出・切断を繰り返すたびに期間が延びていきます。この機能の目的は退出・切断をしないことを促すことですが、同時にネガティブな精神状態にある人が頭を冷やすまでマッチメイキングに参加しないようにすることも兼ねています。
フレンドのグループで遊んでいる場合、1人でもこのペナルティを受けている人がいる場合、全員がマッチングに参加できません。ペナルティを受けている人がグループを抜けるか、全員がペナルティを清算するまでそのグループはマッチングに参加できません。[/perfectpullquote]
専用サーバーの目的の1つであった切断対策が、ここにきて形となってきたことは素直に喜ばしい。なお、このシステムは12月6日から導入される点に注意したい。