THQ Nordicは、イギリスで先週末に開催されたゲームイベントPC Gamer Weekenderに、傘下のExperiment 101が開発中のオープンワールド・アクションRPG『BIOMUTANT』を出展した。ここで同社は本作の新たなトレイラーを公開し、またExperiment 101の共同設立者Stefan Ljungqvist氏がインタビューにこたえている。
本作では、小さなケモノの主人公が銃と剣を携えて、文明崩壊後の自然溢れる世界を冒険する。主人公のアクションのベースはカンフーであることが特徴の一つとされているが、これまでに公開された映像ではカンフーらしい要素はあまり見ることができなかった。しかし今回のトレイラーでは、冒頭から道場らしき場所での演舞から始まる。そして体術を活かしたさまざまなバトルスタイルや、気球やグライダーなどの移動手段、あるいはメックに乗って敵と戦う様子などが披露されている。
『BIOMUTANT』の世界にはさまざまなケモノ部族が暮らしており、それぞれの長にはカンフーの達人が就いている。プレイヤーはそうした人物に出会うことで、新たなカンフースタイルを学ぶことができるという。Ljungqvist氏は、本作のカンフーはブルース・リーの映画などからイメージするトラディショナルなスタイルではなく、銃や剣などの武器も活用するモダンなスタイルで、いわば“ガンフー（Gun-fu）”であると語る。実際のバトルシーンでも、武器を使ったアクロバティックかつスピーディーなアクションが確認できる。
次にLjungqvist氏は、主人公のキャラクター作成システムを紹介している。キャラクター作成では性別のほか、体毛のタイプや色、そして初期ミューテーションを決定する。ミューテーションとは突然変異という意味で、本作のゲーム内では、過去の文明の遺物である放射性物質に触れることで体質に変化が起こり、特殊能力を得ることができる。映像の中では、バブルシールドのようなものを張って敵の弾を弾き返したり、空中を浮遊する様子などが紹介されている。こうした能力を得るには放射性物質を発見してアンロックし、さらに汚染されたモンスターを倒すことで獲得できるバイオポイントを消費する必要があるという。
キャラクター作成における初期ミューテーションは、パワー・スタミナ・カリスマ・知性・俊敏性・運といった主人公の初期ステータスを意味するようだ。たとえば知性重視にすると頭が大きくなるなど、選択したステータスバランスによってキャラクターの体格が変化することが分かる。ステータスを吟味してキャラクターを作成するか、見た目重視で作成するかプレイヤーによって分かれそうだが、ゲームを進める中ではこのバランスを再調整したり、特定のステータスをアップグレードすることもできるという。
主人公が扱う銃や剣は、集めた素材からクラフトして作成することが本作の大きな特徴である。Ljungqvist氏によると、クラフト可能な武器は銃（遠距離武器）だけで計50万種類にもなるという。ショットガンやライフル、リボルバーなどのタイプがあり、また撃ち出す弾に属性を付けるなどバリエーションは膨大だ。使用した素材によってクオリティにも差が生まれるという。剣（近接武器）も同様に、日本刀のようなものから大剣、斧、棍棒など、片手持ちなのか両手持ちなのかを含め、さまざまなタイプが作成可能だ。
銃には攻撃力や射程、連射速度、精度、弾倉サイズなどのステータスがあり、一方の剣には攻撃力のほか、徹甲性能やクリティカル率などのステータスがある。組み合わせる素材を入れ替えるごとに変化するため、逐一確認しながらクラフトすることになるだろう。クラフト画面にはランダムに組み上げる機能があるため、これを使ってどのようなことが可能なのかいろいろ試してほしいとしている。
本作の世界には環境の異なる7つのエリアが収録され、天気や季節の変化がある。公開された映像では自然が広がっており一見豊かそうに見えるが、実は終焉を迎えつつあるという。世界の中心には巨大な生命の樹があり、5つの方角へ根を伸ばしている。その根の先にはそれぞれボスとなるモンスターがおり、それらを倒して世界を救うのだ。ただし、必ずしもこれが本作における最終目標とはならないようだ。
この世界には6つの部族が暮らしており、前述したようにカンフーを学ぶことができるほか、同盟を組むこともできる。部族の中には善のグループもあれば悪のグループもあり、たとえば悪の部族の仲間となって、ほかの部族を征服することもまた本作の目標になり得るという。このように冒険の行方をプレイヤーに委ねながら、名前も明かされていない主人公のケモノキャラクターは一体何者なのか、そしてどこからやってきて、なぜこの地にいるのかといった物語が展開されていく。この『BIOMUTANT』は、PC/PlayStation 4/Xbox One向けに2018年発売予定だ。
