“本物の元ハンター”も感動する狩猟ゲーム『theHunter: Call of the Wild』は「狩っても狩らなくてもよし」。アウトドア好き集団の開発・販売元に、日本進出理由や本作の楽しみ方などを訊いた

Avalanche Studios Groupのクリエイティブ部門であるExpansive Worldsは9月24日、『theHunter: Call of the Wild』を国内向けにリリースした。ゲーム内は日本語表示に対応している。

Avalanche Studios Groupのクリエイティブ部門であるExpansive Worldsは9月24日、『theHunter: Call of the Wild』を国内向けにリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS4/Xbox Oneで、PS5/Xbox Series X|Sでも後方互換機能でプレイ可能。またPC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。ゲーム内は日本語表示に対応している。

『theHunter: Call of the Wild』は最大8人マルチプレイ対応のオープンワールド狩猟ゲームだ。プレイヤーはハンターとなり、シカやクマなど野生動物のハンティングをおこなう。マップは複数存在し、いずれも広大な自然が舞台となっている。それぞれの地で動物の痕跡をたどりながら獲物を探し、対象に合った武器と弾薬を用いて射撃。急所を撃ち抜くクリーンな狩りを目指す。

このたび弊誌は、本作の開発・販売を手がけているExpansive Worldsにメールインタビューを実施。本作の魅力やプレイのコツ、日本向けへの展開にあたっての意気込みなどを伺うことができた。以下にその内容を紹介する。

──スタジオの紹介をお願いします。

開発チーム:
Expansive Worldsです。スウェーデンに拠点を置くゲーム会社、Avalanche Studios Groupのクリエイティブ部門のひとつとなります。当スタジオにはアウトドア活動の愛好家が多く在籍しており、野外でのアクティビティをテーマとした作品を主に手がけています。

過去に制作した作品としては、まず2009年にスタジオ初の作品として『theHunter Classic』をリリースしました。その後2017年に、本作『theHunter: Call of the Wild』を海外向けに配信開始いたしました。また2022年にはオープンワールド釣りゲーム『Call of the Wild: The Angler』を発売しています。

──今回日本向けにリリースされた、『theHunter: Call of the Wild』の特徴や魅力について教えてください。

開発チーム:
本作の大きな特徴は、没入感のある狩猟体験です。本作はリアルさを重視したハンティングゲームであり、プレイヤーは周囲を注意深く観察して獲物の痕跡を探したり、あるいは待ち伏せしておびき寄せたりなどして、狩りのスリルを味わうことができます。

また一方で、必ずしも動物を狩る必要はありません。本作には広大で美しい自然が存在しており、純粋に散策を楽しむこともできます。実際本作のプレイヤーのなかには、銃の代わりにカメラを持って、お気に入りの動物や美しい風景の撮影を楽しんでいる人もいます。人それぞれ自分なりの楽しみ方ができるのが、本作の魅力といえるでしょう。


──本作は『ジャストコーズ』シリーズの開発でも使われたという「Apex Engine」で制作されているそうですね。Apex Engineの特徴について教えてください。

開発チーム:
Apex Engineは弊社が開発したオリジナルのゲームエンジンで、オープンワールドゲームの制作に特化しています。カスタム性に富んでおり、比較的小規模な開発チームでも高品質のオープンワールドゲームを作成することが可能です。Avalanche Studios Groupの作品の多くは当エンジンによって開発されており、たとえば『RAGE 2』の荒野や『ジャストコーズ4』の竜巻やブリザード、『theHunter: Call of the Wild』の穏やかな森や『Call of the Wild: The Angler』の静かな水面などは、みなApex Engineによって描かれています。

──そんな本作『theHunter: Call of the Wild』にはネパールやオーストラリアなど、世界中のさまざまなマップが用意されています。マップ制作の際はどのように現地の環境や動物を調査しているのでしょうか。

開発チーム:
本作の開発における目標は、できる限り本物らしい狩りの体験をプレイヤーに届けることです。リアルさの追求のため、マップのモデルとなる場所の調査には力を注いでいます。制作にあたっては現地のガイドや文化コンサルタントと協力し、動物相や植物相のほか、歴史や現地の狩りのやり方などを入念にリサーチしています。我々は自然環境だけでなくその地の歴史などもゲームに取り込むことで、現地の文化に敬意を払いたいと考えています。またプレイヤーからは常に意見を募集しており、改善に取り組み続けています。

──本作『theHunter: Call of the Wild』は2017年にリリースされ、現在まで開発が続けられてきています。7年のあいだで本作はどのように改善されてきましたか。

開発チーム:
リリース以来、我々はコミュニティの声に耳を傾け、無料アップデートやDLCを配信することで本作の改善を続けてきました。長年の開発の結果、現在では本作に登場する狩猟可能な動物は100種を超えており、マップも15か所となっています。プレイヤーの要望に応えて導入したコンテンツも複数存在しており、たとえば狩りの相棒となる猟犬はそのひとつです。プレイヤーの意見は我々にとって非常に重要であり、最近の例でいえば次に追加する武器はどれがよいかプレイヤーたちに尋ねたりもしました。


──ファンと近い距離を保ち、フィードバックを取り入れてきたということですね。これからもそうした取り組みは継続されるのでしょうか。

開発チーム:
もちろんです。我々はこれからもプレイヤーの声に耳を傾け、協力して本作を発展させていきたいと思っています。今もエキサイティングな計画がいくつも進行中ですので、詳細についてはまだお話しできませんが、楽しみにしていただければと思います。

 

※東京ゲームショウ2024ではブースも構える本気っぷり


──本作はSteamで13万件以上のレビューを集め「非常に好評」ステータスを得るなど、とても高い人気を得ています。開発元としてプレイヤーからの評価について、どのようにお感じですか。

開発チーム:
情熱的なコミュニティが本作をサポートしてくれており、本当にありがたく思っています。プレイヤーの皆さんから好意的な評価が多く寄せられているのはとても嬉しいです。

──ファンから寄せられたコメントのなかで、特に印象に残っているものはありますか。

開発チーム:
とある50歳のプレイヤーの方からいただいたメッセージが強く印象に残っています。そのプレイヤーは、かつては本当のハンターだったそうなのですが、病気をわずらい自由に体を動かせなくなってしまったそうです。寄せられたメッセージには、感謝の言葉がつづられていました。もはや自分は本物の狩りに行くことはできないけれども、本作でまた狩りのスリルを楽しむことができていると。ふたたび自然のなかに戻った感覚が味わえており、本当に嬉しいとのことでした。プレイヤーの皆さんからいただいた記憶に残るコメントはいくつもありますが、もっとも心を動かされたのは彼からのメッセージですね。

──今回PS4/Xbox One版の『theHunter: Call of the Wild』が国内向けにリリースされました。なぜ今のタイミングで日本市場に挑戦しようと思ったのですか。日本のユーザーとどのような関係を築きたいですか。

開発チーム:
近年日本の皆さんから、本作の日本向けの展開を望む声が多く聞かれるようになり、我々もそうした期待に応えたいと思いました。日本のプレイヤーの皆さんにはぜひSNSなどで本作のコミュニティに参加していただき、よい関係を築いていけたらと思っています。

──今のところ日本での反響はいかがでしょうか。

開発チーム:
日本向けにリリースしてまだ日は浅いですが、今のところとても勇気づけられるような反応をいただいています。新たな層のプレイヤーを迎え入れ、意見を聞くことができるというのはとても喜ばしいことです。今後日本の皆さんといっしょに、本作をさらに改善していくのを楽しみにしています。

※東京ゲームショウ2024ではブースも構える本気っぷり

──本作『theHunter: Call of the Wild』のリアルで本格的な狩猟体験は魅力的ですが、少し難しくもあります。初心者向けにアドバイスをお願いします。

開発チーム:
本作で初めての狩猟に挑むプレイヤーに向けて、いくつかコツをお教えします。参考にして、狩りを楽しんでください!

まず、周囲の環境を利用しましょう。開けたエリアは視界がよいですが、動物の方もあなたを見つけやすいため、逃げられやすくなってしまいます。木や岩などで身を隠しながら進むことで、発見されるリスクを減らすことができます。また動かずにじっと止まったり、しゃがんだり伏せたりといった行動も、気づかれる可能性を減らすのに効果的です。

そして、静かに行動しましょう。あなたが動物の声を聞き取れる距離まで近づいたのなら、動物の方にもあなたの出す音が聞こえている可能性があります。発砲や車の運転といったアクションは当然大きな音を出しますし、茂みを走ったりすることでもノイズが発生し、動物を驚かしてしまう恐れがあります。動物にアプローチするときは、なるべく静かにするとよいでしょう。また、たとえば雨や強風といった天候は、ある程度の音をかき消してくれます。悪天候も利用できることを覚えておくと役に立つかもしれません。

最後に、ニードゾーンを探しましょう。本作の動物たちはあてもなくさまよっているわけではなく、食事や休息のために特定のエリアに立ち寄る傾向があります。動物の痕跡を探ることで、そうした動物が集まるニードゾーンを発見し、狩りの効率を上げることができます。

──DLCコンテンツも含め15種類もマップがあると、どこから始めるべきか迷ってしまいそうです。初心者にオススメのマップを教えてください。

開発チーム:
ベースゲームに含まれるマップはレイトン湖水地方とヒルシュフェルデン保護区の2か所となり、どちらも初心者がプレイを始めるのにはうってつけのエリアです。レイトン湖水地方はアメリカ大陸・太平洋岸北西部に位置しており、うっそうとした松林と雪に覆われた山々が特徴のエリアです。ここではヘラジカやアメリカグマ、コヨーテなどを狩ることができます。

一方のヒルシュフェルデン保護区は、中央ヨーロッパを舞台とする広大な狩猟場です。山岳地帯やスプルースの生える森などがある一方で、田園地帯や古城など人の手が入ったエリアも存在しています。変化に富んだマップであるヒルシュフェルデンには、ダマジカやイノシシ、ヨーロッパバイソンなどが生息しています。

──本作のほかにも、日本向けにオススメの作品がありましたら教えてください。

開発チーム:
Avalanche Studios Groupからは本作のほかにも、『Call of the Wild: The Angler』や『Generation Zero』などが日本向けに展開されています。『Call of the Wild: The Angler』は当スタジオが手がけており、こちらは狩りではなく釣りをテーマとしたゲームです。一方の『Generation Zero』は危険な機械獣を相手にゲリラ戦を展開する、協力プレイ対応のサバイバルFPSです。それぞれ作品の方向性は違いますが、当グループのゲームらしくどちらもオープンワールドゲームとなっており、美しく広大な自然が舞台となっています。

『Call of the Wild: The Angler』

 

『Generation Zero』


──日本のプレイヤーに向けて、メッセージをお願いします。

開発チーム:
皆さんの応援と熱意に感謝しています。これから日本の皆さんの声を聞き、本作『theHunter: Call of the Wild』をさらに改善していくのを楽しみにしています。本作について感想や改良のアイデアなどがありましたら、どうぞご遠慮なくお聞かせください!

──ありがとうございました。

『theHunter: Call of the Wild』はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS4/Xbox One向けに配信中だ。PS5/Xbox Series X|Sでも後方互換機能でプレイ可能。またPC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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