『レインボーシックス モバイル』は「ミリタリースーパーヒーロー」モノ、『シージ』とは一味違う。日本独自のコンテンツも計画中

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ユービーアイソフトは10月4日、『レインボーシックス モバイル』と『ディビジョン リサージェンス』を対象としたメディア向け説明会を開催した。本稿では、説明会とあわせておこなわれた合同インタビューの内容をお届けする。

作品概要 ~基本プレイ無料で、人気シリーズを新たな視点から描く~

『レインボーシックス モバイル』は、『レインボーシックス シージ』の戦略的でハイペースなゲームプレイを、モバイル端末でのプレイに適したかたちへとアレンジした作品である。ゲームプレイの土台は『レインボーシックス シージ』を踏襲しつつも、オペレーターの成長要素(経験値・レベルの概念)を導入したり、日本独自のコンテンツの提供を計画したりと、やや方向性の異なるタイトルとなっている。今回の説明会によると、本作が目指すのは「モバイルゲームにおける完成されたシューター体験」の提供。iOS/Android向けの基本プレイ無料タイトルとして開発中で、10月7日からはAndroid版の日本向け先行プレイが開始する予定だ(関連記事)。

『ディビジョン リサージェンス』は、『ディビジョン』シリーズの物語を新たな視点から描く、基本プレイ無料のオープンワールドアクションRPG。こちらもiOS/Android向けに開発中。プレイヤーはSHD(Strategic Homeland Division)の第一派遣エージェントの一員となり、混沌とした状態が続くニューヨークでの市民保護や、より良い未来を手にするため、敵対勢力との激しい戦いに身を投じる。基本的なゲームモードはシリーズの従来のものが踏襲される一方で、新たな武器や装備品も登場するとのこと。

合同インタビュー:両作共通の質問

今回のメディア合同インタビューに答えてくれたのは、以下の3名である:

Ubisoft Mobile APAC ビジネスデベロップメント・パブリッシング・ディレクター コチョール・オザン氏
画像左:Ubisoft Mobile HQ エグゼクティブ・プロデューサー ファブリス・ナヴレズ氏
画像右:Ubisoft Mobile HQ コンテンツ・ディレクター ジョナサン・ラベルニュ氏


――『レインボーシックス モバイル』は初期の『レインボーシックス シージ』を彷彿とさせ、『ディビジョン リサージェンス』は1作目の舞台に戻るということで、いずれも原点回帰を図っているような印象を受けました。ユービーアイソフトのモバイルゲーム全体として、そうした原点回帰を意識的にやろうとしているのかどうか、お聞きしたいです。

ナヴレズ氏:
まず、これまでコンソール機などで体験してきたことを、モバイルでも体験したがっているプレイヤーが増えてきていると感じています。その点、我々が30年以上に渡り培ってきたコンソール向けゲームの開発経験は、モバイル向けのゲーム開発にも活かしていけることでしょう。

また、モバイル端末の性能向上にともない、我々が築き上げてきたゲーム体験をモバイル向けに提供するのに適した時期になってきたと感じています。ほんの4~5年前までは実現が難しかったようなことが可能となり、プレイヤーが求める品質水準のゲームをようやく届けられるようになってきたのです。

そして、まだ我々のことを知らない新しいプレイヤーにリーチするよい機会でもあります。そうした新規プレイヤーにゲームを届けるにあたって、モバイルは非常に適していると考えております。

――各タイトルのマネタイズモデルについてお教えください。

ナヴレズ氏:
『レインボーシックス モバイル』については、競技性の高いゲームという性質を崩さないようなマネタイズモデルを心がけています。

簡単にいうと、本作はゲームの進行状況に応じて新たなタクティカルオプションがアンロックされていくような作りになっています。そして少額課金によって、その進行の速度を速めることができます。

コスメティックアイテムとしては、オペレーターや武器のスキン、アバターなどによってゲーム内で自分を表現することができます。またシーズン制を採用しており、各シーズンのバトルパスでは特定のオペレーターに焦点を当てています。

ラベルニュ氏:
『ディビジョン リサージェンス』のマネタイズモデルに関する詳細は、後日発表いたします。現段階ではお伝えできることが限られるのですが、プレイヤーにとってフェアなマネタイズモデルになるよう心がけています。マネタイズ手段の一部は『ディビジョン』『ディビジョン2』に似た内容になりますが、それらのタイトルとは異なるモバイル版独自のマネタイズ手段も設けています。

――ローカライズの状況についてお教えください。

コチョール氏:
両作とも日本語にローカライズされます。『レインボーシックス モバイル』については、基本的に『レインボーシックス シージ』と同じ声優の方々に担当してもらっています。

『レインボーシックス モバイル』では、攻撃側の部隊長を小森未彩さん(画像上)、防衛側の部隊長を石川界人さん(画像下)が担当

ナヴレズ氏:
『ディビジョン リサージェンス』については、米国が舞台のゲームであることを踏まえ、よりオーセンティックな体験を届けるため、音声は英語となっています。こちらは日本に限らず、本作が配信される各国で同じ対応を取っています。もちろん、字幕やメニュー画面については日本語にローカライズされます。

『レインボーシックス モバイル』に関する質問

――『レインボーシックス モバイル』のマップや、ローンチ時に実装されるオペレーターはどういう基準で選ばれているのでしょうか。

コチョール氏:
人気度がひとつの基準になっており、マップについてはコミュニティからの人気が高いものを選ぶようにしています。オペレーターについても、たとえばSledgeのような、『レインボーシックス シージ』の初期からいて、皆さんに長くプレイしていただいたメンバーがラインナップに含まれています。時間が経てば、もう少し新しいオペレーターを追加していく予定です。

※ユービーアイソフトの公式ブログによると、オペレーターの人気度のほか、「よりおもしろいメタを作りだす組み合わせはなにか」という点も、ラインナップ選びにあたっての基準にしているとのこと。

――『レインボーシックス モバイル』では各オペレーターが、マスタリートラックと、カスタマイズ可能なスキルをもっているとのことですが、スキルについては、長時間遊んでいるプレイヤーの方が有利になるような仕組みになっているのでしょうか。もしくは、長時間プレイしていなくても公平に戦えるようになっているのか、そのあたりのバランスについてお聞かせください。

コチョール氏:
本シリーズがプレイヤーのスキルを重視するゲームであることに変わりはなく、いわゆるPay to Winの仕組みにはなっていません。オペレーターのスキルについては、限られた時間だけ少し速く走れたり、使用できる監視カメラを増やせたりとさまざまなものがあり、自分のプレイスタイルにあわせてカスタマイズできるようにしています。そうしたオペレータースキルのバランス調整が大事だとは思っています。

――オペレーターはPC/コンソール版と同じメンバーを提供するとのことですが、モバイル版オリジナルのコンテンツを提供する予定はありますか。また、モバイルならではの付加価値について、お話いただければと思います。

コチョール氏:
『レインボーシックス シージ』にてほぼ10年分のコンテンツがあるので、まずはそれを活かしていきます。そして次のフェーズとして、モバイル版独自のコンテンツを考えています。違った体験、たとえばより気楽なコンテンツを、『レインボーシックス シージ』より少し早く提供することもできるかもしれません。

モバイルならではの付加価値については、たくさんあります。たとえば本作では操作方法を含め、モバイル端末への最適化を図っています。また、オンボーディング(チュートリアルを筆頭とした、新規プレイヤーがゲームに慣れるための道筋づくり)についても大きく強化したいと考えています。とくに同作はゲームを理解するためのハードルが高いと思いますので。

なお、ほかのモバイルゲームでよく見られる自動射撃については、ちょっと違った仕組みを用いて取り入れています。いつでも自動射撃できるわけではなく、一定時間覗き込み状態にしてタクティカルフォーカスというモードに切り替えることで、レティクル内に入ってきた敵を自動的に撃てるようになります。

そのほかプログレッション関連の部分で、『レインボーシックス シージ』と違う点が多くあります。オペレーターのマスタリーや、より長いスパンでのカスタマイズおよびスキル変更によって、自分なりのオペレーターを作っていくことができます。

――『レインボーシックス モバイル』では、まだアンロックしていないオペレーターを、チケットを消費することで利用できると聞いています。本作にてチケット制を採用した理由についてお教えください。

コチョール氏:
『レインボーシックス シージ』でオペレーターをアンロックするには、膨大な時間をかけるか、少額課金システムを使う必要があります。『レインボーシックス モバイル』ではそこまで遊びこまなくても、お試しとして、いろんなオペレーターを使えるようにチケット制を導入しました。チケットは、試合が終わったあとの報酬、ガチャ、もしくはバトルパスにて入手できます。

――『レインボーシックス モバイル』では『レインボーシックス シージ』と比べてオペレーターの見た目が違うという印象を受けました。『シージ』との違いや、見た目を変えた理由をお教えいただけますか。

コチョール氏:
『レインボーシックス モバイル』については「ミリタリースーパーヒーロー」という呼び方をしていまして、『レインボーシックス シージ』とは違い、がっつりミリタリーというよりは、少しスポーティーなゲームにしています。

見た目については、これからたくさんのコスメティックアイテムを出していきますし、皆様もオペレーターを好みの外見にカスタマイズしていくと思いますので、問題はないかなと思っています。なお、まだ開発中のゲームであり最終版ではないので、リリースまでにまた変化する可能性もあります。

――『レインボーシックス モバイル』のeスポーツ展開についてお聞かせください。

コチョール氏:
eスポーツ展開については当然視野に入れていますが、現段階ではまだ発表できません。やはり本格的にeスポーツをやるにあたっては、いろんな機能が必要となってきます。よって、eスポーツ展開について期待できるようになるのは、ローンチ時点ではなく、ローンチ後となるでしょう。

『ディビジョン リサージェンス』に関する質問

――これまでに出た映像を見る限り、『ディビジョン リサージェンス』ではピストルなどを装備するためのサイドアーム枠がなくなっているように見受けられます。同枠をなくした理由をお教えいただけますでしょうか。

ラベルニュ氏:
サイドアームそのものがなくなったわけではありません。まだ詳細をお伝えすることはできませんが、『ディビジョン リサージェンス』ではサイドアームがこれまでのシリーズ作品とは違ったかたちで実装されます。

――初代『ディビジョン』ではシグネチャースキル、『ディビジョン2』ではシグネチャーウェポンが採用されていました。『ディビジョン リサージェンス』にて、シグネチャーウェポンに近いシステムにした理由を教えてください。

ラベルニュ氏:
『ディビジョン リサージェンス』では、『ディビジョン2』のスペシャリゼーションシステムを拡張したいと考えています。なお、『ディビジョン リサージェンス』の「シグネチャーアビリティ」は必ずしもウェポンではなく、SHDガジェットの場合もあります。『ディビジョン2』と似たシグネチャーアビリティを有するスペシャリゼーションもあれば、新しいアビリティを有するスペシャリゼーションもあります。また、スペシャリゼーションごとにユニークなプレイスタイルを、より直感的に生み出せるようなつくりにしています。

――データログなど、これまでの『ディビジョン』作品にあったような世界観を深掘りする収集アイテムはありますか。

ラベルニュ氏:

はい、『ディビジョン リサージェンス』でも似たような収集要素が用意されており、世界観についてより詳しく知ることができます。

――ありがとうございました。

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